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2進数なしで解ける!サブネットマスクとネットワークアドレスの直感ルール

IPアドレスとサブネットマスクは、ネットワーク系の試験における頻出トピックです。特に「ネットワークアドレスを求める」問題は、理屈では理解していても実際に手を動かすとつまずく人も多いのではないでしょうか?この記事では、2進数や論理積(AND演算)といった計算を使わず、「数字のパターン」だけでネットワーク部とホスト部を見分ける直感的な方法を紹介します。暗記に頼りすぎず、感覚で解けるようになれば、試験本番でも大きな武器になります。

① 基礎知識とわかりやすい解説

サブネットマスクは、IPアドレスのどの部分が「ネットワークアドレス」で、どの部分が「ホストアドレス」なのかを区別するための仕組みです。本来であればIPアドレスとサブネットマスクを2進数に変換し、AND演算(論理積)をとってネットワークアドレスを導きますが、ここでは2進数を使わず直感的に理解する方法を紹介します。

サブネットマスクの数字が意味すること

サブネットマスクは、4つのオクテット(8ビットごと)で構成されており、それぞれが 0〜255 の数字で表されます。これらの数字がネットワーク部とホスト部を分ける「境界線」になります。

意味
255 そのオクテット全体がネットワーク部
0 そのオクテット全体がホスト部
128〜254 オクテット内に境界がある(後述)

たとえばサブネットマスク 255.255.255.0 の場合、最初の3つのオクテット(192.168.1など)がネットワーク部、最後の1オクテット(0〜255の範囲)がホスト部になります。

数字のコピー原則:「255はコピー、0はゼロ」

ネットワークアドレスを導くときの直感的ルールはこうです:

  • 255 の位置の数字はそのままコピー
  • 0 の位置の数字は 0 に変換
  • それ以外の値(128〜254)は“カット”の境界:次章で詳解

例)

  • IPアドレス:192.168.10.25
  • サブネットマスク:255.255.255.0
  • → ネットワークアドレスは 192.168.10.0

このように、255 は「そのまま使う」、0 は「全部ゼロにする」と覚えれば、論理積は不要です。

② 過去の出題例と解説

ネットワークアドレスに関する問題は、応用情報技術者試験をはじめ、多くの高度試験で繰り返し出題されています。ここでは、実際のIPA過去問をもとに、どのように出題され、どう解けばよいかを具体的に見ていきましょう。

■ 出題例1:令和4年春 午前 問17

IPアドレス:192.168.10.77、サブネットマスク:255.255.255.0
→ 最後のオクテットだけがホスト部なので、「77」を「0」に戻せばOK。
答え:192.168.10.0

■ 出題例2:令和3年秋 午前 問18

IPアドレス:10.2.34.145、サブネットマスク:255.255.240.0
→ 第3オクテット「34」に注目。「240」は2進数で「11110000」→ 上位4ビット=2^4=16単位で分割される。
→ 34は「32〜47」に属する → 開始値「32」使用 →
答え:10.2.32.0

■ 出題例3:令和2年春 午前 問19(CIDR形式)

IPアドレス:192.168.1.77/26
→ サブネットマスクは255.255.255.192、つまり「64単位」で範囲が区切られている。77は「64〜127」に含まれるので、
答え:192.168.1.64

このように、出題形式は異なっても「範囲の区切り」に注目すれば、一貫した直感ルールで対応できます。

③ つまずきポイント徹底解説

ネットワークアドレスの算出は、ルールさえ覚えれば単純ですが、出題のバリエーションによって受験者が混乱しやすいポイントもあります。ここでは「よくあるつまずきどころ」を3つに絞って解説します。

❶ 中間値マスク(例:240、248、224)での戸惑い

255や0のように極端なマスクは直感的に扱いやすいですが、240や248などの中間値が出ると、戸惑う人が多くなります。
その理由は、「何単位で区切ればよいか」がイメージしづらいためです。

サブネットマスク 2進数 ネットワークビット数 区切り単位(2^残りビット)
240 11110000 4ビット 16(256÷16)
248 11111000 5ビット 8(256÷8)
252 11111100 6ビット 4(256÷4)

❷ オクテット境界をまたぐケース

例:255.255.255.192 のように、ネットワーク部が3オクテット+αにまたがる場合。
IPアドレス:192.168.10.197 → 4番目が「192〜255」の範囲に属する → 先頭値「192」がネットワークアドレス。

❸ ホスト部の「0戻し」を忘れる

サブネットマスクの0部分では、IPアドレスをそのまま使ってはいけません。必ず「0」に戻します。
例:255.255.0.0 において 10.20.99.55 → ネットワークアドレス:10.20.0.0

これらのつまずきを避けるには、「255コピー・0はゼロ・中間は区切り単位で切る」というルールを一貫して使うことがカギです。

④ 今後の出題予想と例題(CIDR編・丁寧解説つき)

近年の応用情報やネットワークスペシャリスト試験では、単純なネットワークアドレスの算出にとどまらず、CIDR(Classless Inter-Domain Routing)形式を活用した問題が頻繁に出題されています。ここではCIDRの本質をステップ解説しながら、例題に強くなる直感的な理解法を紹介します。

🧠 CIDR(/26など)とは何か?

CIDR表記 /26 は、「IPアドレス全体のうち、左から26ビットがネットワーク部である」という意味です。

IPアドレスは 8ビット × 4オクテット = 32ビット構成。/26 の場合、1〜3オクテットで24ビット、残りの2ビットは4番目のオクテット内に含まれます:

[8] . [8] . [8] . [2|6] ← 合計26ビットがネットワーク部

🎯 なぜ「256 ÷ 4 = 64ごと」にネットワークが分かれるのか?

4番目のオクテットは 0〜255 =256通りあります。
CIDR /26 の場合、上位2ビットをネットワーク部に使います → 2ビット=4通り(00, 01, 10, 11)です。

この4通りで256通りを分けるには:

256 ÷ 4 = 64

→ つまり、「64単位」でネットワークが区切られる、という意味になります。

📊 分割イメージ

上位2ビット 値の範囲 ネットワークアドレス
00 0〜63 192.168.1.0
01 64〜127 192.168.1.64
10 128〜191 192.168.1.128
11 192〜255 192.168.1.192

📘 予想問題と解説

問題: IPアドレス 192.168.50.77/26 において、ネットワークアドレスは?

  1. /26 → ネットワーク部は26ビット → サブネットマスク:255.255.255.192
  2. 4番目の値「77」は 64〜127 の範囲 → 先頭値「64」がネットワークアドレス

答え:192.168.50.64

このようにCIDRの「/数字」は、ネットワークビット数→分割数→区切り幅→範囲と対応しており、順を追って理解すれば直感的に対応できます。

⑤ 派生語・関連キーワード

  • CIDR(Classless Inter-Domain Routing):IPアドレスを柔軟に分割・管理するための記法。例:192.168.0.0/24
  • VLSM(可変長サブネットマスク):異なるサイズのサブネットを混在させる設計手法
  • プレフィックス長:CIDR表記の「/26」など、ネットワークビット数を指す
  • サブネット:1つのIPアドレス空間を分割した小さなネットワーク単位
  • ブロードキャストアドレス:そのサブネット内の全ホストに同時送信するためのアドレス
  • ホスト部の最大数:2^n − 2(ネットワーク&ブロードキャスト除外)

これらの用語も試験では頻出なので、合わせて押さえておきましょう。

⑥ まとめ

IPアドレスとサブネットマスクの理解は、ネットワーク試験対策の基礎中の基礎です。今回紹介した「255はコピー、0はゼロ、中間は範囲で見る」というルールを使えば、2進数やAND演算を使わなくても、直感的にネットワークアドレスを求めることが可能です。

特にCIDR表記や中間値マスク(240、248など)の考え方に慣れておくことで、試験で出題される多様なパターンにも柔軟に対応できます。

数値の「区切り感覚」を掴むことで、計算ミスや混乱も減り、自信をもって本番に臨めるはずです。しっかり理解し、繰り返し練習して得点源にしましょう!

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