「簡単移行って書いてあったのに、なんでいきなりエラーなの……」
深夜のパソコン前、あるいは限られたスキマ時間。やっとの思いでサーバー移行の画面を開き、情報を入力してボタンを押した直後に表示される「移行用プラグインのインストールに失敗しました」の赤い文字。
思わず天を仰ぎたくなります。
往復3時間の通勤電車に揺られながら、限られた時間でブログを運営している私(ハル)も、過去にこのエラー画面の前で完全にフリーズしました。
「パスワード間違えた?」「いや、普通にログインできるしサイトも生きてる」
「下手にいじって、今のサイトまで見れなくなったらどうしよう……」
そんな焦りと不安、痛いほどわかります。せっかくの休日や深夜の貴重な作業時間が、原因不明のエラー探しで溶けていく絶望感。FTPやデータベースを手動で触るような難易度の高いことは、できれば避けたいのが本音。
この記事は、そんな当時の私と同じように画面の前で立ち尽くしているあなたに向けて書いています。
専門用語を並べ立てて「ここをいじれば一発解決!」なんて無責任なことは言いません。なぜなら、私自身があれこれ設定を見直しても、必ずしもすんなり解決しなかった泥臭い経験があるから。
だからこそ、WordPressを絶対に壊さない「安全な順番」で、確認すべき項目を一つずつ紐解いていきます。そして、「どこまでやってダメなら見切りをつけるか」という現実的な撤退ラインも一緒に考えていきましょう。
深呼吸して、まずは落ち着いて。あなたのサイトはまだ壊れていません。
結論|このエラーはWordPress側で移行用プラグインを追加できないときに起こることがある
あれこれ探る前に、まずは一番の核心から。
この謎のエラー、ぶっちゃけてしまうと「シンレンタルのシステムが、あなたのWordPressにプラグインを勝手に入れようとしたけど、何かにブロックされて弾かれた」という状態です。
「え、勝手にプラグイン?」と思うかもしれません。
実はシンレンタルの「WordPress簡単移行」というのは、サーバー側で魔法のような処理をしているわけではなく、あなたの代わりにロボットがWordPressの管理画面にアクセスし、引越し専用のプラグインをインストールして、そこからデータを引っこ抜く……というアナログな作業を自動化しているだけなのです。
つまり、あなたのWordPress側で「外部からのプラグイン追加を許可しない設定」や「何かしらのセキュリティの壁」が働いていると、ロボットはドアの前で締め出されてしまい、このエラーを吐き出します。
決してあなたのサイトが壊れたわけでも、入力した文字が全部間違っていたわけでもありません。「防犯ロックが強すぎて、引越し業者が家に入れなかった」だけ。そう考えると、少し気が楽になりませんか。
「移行用プラグインのインストールに失敗」とは?
エラーの正体が「引越し業者の締め出し」だと分かったところで、もう少しだけ裏側の仕組みを知っておくと、この後の確認作業がグッと楽になります。
「見えない敵」と戦うのは怖いですからね。
シンレンタル側が移行用プラグインを使う仕組み
簡単移行ツールにWordPressのログインIDとパスワードを入力しましたよね。
あれを受け取ったシンレンタルのシステムは、実際にその情報を入力して、あなたのサイトの裏口(ログイン画面)をノックします。無事に入室できたら、今度は「プラグインの新規追加」画面を開き、移行に必要な専用ツールをこっそりインストールしようとします。
これが成功して初めて、記事や画像のデータ移行がスタートする仕組み。
逆に言えば、「ログインまではできたけど、プラグインの追加ボタンが押せなかった」とか、「そもそもログイン画面の前にセキュリティの壁(ロボット除け)があって弾かれた」といった状況になると、システムはお手上げ状態になり、「インストールに失敗しました」とだけ報告してくるわけです。
サイトが正常表示されていてもエラーになることがある
ここで厄介なのが、「でも、普通にサイトは表示されてるし、自分ではログインできるんだけど?」という点。
当時の私もこれに一番悩まされました。自分は普通に管理画面に入れるのに、なぜシステムは失敗するのか。
答えは意外とシンプルで、人間(あなた)のアクセスは許可されていても、システム(外部サーバーからの自動アクセス)がセキュリティに引っかかっているケースが非常に多いという現実。
または、普段プラグインを追加する機会が減っていて気づかなかっただけで、実はWordPress自体が「プラグイン追加禁止モード(詳しくは後述します)」になっていた、なんてオチも珍しくありません。
「サイトが正常=移行も必ず成功する」というわけではない。
これを念頭に置いたうえで、次から具体的な確認作業に入っていきましょう。サイトを壊さないよう、一番安全なところから順番にチェックしていきますね。
まず確認する5項目
「原因を切り分ける」といっても、いきなり難しい設定ファイルを触ったり、得体の知れない画面を開く必要はありません。
まずは一番安全で、かつ「意外と見落としがちな凡ミス」から潰していきましょう。
疲れている深夜の作業や、早く終わらせたいと焦っているときほど、信じられないような見落としをするもの。
当時の私も、「絶対合ってるはず!」と謎の自信を持ったまま何度もボタンを押し続け、2時間くらい無駄にした苦い記憶があります……。
WordPressのユーザー名・パスワード
シンレンタルの移行ツールに入力したログイン情報。本当に合っていますか?
「そんなの間違えるわけないでしょ」と思うかもしれませんが、メモ帳やパスワード管理ツールからコピペしたときに、末尾に「見えない半角スペース」が混ざっていること、結構あります。
念のため、一度手打ちで入力し直すか、確実にスペースが入っていない状態でコピペしてみてください。
別のブラウザのシークレットウィンドウを開いて、その情報で実際に今のWordPressへログインできるかテストするのが一番確実。
管理者権限のアカウントか
普段ログインしているそのアカウント、「管理者」でしょうか。
WordPressには権限というものがあり、「編集者」や「投稿者」のアカウントだと、そもそもプラグインを追加する権限が与えられていません。
複数人でサイトを管理している場合や、過去に外注さんからサイトを引き継いだ場合など、「実は自分に一番上の権限がなかった」というオチも。
管理画面の「ユーザー」メニューを見て、自分の権限グループが間違いなく「管理者」になっているか確認してみてください。
移行元URLが正しいか
ここも落とし穴。あなたのサイトのURLは、「http://」ですか? それとも「https://」ですか?
普段ブラウザで見るときは勝手にリダイレクト(転送)されるので気にしていないかもしれませんが、移行ツールは機械です。「http://」と入力したけど実は「https://」が正解だった場合、それだけで迷子になってエラーを吐くことがあります。
ブラウザのURL欄をダブルクリックして、一言一句間違っていないか。最後に余計な「/(スラッシュ)」が入っていないかチェックしましょう。
WordPress管理画面からプラグインを追加できるか
これが一番怪しいポイント。
先ほど「システムが引越し業者としてプラグインを追加しようとしている」とお話ししました。つまり、あなたのWordPressが「現在、新しいプラグインを追加できる状態か」がエラー解消の大きな鍵になります。
これについては一番原因になりやすいので、次の章で少し詳しく深掘りしますね。
WordPress・PHPなどが移行条件を満たしているか
シンレンタルの簡単移行ツールには、動作保証されている条件があります。
たとえば、WordPressのバージョンやPHPのバージョンが古すぎないか、など。
何年も放置していた古いブログを一念発起して移行しようとしている場合、システム側が「古すぎて対応できません」と弾いている可能性があります。もし何年もアップデートをサボっていたなら、移行前にWordPress自体を最新版にしておく必要があります。
とはいえ、アップデートでサイトのレイアウトが崩れるリスクもあるため、実行前には必ずバックアップを取るようにしてください。
WordPress管理画面からプラグインを追加できるか確認する
さて、先ほどの5項目をクリアしてもダメだった場合。ここからがいよいよ本丸です。
エラーメッセージの通り、「プラグインのインストール」自体がブロックされていないかを、自分の手で直接テストしてみましょう。
「プラグイン → 新規追加」が表示されるか
WordPressの管理画面にログインして、左側の黒いメニューを見てください。
「プラグイン」という項目にマウスを合わせたとき、「新規追加(または 新規プラグインを追加)」というメニューはちゃんと表示されていますか?
「あれ? メニュー自体がないぞ……」
もし表示されていないなら、ズバリそれが直接の原因です。
セキュリティ系のプラグインや、後で説明する「wp-config.php」というファイルの設定によって、WordPress全体で「プラグインの追加・編集を禁止するモード」が発動しています。
引越しツールもこれに引っかかって、インストールに失敗していたわけです。
実際にプラグインを追加できるか
メニューが表示されている場合は、ダミーで何か一つ適当なプラグインを追加してみましょう。
たとえば、日本向けサイトなら定番の「WP Multibyte Patch」あたりでOK。検索して「今すぐインストール」を押してみてください。
普通にインストールが完了しましたか?
それとも、「インストールに失敗しました」「ディレクトリを作成できませんでした」といった赤いエラーが出ましたか?
もし手動でやってもエラーが出るなら、サーバーの容量がいっぱいになっていたり、ファイルやフォルダの権限(パーミッション)がおかしくなっているなど、別の物理的な問題が起きている証拠。
逆に、手動ならすんなりインストールできた場合。
これは「人間(ブラウザ)からの操作はOKだけど、外部の移行ツールからの自動アクセスはセキュリティ設定で弾かれている」という濃厚な手がかりになります。
wp-config.phpの設定を確認する
さて、先ほどの確認で「プラグインの新規追加ボタンすら見当たらなかった!」というあなた。
実はそれ、私が過去に見事に引っかかったトラップです。
数年前、私は「WordPressのセキュリティはガチガチにするべきだ!」というネットの情報を鵜呑みにして、とある設定ファイルをいじりました。
その後、すっかりそのことを忘れたままサーバー移行をしようとして、数時間エラーと格闘する羽目に……。
その原因となっていたのが「wp-config.php」という、WordPressの心臓部とも言えるファイルの設定です。
DISALLOW_FILE_MODSがtrueになっていないか
この「wp-config.php」の中に、以下のような一文が書かれていると、WordPressは「プラグインやテーマの新規追加・編集・削除を一切禁止するモード」になります。
define('DISALLOW_FILE_MODS', true);
これが「true」になっていると、管理画面から「プラグインの新規追加」というメニューそのものが消滅します。
もちろん、シンレンタルの引越しロボットもプラグインを追加できないので、問答無用で弾かれてしまうというわけ。
サーバーのファイルマネージャー(またはFTP)から「wp-config.php」を開き、この記述がないか探してみてください。
もし見つけたら、一時的に true を false に書き換えるか、あるいはその行の先頭に // を付けてコメントアウト(無効化)することで、プラグインが追加できるようになります。
変更する場合はバックアップを取る
とはいえ、この「wp-config.php」は本当にデリケートなファイル。
ちょっとでも文字を消し間違えたり、全角スペースが混ざったりするだけで、サイトが真っ白になる「死の画面(ホワイトスクリーン)」を引き起こします。深夜にアレを見ると、本当に心臓が止まりそうになりますよ。
だからこそ、編集する前には必ず、必ずファイルをダウンロードしてバックアップを取っておくこと。
万が一サイトが真っ白になっても、元のファイルを上書きアップロードすれば一瞬で元通りになりますから。保険をかけておけば、怖くありません。
一時変更した設定は必要に応じて元へ戻す
無事に false に書き換えて簡単移行が成功したあとの話ですが、この設定は「意図的にセキュリティを高めるために」設定されていた可能性があります(過去の自分、あるいは外注先の親切心で)。
もしそうなら、移行作業が終わった後は、新しいシンレンタル側の「wp-config.php」で再び true に戻しておくのが無難です。
「開けっ放しにした玄関の鍵を、作業が終わったらまた閉めておく」というイメージですね。
WordPressのURL設定を確認する
「プラグインは普通に追加できるのに、まだエラーになるんだけど?」
そんなときに次に疑うべきは、「住所のズレ」です。
引越し業者が「ここが新しい住所ですね」と訪ねてきたのに、表札(WordPressの設定)と住所(移行ツールに入力したURL)が微妙に違っていて、業者が混乱している状態。
WordPressアドレス
WordPress管理画面の「設定」→「一般」を開いてみてください。
一番上にある「WordPress アドレス (URL)」という項目。
ここが、あなたがシンレンタルの移行ツールに入力したURLと「一言一句、完全に」一致しているか確認します。
よくあるのが、移行ツールには https:// で入力したのに、ここの設定が http:// のままになっているパターン。または、末尾に「/」が入っているかどうか、など。
サイトアドレス
そのすぐ下にある「サイトアドレス (URL)」も同様です。
多くの場合、上のWordPressアドレスと同じになっているはずですが、ここも一言一句違わず一致している必要があります。
人間の目には「同じ自分のサイト」に見えても、システムからすると「http」と「https」は全く別の住所。
このわずかなズレが原因で、システムが「移行元サイトに正しくアクセスできない」と判断してしまうことが本当によくあります。
WP_HOME / WP_SITEURLがwp-config.phpで強制指定されていないか
「アドレスを直そうと思ったら、入力欄がグレーアウトしてて文字が打てない!」
もしそんな状態になっていたら、これも先ほどの「wp-config.php」の仕業です。
ファイル内に以下のような記述があると、管理画面からのURL変更がロックされてしまいます。
define('WP_HOME','http://あなたのドメイン');define('WP_SITEURL','http://あなたのドメイン');
この場合、管理画面からは修正できないので、やはり「wp-config.php」を直接開いて、正しいURL(例えば https://〜)に書き換える必要があります。
ここでも、触る前には必ずバックアップ。これを忘れないでくださいね。
セキュリティ設定が影響していないか確認する
wp-config.phpもURLも問題ない。手動ならプラグインも普通に追加できる。
「じゃあ、なんで自動の移行システムだけ弾かれるの?」
ここで疑うべきは、「過剰な防犯システム」です。
WordPressを安全に運営するためのセキュリティ対策が、今回ばかりは裏目に出ているパターン。
「セキュリティを緩めるなんて怖い」と思うかもしれませんが、これはあくまで「引越し業者が作業している数分間だけ、オートロックを解除する」ようなもの。ずっと無効化しろという話ではないので、安心してくださいね。
セキュリティプラグイン
「SiteGuard WP Plugin」や「All In One WP Security & Firewall」など、セキュリティ系のプラグインを入れていますか?
これらのプラグインは、外部からの不正なログインや自動化プログラム(Bot)のアクセスを超高感度で察知してブロックしてくれます。大変優秀なのですが、悲しいかな、シンレンタルの「健全な引越しロボット」のアクセスも「怪しい動きをする不審者」として容赦なく弾き返してしまうのです。
移行作業を行うときだけ、これらのセキュリティ系プラグインを一時的に「無効化」してみてください。
(※削除ではなく、プラグイン一覧画面から「無効化」をクリックするだけでOKです)
ログイン試行回数制限
「パスワードを3回間違えたら、そのIPアドレスからのアクセスをしばらくロックする」といった設定。
これもセキュリティプラグインに含まれていることが多い機能です。
実は、移行ツールの裏側でシステムが何度かログインを試行しているうちに、この回数制限に引っかかってしまい、移行元のWordPressから「あなたはもうアクセス禁止!」と出禁を食らっているケースがあります。
もし「Limit Login Attempts」などの専用プラグインを入れている場合は、こちらも一時的に無効化して、出禁状態をリセットしましょう。
国外アクセス制限
最近のセキュリティプラグインには、「海外のIPアドレスからのログインやコメントを弾く」という機能がついているものがあります。
「シンレンタルは日本のサーバーだから関係ないのでは?」と思うかもしれませんが、システムの通信経路によっては、海外のIPを経由したアクセスとして誤認されてしまうことがゼロではありません。
もしプラグインの設定画面に「国外IPアクセス制限」のような項目があれば、一時的にOFFにしてみてください。
Basic認証やIP制限
サイトを立ち上げたばかりの頃や、テスト環境として使っていた頃に、「自分以外の人が見られないように」とBasic認証(アクセス時にポップアップでIDとパスワードを求められる機能)をかけていませんか?
あるいは、特定のIPアドレス(自分の家のWi-Fiなど)からしか管理画面に入れないようにする設定。
人間ならポップアップ画面にパスワードを打ち込めますが、シンレンタルの移行システムにはそれができません。Basic認証の壁の前で立ち尽くし、「インストールに失敗しました」と帰ってきてしまいます。
もし「.htaccess」ファイル等でこれらの制限をかけているなら、移行が終わるまで解除しておきましょう。
サーバー側のアクセス制限も確認する
「WordPressのプラグインは全部無効化したのに、まだダメだ……」
部屋の中(WordPress)のセキュリティを解除しても引越し業者が入ってこれないなら、原因は「マンションのエントランス(サーバー側)」にある可能性が極めて高いです。
ここでは、現在サイトが動いている「移行元のサーバー(エックスサーバーやロリポップ、旧シンレンタルなど)」の管理パネルを開いて確認します。
WAF
WAF(Web Application Firewall)。
これが、一番厄介で一番よくある原因です。
WAFは、サイトに対する攻撃(不正なプログラムの埋め込みなど)をサーバーの入り口でシャットアウトしてくれる強力なバリア。
しかし、移行ツールが「プラグインを自動でインストールしようとする行為」を、WAFが「怪しいプログラムを仕掛けようとしている!」と過剰反応してブロックしてしまうのです。
サーバーの管理パネルにログインし、「WAF設定」という項目を探してみてください。
設定が「ON」になっていたら、一時的に「OFF」にします。
※WAFは設定をOFFにしてから実際に反映されるまで、10〜30分ほどタイムラグがあるサーバーが多いです。OFFにした後は、少しコーヒーでも飲んで時間を置いてから移行ツールを再試行してみてください。
国外IP制限
WordPressのプラグインだけでなく、サーバー側でも「海外IPからのアクセスを遮断する」という機能が標準でONになっているサーバーが増えています。(エックスサーバー系列などではデフォルトです)
サーバーの管理パネル内にある「WordPressセキュリティ設定」や「アクセス制限」の項目から、「国外IPアクセス制限」を一時的に無効(OFF)にしてみましょう。
REST API等のアクセス制限
少し専門的になりますが、WordPressには「REST API」という、外部のシステムとWordPressを連携させるための通信口があります。
移行ツールがこの通信口を利用しようとしたとき、サーバー側で「REST APIアクセス制限」がONになっていると、通信が遮断されてプラグインの追加処理に失敗します。
こちらもサーバーパネルのセキュリティ項目にあることが多いので、見つけたらOFFにしておきましょう。
管理画面へのアクセス制限
ダッシュボード(/wp-admin/ 配下)に対するアクセスを、サーバー側で制限する機能です。
これをONにしていると、移行ツールが管理画面に入り込んで作業することができません。
これらサーバー側のセキュリティ設定も、WordPressのプラグイン同様、すべて「引越しが終わるまでの間だけ」一時的に解除するものです。
移行が無事に終わって新しいサーバー(シンレンタル)にサイトが移ったら、必ずまたセキュリティ設定をONにして、サイトを守るようにしてくださいね。
実際に確認したが直らなかった項目
ここまで読んで、「よし、全部確認した! これでいけるはず!」と意気込んでボタンを押したのに、またしても無情なエラー画面が出た。
そんな方もいるかもしれません。
実は、かつての私がまさにそれでした。
当時、ネットに転がっている情報を片っ端から漁り、以下の項目をすべて確認しました。
・URLの「http/https」の違いはないか
・管理者権限で間違いないか
・通常の手動プラグイン追加はできるか
・wp-config.phpの「DISALLOW_FILE_MODS」はfalseか
・WP_HOMEやWP_SITEURLは正しいか
・セキュリティプラグインは全停止したか
・WAFや国外IP制限など、サーバー側のセキュリティもOFFにしたか
これだけやれば絶対に通るはず。そう信じて疑わなかったのですが……。
結果は、惨敗。「移行用プラグインのインストールに失敗しました」の文字が消えることはありませんでした。
ここで私がお伝えしたいのは、「これらを確認しても、100%確実に簡単移行が成功するわけではない」という残酷な現実。
サーバーの相性、長年積み重ねてきたWordPress内部の目に見えないエラー、古いキャッシュの悪戯など、ブラックボックス化している原因はどうしても存在します。
だから、「自分のやり方が悪いんだ」と必要以上に落ち込まないでください。あなたは十分やりました。
何度も再試行する前に確認したいこと
エラーが続くと、ついカッとなって「次こそは!」と何度も移行開始ボタンを連打したくなりますよね。
でも、ちょっと待ってください。その連打、実は逆効果です。
短時間で連続実行していないか
機械的なアクセスを短時間に何度も繰り返すと、移行元サーバーのファイアウォールが「あ、これ完全にサイバー攻撃だ」と判定し、サーバーのIPアドレスごと完全に遮断してしまうことがあります。
こうなると、何をどう設定変更しても、その日はもう繋がりません。
時間を空けて再試行する
先ほどWAFやセキュリティ設定をOFFにする手順をお伝えしましたが、設定を変えてから実際にサーバー全体へ反映されるまでには、どうしてもタイムラグがあります。
「設定を変えた! 即ボタン!」ではなく、最低でも15分〜30分。できればコーヒーでも淹れて、少し頭を冷やしてから再チャレンジしてみてください。
セキュリティログを確認する
もし移行元のサーバー(エックスサーバーなど)にセキュリティログ機能があれば、サクッと覗いてみてください。
「◯時◯分、〇〇というIPからのアクセスをWAFでブロックしました」といった記録が残っていれば、「あ、やっぱりWAFが原因で弾かれていたんだな」と答え合わせができます。
WordPressやサーバーのエラーログを確認する
同様に、サーバーのエラーログ(error_log)を見られる環境なら、そこにヒントが落ちていることも。
たとえば「メモリ上限に達して処理が強制終了した(Fatal error: Allowed memory size of...)」なんて記録があれば、セキュリティの壁ではなく、単なるサーバースペック(処理能力)の問題だとわかります。
それでも直らない場合は簡単移行に固執しない
「30分待った。設定も全部見直した。でもダメだった」
ここまで来たら、そろそろ「引き際」を考えるタイミングです。
往復3時間の通勤に耐え、なんとか捻出した貴重な休日。その数時間を、得体の知れないエラー探しに丸ごと溶かしてしまうのは、あまりにもったいない。
手動移行を検討する
「簡単移行」という名前に囚われすぎないこと。
FTPソフトやデータベース(phpMyAdmin)を触る完全な手動移行はハードルが高いですが、今は「All-in-One WP Migration」などの無料プラグインを使えば、WordPressの管理画面からの操作だけで丸ごとバックアップ&お引越しが可能です。
(※データ容量が大きい場合は少し工夫が必要ですが、原因不明のエラーと格闘し続けるよりは、よほど確実で前に進めます)
大容量サイトなら不要ファイル削減を先に行う
もしあなたのサイトが長年運営していて画像や記事だらけなら、移行データ自体が重すぎて、処理の途中で息切れ(タイムアウト)している可能性も。
「BackWPup」などで過去に作った古いバックアップファイルが、サーバー内にドッサリ溜まっていませんか?
使っていないテーマや不要な動画ファイルなど、削れる脂肪は先に落としておくと、別の移行方法を試すときにもスムーズです。
シンレンタルのサポートへ問い合わせる
自分ひとりで抱え込まず、プロに投げるのも立派な戦略。
「〇〇と〇〇の設定を確認し、WAFもOFFにしましたが移行用プラグインがインストールできません」と具体的な状況を添えてサポートに問い合わせてみましょう。
返答に時間はかかりますが、サーバー側のログを見て的確なアドバイスをくれることがあります。
何時間も設定変更を続けない
一番やってはいけないのが、意地になって何時間も「wp-config.php」やサーバー設定をいじくり回すこと。
疲れた頭で複雑な設定を触ると、必ずどこかでミスをします。「移行できない」どころか、「元のサイトすら真っ白になって開かなくなった」という最悪の結末だけは避けなければいけません。
簡単移行を諦める判断基準
「じゃあ、一体どこまで確認してダメだったら諦めればいいの?」
往復3時間の通勤電車の中で、スマホの小さな画面と睨めっこしながら途方に暮れていた過去の私に、今の私ならこうアドバイスします。
「以下の7つの条件をクリアしたのにエラーが出るなら、もう『簡単移行』には見切りをつけていい」と。
・ログイン情報は絶対に間違いない(手動でログインできた)
・管理者権限を持っている
・URLの「http/https」や末尾の「/」も完璧に合っている
・WordPressの管理画面から、手動でプラグインの新規追加ができる
・「wp-config.php」にプラグイン追加やURL変更を禁止する記述がない
・サイトとサーバーのセキュリティ制限(WAF等)をすべて一時的にOFFにした
・設定変更後、30分以上時間を空けてから再試行した
これらをすべて満たしているのに、まだ「インストールに失敗しました」と表示される場合。
それはもう、あなたの設定ミスの範疇を超えています。
移行元サーバーの特殊な仕様や、何年も積み重なった目に見えない内部エラーなど、簡単移行ツールの「規格外」になっている可能性が非常に高い。
これ以上、原因探しに貴重な休日や睡眠時間を溶かすのはやめましょう。
「簡単移行ツールが使えなかった」というだけで、サイトの移行自体が不可能なわけでは決してありません。
別のプラグイン(All-in-One WP Migrationなど)を使った移行へ、サクッと頭を切り替えるのが一番賢い生存戦略です。
同じエラーが出たときの確認順
最後に、焦っているときでも迷わず一つずつ潰していけるよう、確認すべき順番をチェックリストとして整理しておきます。
上から順番に、安全なもの(サイトを壊さないもの)から確認していくのが鉄則です。
- ログイン情報の再確認(見えないスペースが入っていないか、手入力でログインできるか)
- 管理者権限の確認(自分のアカウントが「管理者」になっているか)
- 移行元URLの確認(http/httpsの違いや、スペルミスはないか)
- プラグイン追加可否の確認(管理画面に「プラグイン新規追加」メニューがあるか、手動で追加できるか)
- DISALLOW_FILE_MODSの確認(wp-config.phpでプラグイン追加が禁止されていないか)※要バックアップ
- WP_HOME / WP_SITEURLの確認(wp-config.phpでURLが強制指定されていないか)※要バックアップ
- セキュリティプラグインの停止(SiteGuardなどを一時的に無効化)
- ログイン試行回数制限の解除(Limit Login Attemptsなどを一時的に無効化)
- 国外アクセス制限の解除(プラグイン側の設定を一時的にOFF)
- 時間を空けて再試行(サーバーのファイアウォール遮断をリセットするため30分待つ)
- サーバー側のWAF・セキュリティ制限の解除(移行元サーバーの管理パネルで一時的にOFF)
- 別の移行方法を検討(ここまでやってダメならAll-in-One WP Migrationなどへ切り替え)
このリストを手元に置いて、深呼吸してから一つずつ上から潰してみてください。
まとめ|「移行用プラグイン失敗」は一つずつ原因を切り分ける
「簡単移行って言葉に惹かれて申し込んだのに、全然簡単じゃない……」
その気持ち、痛いほどわかります。私も同じ画面の前で絶望し、「このまま今のサイトまで消えちゃったらどうしよう」と不安でいっぱいでした。
でも、大丈夫です。このエラーが出た時点では、まだあなたのサイトのデータは1ミリも傷ついていません。引越し業者が玄関先で引き返していっただけですから。
大切なのは、「絶対にこれで直る!」という魔法のボタンを探すことではなく、「何が原因で弾かれているのか」を一つずつ冷静に切り分けていくこと。
ログイン情報などの凡ミスかもしれない。
良かれと思って設定していた過去のセキュリティが裏目に出ているのかもしれない。
あるいは、あなたの努力ではどうにもならない、システム同士の相性の問題かもしれない。
原因探しに何時間も沼りそうになったら、勇気を持って「簡単移行」というルートから撤退することも、サイト運営者としての立派な判断です。
この記事が、焦る気持ちを落ち着かせ、次の一歩を踏み出すための羅針盤になれば嬉しいです。
あなたのサイトが無事に新しいサーバーへ引越しできることを、心から応援しています。