「自分にはムリかもしれない」
そう思って、何度も勉強を始めてはやめてきました。
集中しようとしてもすぐ気が散る。計画を立てても続かない。気づいたら、机の前からいなくなってる。
——そんな自分が“国家資格”に合格したなんて、以前の私は信じられなかったと思います。
今回紹介する情報セキュリティマネジメント試験(SG)は、文系・IT未経験でも挑戦できる国家資格。
ですが、私にとって何より大きかったのは、「集中できない自分でも合格できた」という成功体験でした。
この記事では、ADHD気質・HSP傾向・集中力に不安がある社会人の方に向けて、
「どうすれば続けられたのか」「どんなやり方が合っていたのか」をリアルにお伝えします。
資格の話というより、「うまくいかない自分とどう向き合うか」の話かもしれません。
誰かの“次の一歩”の参考になれば、こんなに嬉しいことはありません。
目次
ADHD気質でも国家資格に合格できた理由
ADHD傾向があると、どうしても「継続」が大きな壁になります。
やる気の波が激しい、気が散りやすい、勉強計画を立てても予定どおりに進まない。
私もそうでした。だからこそ、自分の特性に合った試験だったということが、合格できた大きな理由だと思っています。
集中力がなくても点を取れる構造だった
情報セキュリティマネジメント試験は、出題傾向がとても安定していて、過去問の繰り返しでかなり対応できる試験です。
つまり、毎回新しいことを覚えなくても、「問題に慣れておく」ことだけで点が取れるようになります。
これが、集中力が長時間続かない私にはとても相性がよかった。
その日その日で気分の波があっても、短い時間で同じ問題に触れるだけで前に進んでいる感覚が得られるんです。
午後試験は“最低ライン突破”で割り切れた
午後試験(記述式)は、文章量が多くて時間もかかるため、集中力に課題がある人にとっては正直しんどい部分です。
でも実際は、午後で満点を取る必要はなく、最低限の得点でも合格できる仕組みになっています。
私自身は、「午後は6割でいい。完璧は目指さない」と割り切って、午前の過去問演習に集中する戦略をとりました。
結果、余計なプレッシャーを減らせたことが、継続にもつながったと思います。
「守る視点」の学びが実生活とリンクした
「セキュリティを守る力」って、試験勉強だけの話ではありません。
たとえば、パスワードの使い回し、SNSの投稿、仕事での情報共有など、毎日の行動すべてに関係してくる知識なんです。
私の場合、「これは試験勉強じゃなくて、自分や周囲を守ることにつながるんだ」と思えた瞬間が、モチベーションのきっかけになりました。
実生活にリンクして“意味のある知識”として定着することが、集中力が切れやすい私にとって非常に助けになりました。
このように、情報セキュリティマネジメント試験は、「がんばり続けられる人」だけの試験ではありません。
むしろ、波がある人でも、設計次第で戦えるタイプの資格だと感じました。
続かなかった私がやった「勉強が続く仕組み」づくり
「勉強を始めても、3日も続かない」
これは昔の私が何度も繰り返していたことです。
やる気はあるけど集中が続かない。スケジュールを組んでも守れない。
でも今回は、“自分が続けられる前提”ではなく、“続かない前提”で仕組みをつくったことが、最後までたどり着けた理由でした。
1日10〜30分でやる日を“決めて”しまう
「気分が乗ったらやる」だと、私は永遠にやらない。
だからこそ、“勉強する時間を決めておく”ことが先でした。
私は、仕事終わりの19:30〜20:00の30分だけ「過去問1回」と決めて、内容や進捗よりも“時間に座ること”を最優先にしていました。
タイマーをセットして、「30分経ったら即終了」。
これだけでも、意外と前に進めるものです。
過去問しかやらない、と決めてラクにする
「参考書→ノート→暗記→問題演習」と、全部やろうとすると私は挫折します。
だから今回は、「過去問とその解説だけ」と最初に決めました。
これだけでも、出題傾向はほぼカバーできますし、「やることが明確でシンプル」というだけで、勉強に取りかかるハードルが一気に下がります。
「何をやればいいかわかっている」という状態は、集中力にムラがある人にとって非常に重要です。
「できなかった日」用の自己肯定プランも作っておく
毎日机に向かえたわけではありません。
やる予定だったのに寝落ちした日、疲れてスマホばかり見てしまった日、まったく集中できなかった日。
でも今回は、そういう日があっても「OK」とするルールを事前に決めていました。
私がやっていたのは、ノートに1行書くだけのメモ:
-
「今日はできなかった。でも試験はまだ先」
-
「明日は〇時に10分だけやってみよう」
こうしておくことで、“連続記録が途切れた=すべてが無駄になった”と感じない仕組みができました。
これが、勉強の「再開率」を高く保ってくれたと実感しています。
「全部ムリ…」となったときにやったこと
どんなに「仕組みを作ったから大丈夫」と思っていても、やっぱりあります。
「あ、もう無理かもしれない」ってなる日。
思ったより問題が難しく感じた日、仕事で疲れ果てて勉強なんて無理だった日、SNSで他の人がすごく見えて落ち込んだ日……。
そんなとき、私がやっていた「それでも折れないための工夫」を紹介します。
「わからない問題」は一旦保留、正答だけ記憶
過去問をやっていると、「どうしても理解できない問題」に出会います。
以前の私は、そこでつまずくと「自分には無理だ」とすぐ諦めていました。
でも今回は違います。“理解できない問題は飛ばす”というルールを作りました。
解説を読んでも意味がわからなければ、正答だけメモして、「本番ではこの選択肢を選べばいい」と割り切る。
不安は残りますが、それより「前に進めた感覚」を大事にしました。
SNSの#勉強垢やアプリで“誰かと一緒に”の感覚を得た
ひとりで机に向かうのがつらい時期は、X(旧Twitter)の「#勉強垢」タグやスタディプラスのような勉強記録アプリを使って、
「誰かと一緒にやってる感覚」を持つようにしました。
毎日報告しなくても、「あ、今日も誰かががんばってる」と感じるだけで少し背中を押されました。
人と比べない。けど、人の存在を感じる。 それがちょうどよかったです。
「勉強しない」を肯定する選択肢でメンタル崩壊を防ぐ
本当に無理な日は、勉強をしないと決める。
その代わりに、次の日の自分が迷わないように「明日やることだけメモして終わり」にしていました。
これは、「できなかった自分」ではなく「明日につなげた自分」になれる小さな工夫。
たったそれだけでも、翌日の再スタートが格段にラクになります。
この資格がくれた、“自分にもできる”という実感
情報セキュリティマネジメント試験に合格したことで得た最大のものは、「資格」そのものではなく、「自分でもやれた」という感覚でした。
私はずっと「集中力がない」「計画通りに動けない」「すぐ飽きる」——そんな自分に自己嫌悪を感じてきました。
何かに挑戦しても、続かない。結果が出ない。
でも今回、「続かないなりのやり方」で“完走できた”という事実が、はじめて私に肯定できる根拠をくれたんです。
「難しいこと」ではなく「向いてる戦い方」だった
この試験が特別やさしかったわけではありません。
でも、試験の構造と自分の性格がうまく噛み合ったことは確かです。
理解ではなくパターンで点が取れる。
午後問題は割り切れる。
少しずつでも積み上げれば、ちゃんと成果になる。
それを知れたことは、今後別のことに挑戦するときの武器にもなると思っています。
仕事や生活にも“情報を守る視点”が活きている
合格後、「この資格、取って終わりじゃないな」と感じたのが、日常や仕事の中での意識の変化です。
メールでのファイルの送り方、パスワードの管理、資料の取り扱いなど、
これまで無意識にやっていたことに対して、「これで大丈夫?」と考えるクセがつきました。
自分を守る、相手を守る、組織を守る——
そういう視点が自然と身についたのは、本当に大きな副産物でした。
「集中力がない=無理」ではなかったと今なら言える
昔の私は、「自分はこうだから無理」と思うことばかりでした。
でも今は、「じゃあ自分に合ったやり方ってなんだろう?」と考えられるようになった。
これは資格勉強そのものよりも、ずっと大きな変化だと思います。
情報セキュリティマネジメント試験を通じて得たのは、知識だけでなく、“自分の取り扱い説明書”のような気づきでした。
まとめ|集中力に悩む社会人こそ、合格という実感を手にしてほしい
「集中力がないから、自分には無理」
「勉強を続けられない自分には資格なんて縁がない」
——もしも、過去の私と同じようにそう思っている人がいたら、この記事を通して「そんなことはない」と伝えたいです。
情報セキュリティマネジメント試験は、完璧を目指さなくてもいい試験です。
がんばり続けられない人でも、“向いてるやり方”で進めれば、国家資格に合格できる。
それを実感できたことが、今では大きな自信につながっています。
もし今、どこかで自分を責めながら検索しているなら、
まずは過去問を1回だけ見てみるところからで大丈夫です。
難しくてもOK、途中でやめてもOK。
でも、「自分にもできるかも」と思えた瞬間から、景色は少しずつ変わっていきます。
集中力に悩む社会人こそ、“資格に合格する”という成功体験が、自分を少し好きになれるきっかけになる。
そう思えるようになった今、同じような誰かの背中をそっと押せたらうれしいです。