SNS

複数アカウント・広告を一元管理!LINEビジネスマネージャーの使い方完全解説

「LINE運用って、1つのアカウントだけならまだしも、複数あると大変…」
「広告用のアカウントと配信用アカウント、分かれていて管理が煩雑すぎる」
こんな悩みを抱えているマーケティング担当者は少なくありません。

LINEは個人向けには親しみやすい一方、ビジネスユースでの複数運用には不便さが残る部分もあります。
そこで登場するのが「LINEビジネスマネージャー」。
これは、複数のLINE公式アカウントや広告アカウントを一元管理できる“管理プラットフォーム”です。

この記事では、そんなLINEビジネスマネージャーの概要から導入手順、活用術までを、
Web担当者や広告代理店など中級者向けの視点でわかりやすく解説します。

LINEビジネスマネージャーとは?導入の目的と基本機能

なぜ“管理ツール”が必要なのか

LINE公式アカウントの管理は1つならシンプルですが、

  • 複数店舗やブランドごとにアカウントを分けて運用
  • 配信アカウントと広告アカウントを分離
  • 社内で複数人が関わる運用体制

こうした構成になると、「誰がどのアカウントを操作しているか分からない」「データの集約ができない」などの問題が起こりがちです。

LINEビジネスマネージャーは、これらの課題を一括で解決するための管理基盤として設計されています。

できること一覧(アカウント統合/ユーザー権限/オーディエンス共有)

LINEビジネスマネージャーでできる主な機能は以下の通り:

機能カテゴリ 内容
アカウント管理 複数のLINE公式/広告アカウントを1つのダッシュボードで管理
権限管理 メンバーを招待し、操作範囲(管理者/閲覧者など)を細かく設定可能
オーディエンス共有 広告用のターゲティングリストを他のアカウントと連携・再利用
アクティビティ監視 各ユーザーの操作履歴を記録し、トラブル時の追跡が容易

特に、オーディエンスの共有や操作権限の分離などは、企業内での複数運用において必須の機能です。

LINE公式アカウントとの違いに注意

「LINE公式アカウントマネージャー」と「LINEビジネスマネージャー」は名前が似ていますが、役割が全く異なります。

項目 LINE公式アカウントマネージャー LINEビジネスマネージャー
主な用途 配信・友だち管理など1アカウントの運用 複数アカウントの一元管理と連携
ユーザー対象 店舗運用担当/広報 マーケ統括/運用責任者
操作範囲 1つのアカウント内のみ 複数アカウント横断操作が可能

つまり、LINEビジネスマネージャーは「運用するため」ではなく、
「管理・統合・連携するため」の上位ツールという立ち位置です。

導入・初期設定の手順ガイド

LINEビジネスマネージャーの導入は、LINE公式アカウントと比べると少し複雑に感じるかもしれませんが、ステップを踏めば誰でも設定できます。
ここでは、アカウント作成から、初期設定、ユーザー招待までを丁寧に解説します。

アカウントの開設方法

まずは、LINEビジネスマネージャー用のビジネスIDを作成します。

  1. 【LINEビジネスマネージャー公式ページ】にアクセス
    → 「https://manager.line.biz/」からログイン画面へアクセスします。
  2. 【ビジネスアカウントの作成】
    → ログイン後、「新しいビジネスを作成」から、組織名や業種などを入力。
  3. 【ビジネスマネージャーのトップ画面に移動】
    → アカウント作成完了後、複数のLINE公式アカウントや広告アカウントの登録が可能になります。

ポイントは、個人LINEアカウントではなく、ビジネス用アドレスで登録することです。業務の属人化を防ぐ意味でも重要です。

LINE公式アカウントや広告アカウントの追加方法

アカウントを作成しただけでは運用は始まりません。
次に、管理対象となるLINE公式アカウントやLINE広告アカウントを「資産」として追加します。

  • 【ビジネスマネージャー>資産>アカウント追加】から該当のLINE公式アカウントを登録
  • LINE広告アカウントも同様に「広告アカウントのID入力」で紐付け可能

この操作により、1つの管理画面で複数アカウントを統合的に管理できるようになります。

ユーザー招待と権限管理(社内・代理店向け)

複数の担当者で運用する場合、ユーザー管理は非常に重要です。

【手順】

  1. 「メンバー管理」からメールアドレスで担当者を招待
  2. 以下のような操作権限を付与できる
    • 管理者(全機能にアクセス可能)
    • 編集者(配信やデータ設定可能)
    • 閲覧者(データ参照のみ)

社内だけでなく、外部パートナー(例:広告代理店)にも必要最低限の操作権限だけを付与できるのが大きなメリットです。

運用を効率化する3つの活用術

LINEビジネスマネージャーの真価は「アカウントをまとめる」だけではありません。
ここでは、運用を効率化し、チーム全体の生産性を高めるための具体的な活用術を3つ紹介します。

オーディエンス共有で広告ターゲットを再利用

通常、LINE広告では「Webサイトに来た人」「友だち登録した人」などをオーディエンスとして保存できますが、それはアカウント単位で閉じています。
LINEビジネスマネージャーを使えば、別のアカウントでも同じオーディエンスを使い回すことが可能になります。

【活用例】

  • 店舗Aで作成した「新規顧客リスト」を、店舗Bのキャンペーンでも活用
  • 公式アカウントの友だちを、広告ターゲットとして利用し直す

これにより、広告の設計や効果検証のスピードが格段に向上します。

複数アカウントの一括管理による作業削減

手動でアカウントごとにログイン/ログアウトしていては、工数ばかり増えてしまいます。

ビジネスマネージャーであれば、一つの画面で複数アカウントの状態を俯瞰でき、必要に応じて即座に切り替えも可能です。

【活用効果】

  • 担当者が1人で複数ブランドの配信スケジュールを調整できる
  • 月次レポート作成の工数を半減
  • アカウントごとのKPIを一括でモニタリング可能

権限ごとの管理で属人化を防ぐ社内運用術

「◯◯さんしか操作できない」「代理店に全部任せていて中身が分からない」
――そんな運用は、いざという時にトラブルを生みがちです。

ビジネスマネージャーでは、操作権限を細かく設定できるため、属人化や情報のブラックボックス化を防げます。

【具体例】

  • 社内広報担当:閲覧のみ
  • 店舗責任者:配信設定可、広告は不可
  • マーケ部門:全権限(分析+配信+広告)

このように、職能に応じたアクセス制御が可能なため、ミスの予防にもつながります。

LINE広告との連携で成果最大化

LINEビジネスマネージャーは、単にアカウントを管理するだけでなく、LINE広告との連携によってマーケティングの効果を飛躍的に高めることができます。
ここでは、LINE広告マネージャーとの関係性、設定方法、活用事例を解説します。

LINE広告マネージャーとの違いと接続方法

まず前提として、LINE広告マネージャーは「広告の配信管理専用ツール」で、
LINEビジネスマネージャーは「その広告アカウントを含めた全体管理ツール」です。

項目 LINE広告マネージャー LINEビジネスマネージャー
目的 広告キャンペーンの設計・運用 複数広告アカウントの統合・管理
操作範囲 個別広告アカウントのみ 広告+公式アカウントの一元管理
権限管理 単独アカウントでのユーザー設定 組織単位での一括招待・制御可能

LINE広告マネージャー単体でも使えますが、組織で運用するならビジネスマネージャーとの接続が必須です。

クロスアカウントでのレポート統合

LINEビジネスマネージャーを使えば、複数の広告アカウントで出稿したキャンペーンの効果をまとめて分析できます。

【メリット】

  • ブランド別に施策を比較しやすい
  • 費用対効果を横並びでチェック可能
  • 本部・支社など部門単位で集計が可能

特に多店舗運営やフランチャイズ展開している企業にとって、この一元的な可視化は大きな武器になります。

ターゲティング精度を高める連携設定

LINE広告で成果を上げるためには、ターゲティング精度がカギです。

ビジネスマネージャーを通じてできる連携設定は以下の通り:

  • 公式アカウントの友だちリストを広告のターゲティングに活用
  • Webサイトの訪問者データ(LINEタグ)とLINEアカウントの行動履歴を統合
  • 一度広告に反応したユーザーにリターゲティングを実施

これにより、精度の高いオーディエンス設計が可能となり、CPA改善やCVR向上につながります。

運用時によくある疑問・トラブルQ&A

LINEビジネスマネージャーは便利ですが、導入後に「うまく動かない」「連携できない」などの声もあります。
ここでは、実際に起こりやすいトラブルとその対策をまとめました。

Q1:複数アカウントを間違って紐づけてしまったらどうする?

  • 対処法: ビジネスマネージャーからアカウントを削除し、正しいものを再登録。必要に応じて誤追加メンバーのアクセスも解除。
  • 注意点: 紐づけ解除には手数がかかる場合もあるため、初回登録は慎重に。

Q2:オーディエンス共有がうまくできないのはなぜ?

  • 原因: アカウントが別のビジネスIDに属している、または共有設定不足。
  • 対策: 同一マネージャー内の資産管理画面で、正しく連携・共有権限があるか確認。

Q3:招待メールが届かない/権限が反映されない

  • 原因: メールアドレスのミス、迷惑メール設定、所属外ドメイン制限など。
  • 対応策: 再送信、迷惑メール確認、ドメイン許可設定、LINEサポートへの連絡。

Q4:広告アカウントとの接続がうまく行かない(認証エラー等)

  • 可能な原因: 広告アカウントが停止中、IDの入力ミス。
  • 解決方法: 広告マネージャーで状態を確認し、必要に応じて再アクティベート。

Q5:「別のアカウントで見たいデータが表示されない」

  • 原因: 対象アカウントやユーザー権限が不十分。
  • 解決策: メンバー管理・資産共有設定を見直して、閲覧/編集権限を再設定。

まとめ:ビジネスマネージャーでLINE運用の生産性を上げよう

LINEビジネスマネージャーは、単なる「管理ツール」ではありません。
マーケティング全体の効率を飛躍的に高める戦略プラットフォームです。

ここで紹介した内容を振り返ると――

  • 複数のLINEアカウント・広告アカウントを一元管理できる
  • ユーザーごとに権限を分けて、属人化を防止
  • オーディエンス共有や広告連携により、成果を最大化
  • クロスアカウントでの分析・可視化が可能
  • よくあるトラブルにも対応しやすい構造になっている

これらは、単なる“便利機能”ではなく、「成果を出すための仕組み」そのものです。

LINEの利用が広がる今こそ、煩雑な運用に悩むのではなく、
ビジネスマネージャーという“管理の本部”を導入し、チーム全体の生産性を底上げしていきましょう。

-SNS