「IT企業って、なんか難しそう」
文系の大学に通っていた当時の自分は、そんな漠然としたイメージでIT業界を避けました。プログラミングなんてまったく触ったこともないし、理系出身者の世界だろう――そう思って、無難そうな営業職を選びました。
でも、あれから10年。
営業職は半年で辞め、気づけば全くの未経験からアフィリエイトで独立し、今では企業のIT部門やマーケティングにも関わるようになりました。気づいたことは一つ。「あのとき怖がらず、IT企業をもっとちゃんと見ておけばよかった」ということ。
この記事では、そんな10年前の自分に向けて、そして今まさに就職活動で悩んでいるあなたに向けて、「あのとき知っていれば、もっと違った選択ができたかもしれない」4つのメッセージを送ります。
目次
【h2】文系でITは無理だと思っていた。けれど、それは大きな誤解だった
学生の頃、IT企業というと「理系・プログラミング・専門スキルが必要」と思い込みがちでした。実際、自分もそうでした。大学では情報系の勉強なんて一切しておらず、PCもレポートを書くときくらいしか使わない。ExcelもWordも、正直あまり触っていませんでした。
だからこそ、「自分には無理だろう」と思っていた。でも、それは完全な誤解でした。
社会に出てみると、実はIT企業にも多様な仕事があり、すべてが技術職というわけではありません。企画、営業、マーケティング、カスタマーサポートなど、文系出身でも十分に力を発揮できるポジションがたくさんある。そして何より、「ITスキル=完璧な知識や経験」ではなく、「変化に慣れる力」「自分で調べて学ぶ力」こそが大事だということを、身をもって実感しました。
「文系だからITは無理」ではなく、「やったことがないから不安」なだけ。
そしてその不安は、実際にやってみれば意外とすぐに薄れていきます。むしろ、文系的な発想やコミュニケーション力が、ITの現場では武器になることさえあるんです。
アフィリエイトで独立するまで、ITとは無縁だった
営業職を半年で辞めたあと、自分のキャリアは迷走していました。事務職、販売職、派遣社員、短期バイト…。いわゆる“安定した正社員”からは離れ、生活をつなぐためにできることをとにかくこなす日々。
ITどころか、PCすらほとんど使わない仕事ばかりでした。
でも、ある時ふと「自分で稼げる方法を探さなきゃ」と思ったのが転機でした。
きっかけは、本当に些細なこと。SNSで流れてきた「アフィリエイトで月○万円稼いでいる人」の投稿。それまではどこか他人事だったのに、不思議と「自分にもできるかも」と思ってしまったんです。
当然、知識はゼロ。HTMLも知らない。WordPressの読み方すらわからない。
でも、生活を変えたかった。だから“やらざるを得なかった”。
最初のうちは失敗ばかり。ブログを立ち上げても誰にも読まれないし、アクセス解析の数字を見ても意味が分からない。でも、不思議と続けることができました。
なぜなら、「わからないことが出てくる → 自分で調べて → 解決する」を繰り返すうちに、少しずつ“手応え”のようなものが育っていったからです。
そして気づけば、「SEOってこういうことか」「このツールはこう使うのか」と、知らず知らずのうちにITやWebの知識が自分の中に蓄積されていったのです。
半年、1年と続けるうちに、少しずつ収益も出てきて、ついには独立。
生活が安定するだけでなく、アフィリエイトやWebサイト運営を通じて得た知識がきっかけとなり、企業のIT部門やマーケティング業務にも関わるようになっていきました。
最初は「とにかく自分で稼ぎたい」と思って始めただけのことが、キャリア全体を変えることになるとは、当時は夢にも思っていませんでした。
10年前の自分に伝えたい4つのこと
① 「文系だから」は、可能性を閉ざす言い訳にすぎない
文系だからITは向いてない――そう決めつけていた自分に、まず真っ先に伝えたいことがあります。
「文系か理系かなんて、社会に出たら本当に関係ない」ということです。
もちろん、専門的な技術職であれば知識は必要です。でもそれは“今できるかどうか”ではなく、“これから身につけられるかどうか”の話。
それなのに、自分は「最初からできない」と思って選択肢を狭めていました。
実際、IT企業には文系出身の先輩がたくさんいます。マーケティングやディレクション、カスタマー対応、企画立案など、文系的な発想やユーザー視点を活かせる仕事も多い。
むしろ、文系こそITの現場でこそ求められている視点を持っていると、今ならわかります。
「向いているか」なんて、やってみなきゃわからない。
だからこそ、「文系だから」と自分の可能性を狭めないでほしい――それが最初に伝えたいことです。
② やってみれば何とかなる。むしろ、やらざるを得ない環境こそ伸びる
知識ゼロ、経験ゼロで始めたアフィリエイト。
最初は本当に何もわかりませんでした。でも、不思議なことに、“逃げ道がない”状況に自分を置いたら、スキルは自然と身についていったんです。
最初の頃は、「ブログって何?」「SEOって何?」というレベル。
でも、生活をかけていたからこそ、毎日手を動かすしかなかった。そして、「やらなきゃいけない」と思って動いているうちに、気づけば仕組みがわかるようになり、ツールが使えるようになり、仕事として回せるようになっていきました。
これは、どんな分野にも言えることかもしれません。
本気で向き合えば、人は思った以上に伸びる。
最初から“できる自分”を目指すより、「やっていけば何とかなる」と思える自分でいるほうが、よっぽど強い。
「やるしかない」は、時に最高の先生になります。
③ 英語などの積み上げは、必ずどこかで生きる
「いつ使うんだろう」と思いながら続けていた英語の勉強。
正直、就活でも最初の仕事でも、ほとんど使うことはありませんでした。
でも、アフィリエイトを始めてから――そして、ITツールや海外の情報をリサーチするようになってから――一気に英語の重要性に気づきました。
SEOに関する最新情報は英語で先に出てくるし、AIツールやWebサービスも英語ベースのものが多い。
英語が少しでも読める・調べられるだけで、“自力でキャッチアップできる範囲”が格段に広がるんです。
あの時コツコツ積み上げてきた英語が、10年後の自分を支えてくれるなんて思いもしませんでした。
今やっている努力は、すぐに報われなくても、必ずどこかで自分の武器になる。
それを、声を大にして伝えたいです。
④ 「正解の会社」じゃなく「伸びしろのある環境」を選べ
就活中、「どの会社が正解なんだろう」と迷ってばかりいました。
福利厚生、知名度、雰囲気、口コミ…あらゆる情報を見比べて、結局「無難そうな営業職」に決めました。
でも半年で辞めたことで気づいたのは、どんな会社でも「正解」にはならないし、自分が「成長できるかどうか」のほうがずっと大事だということです。
スキルがなくても、挑戦できる環境。
未経験でも、試行錯誤できる空気。
意見を出しても、ちゃんと拾ってもらえる文化。
そういう「伸びしろのある環境」こそ、就活では見つけにいってほしいと思います。
会社は“ゴール”ではなく、成長の“スタート地点”です。
だからこそ、完璧を求めるより、「ここでなら、自分は変われそう」と思える場所を見つけてほしい。
おわりに|10年前と違って、今のあなたには選択肢がある
10年前の自分は、「自分に何ができるか」よりも、「自分にできなさそうなこと」を避けることばかり考えていました。
その結果、向いていない仕事を選び、たった半年で辞めてしまった――けれど、それも含めて今では、必要な遠回りだったと思っています。
あのときの自分に伝えたいことは、たった一つ。
「もっと、自分の可能性を信じていい」ということ。
今のあなたには、当時の自分よりはるかに多くの情報があります。
IT業界もずっと広がっているし、未経験でも受け入れてくれる企業も増えています。
文系・理系の壁はどんどん薄れてきていて、「やる気」と「学ぶ姿勢」があれば、いくらでも活躍できる時代です。
大事なのは、最初から完璧な答えを出すことではなく、「挑戦してみること」そのもの。
もし今、あなたが「IT企業、気になるけど不安…」と感じているなら、ぜひ一度だけでもちゃんと見てみてください。説明会に参加してもいいし、現場の話を調べてみるのでもいい。
“知らない”を“知ってみる”だけで、景色はきっと変わります。
未来のあなたが、10年後に「いい選択だった」と思えるような道を、心から応援しています。