「IT資格って理系の人向けでしょ?」「文系の自分には無理かも…」
そんなふうに思っていたのは、かつての私自身です。
大学は文系、プログラミング経験ゼロ、IT用語も苦手。
そんな状態で、情報セキュリティマネジメント試験(SG)に独学で挑戦し、なんとか一発合格することができました。
受験を決めたときは、「ITパスポートとどっちを取ればいいの?」「独学って本当に通用するの?」と、わからないことだらけ。
でも実際に勉強してみると、文系だからこそ活かせる力があったり、意外と知られていない“ラクな突破法”があったりして、ぐっとハードルが下がったんです。
この記事では、そんな体験をベースに、「文系・未経験だけど、そろそろ何かIT資格を取ってみたい」という方に向けて、
SGってどんな資格? ITパスポートとの違いは? 独学で本当に受かる? といった疑問にわかりやすくお答えします。
「できれば最短距離で」「無理なく」「でも役立つ資格がいい」——
そんな欲張りな文系社会人にこそ知ってほしい、リアルな勉強の進め方をまとめました。
あなたの次の一歩の参考になれば嬉しいです。
目次
文系でも取れる?情報セキュリティマネジメントってどんな資格?
情報セキュリティマネジメント試験(SG)は、IPA(情報処理推進機構)によって実施される国家資格のひとつです。
主に「情報をどう安全に守るか」という視点から、企業や個人が取るべき行動や判断を問われます。
聞き慣れない言葉が多くて難しそうに見えるかもしれませんが、実際にはプログラミングや計算問題は一切出ません。
知識ゼロからスタートしても、出題傾向が安定しており、過去問の繰り返し学習が有効です。
また、この資格の面白いところは、“技術者”ではなく“マネジメント側の視点”から情報を守る力を問う点。
専門職でなくても、社会人としてITを安全に扱うための「考え方」を身につけられるのが特徴です。
実際、私も文系でIT職ではありませんが、取得後は社内で「セキュリティ意識が高い人」として評価される場面が増えました。
次の章では、似た立ち位置にある「ITパスポート」との違いを整理していきます。
ITパスポートとの違い|どっちを取るべき?
情報セキュリティマネジメント(SG)について調べていると、ほぼ確実に目に入ってくるのが「ITパスポートと何が違うの?」という話。
実際、私も最初はこの2つの資格で迷っていて、「なんとなくIT系っぽいし、どっちでもよさそう」と思っていました。
でも調べてみると、両者の目的も難易度も想定している受験者層も、かなり違うことがわかります。
以下の比較表に、その違いをわかりやすくまとめてみました。
📊 ITパスポートとSGの違いまとめ
項目 | ITパスポート | 情報セキュリティマネジメント(SG) |
---|---|---|
難易度 | やさしめ(入門) | やや高め(基礎+実務的) |
出題範囲 | IT全般を広く浅く | セキュリティに特化+判断力 |
対象者 | 学生、若手社員、初心者 | 社会人全般(セキュリティ担当含む) |
出題形式 | すべて選択式 | 選択+記述(午後) |
活用場面 | ITリテラシーの証明 | セキュリティ知識・実務対応力の証明 |
目的 | 幅広いIT知識の理解 | 情報漏洩リスクを防ぐ“守る力”の育成 |
ITパスポートは、会社で言えば「誰でも一度は取っておいてね」と言われるような“教養としてのIT”に近い立ち位置。
就活・新卒・非IT職の社員がまず触れる資格として、とてもベーシックで取りやすい印象があります。
一方で、情報セキュリティマネジメント(SG)は、
「企業の中で情報を“守る”立場になる人」や「実務でセキュリティ判断が求められる人」を想定しています。
つまり、広く浅くではなく“深く守る”に特化している国家資格です。
💡どちらを選ぶべき?迷っているあなたへ
もしあなたが、「IT自体にまったく触れたことがなく、IT用語に拒否反応が出るレベル」なら、まずはITパスポートが安心です。
でも、もし少しでも「仕事でITに触れてる」「リスク対策って必要そう」と感じているなら、最初からSGに挑戦しても全然大丈夫です。
私は「どうせなら履歴書で少し差がつくほうを…」という理由でSGを選びましたが、結果として実務でも会話の質が変わるくらい役に立ちました。
「守る側の視点」を学んでおいて損はなかったと今では思っています。
文系でも独学で合格できる?リアルな難易度と対策法
「独学で本当に受かる?」「文系だと難しいのでは?」
この資格を調べている方の多くが、最初に不安に思うポイントだと思います。
でも安心してください。私自身が“完全独学・文系・非IT職”の三拍子そろった状態から合格できました。
ここでは、実際に受けてみて感じたリアルな難易度感や、効果的だった勉強法を、なるべく正直にお伝えします。
正直な難易度の体感(初学者目線)
情報セキュリティマネジメント試験の合格率は、例年50%前後とそこまで低くはありません。
とはいえ、内容だけを見ると「セキュリティ」とか「マネジメント」とか、ちょっと取っつきにくい印象を受けると思います。私もそうでした。
ただ、実際に勉強を始めてみると、その不安は少しずつ解消されていきました。
なぜかというと——
出題傾向がとにかく安定していて、過去問の焼き直しが非常に多いからです。
💬 ここだけの話:過去問中心で“暗記突破”も現実的
あまり大きな声では言えませんが、過去問を繰り返し解くだけでも、かなりの確率で似た問題に出会えます。
私が実際に受けたときも、体感で7割くらいは「見たことある問題」でした。
つまり、過去問とその解説を暗記レベルで頭に入れていけば、理解より記憶で突破できてしまうケースもあるということです。
もちろん理想は「理解」ですが、最短で合格を目指すなら、「覚える力」はとても強力な武器になります。
💬 さらにここだけの話:午後問題は“割り切って捨てる”戦略もアリ
情報セキュリティマネジメントは、午前(選択式)と午後(記述式)の2部構成。
この午後問題がちょっと厄介で、文章が長く、読み取りや判断が必要になるため、人によってはかなりの負担です。
私もまさにそのタイプで、午後問題に関しては「捨て気味」で挑みました。
もちろん最低限の練習はしましたが、重点は午前に置き、「午後は合格点ギリギリでもOK」と割り切ったんです。
結果的にはそれで十分合格ラインに到達できました。
つまり、午後で点が取れなくても、午前でしっかり稼げばなんとかなるというのがリアルなところです。
独学で使った教材と勉強法ステップ3
ステップ | 内容 | ポイント |
---|---|---|
① 入門テキストを1冊読む | イラストや会話形式のあるやさしめの本 | 全体像をつかむだけでOK。理解は後回しで大丈夫 |
② IPA公式の過去問を繰り返す | 本番形式の問題でアウトプット練習 | 最低3年分を2〜3周。解説は必ず読むこと |
③ 苦手な用語をノートにまとめる | 自作の「穴埋めノート」を作る | 書くことで記憶が定着。直前期の見返し用にも最適 |
私の場合、勉強期間はおよそ1か月。
その中で実質的に集中して取り組んだのは平日30分〜1時間、休日2〜3時間の合計20〜30時間程度でした。
文系の“強み”を活かす勉強のコツ
この試験は“理系”っぽい雰囲気がありますが、実際には言葉の定義を理解したり、文章の流れを読み解いたりする問題が多いです。
つまり、文系が得意とする「読解力」「暗記力」「言語処理力」がしっかり活きる構成なんです。
実務経験がなくても、「なぜこの設定が危険なのか」「どうすればリスクを減らせるか」といった“状況を想像する力”で対応できる問題がたくさんあります。
「セキュリティって難しいもの」ではなく、「人と情報を守るための考え方」として捉えると、ぐっと理解しやすくなると思います。
文系出身でも「取ってよかった」と思えた3つの場面
情報セキュリティマネジメントを取得してから、「これは取っておいて正解だったな」と感じる機会がいくつかありました。
特に、文系・非IT職だからこそ得られる効果や変化が大きかったと実感しています。
ここでは、「この資格があって助かった/意味があった」と感じたリアルな3つの場面を紹介します。
① 自分の知識や関心を“見える形”で証明できる
情報セキュリティマネジメントは、国家資格であることに加えて、セキュリティ分野に特化しているのが特徴です。
一般的な履歴書や業務経歴に「セキュリティへの関心があります」と書くよりも、資格として“証明できる形”で示せることで、周囲からの見られ方も少し変わります。
特に社内で情報管理や機密データを扱う仕事に就いている方にとっては、知識の裏付けがあること自体が評価ポイントになる可能性があります。
また転職活動では、IT未経験者であっても「最低限の理解はあります」という姿勢をアピールしやすくなります。
② 社内のセキュリティ意識が自然と高まった
この資格の最大のメリットは、「セキュリティを守る視点」が身につくことです。
勉強してからは、自分が普段どんな情報をどこに残しているか、誰に共有しているかなど、仕事の中での“情報の扱い方”が変わりました。
たとえば、メールでの添付ファイルの取り扱いや、クラウド上の共有設定の注意点など、何気ない業務の中にもセキュリティリスクが潜んでいることに自然と気づけるようになったのは、大きな変化でした。
実務経験がなくても、「考え方の軸ができる」だけで防げるミスは増える。それがこの資格の隠れた力だと思います。
③ 「ITに弱い自分」から抜け出すきっかけになった
もともとITに苦手意識があった私にとって、この資格の合格は小さな成功体験でした。
「セキュリティ」なんて言葉にビビっていた頃の自分が、試験範囲を理解し、過去問を解き、国家資格に合格できたという事実。
これは想像以上に自信と自己肯定感を与えてくれました。
難解な技術を学ばなくても、「自分は情報を守る視点を持てるようになった」と感じられることは、文系出身者にとっての大きな価値です。
よくある質問と不安の声に答えます(Q&A形式)
ここでは、私自身も受験前に気になっていたことや、SNSや周囲からよく聞く疑問を中心に、文系・未経験の方の目線でQ&A形式でまとめました。
「同じことで悩んでた!」という方が、少しでも安心できればうれしいです。
Q1:勉強時間はどれくらい必要? 忙しくても大丈夫?
A. 一般的には30〜50時間前後と言われていますが、過去問重視で集中すれば20時間台でも十分合格可能です。
平日は30分、土日で2時間ずつといったペースでも十分対策できます。
実際に私は、1か月の中で仕事終わりと週末を活用しながら、無理のない範囲で勉強しました。
暗記中心の試験構成なので、スキマ時間でも効率よく学べる印象です。
Q2:午後問題ってやっぱり難しい? どう対策すれば?
A. 午後問題(記述式)はたしかにボリュームがありますが、完璧を目指さなくても合格できます。
午前(選択式)で点をしっかり稼げば、午後は最低限の点数でも合格ラインに届く設計です。
対策としては、過去問で「出題パターンに慣れる」ことが最優先。読み方のコツをつかめば、文章量に惑わされず答えを見つけやすくなります。
Q3:数学やプログラミングの知識がゼロでも大丈夫?
A. まったく問題ありません。
この試験に計算問題やコードの出題はありません。内容はすべて“言葉の理解”と“場面判断”が中心です。
むしろ、「文章を読み解く力」「言葉の定義を覚える力」などは文系のほうが得意という人も多いです。
安心して独学スタートできます。
Q4:試験に落ちたら、またすぐ受けられるの?
A. 情報セキュリティマネジメント試験は年2回(春と秋)実施される国家試験です。
落ちても半年後には再受験できますし、受験資格に制限もありません。
ただし申込期間がやや早め(2〜3か月前)なので、「やると決めたらすぐ申し込む」のが吉です。申し込みを逃すと1年待ちになるのは地味に痛いです…。
Q5:独学が不安な人に、おすすめのやり方は?
A. 「何から手をつけていいかわからない…」という方は、以下の3ステップが安心です。
-
やさしめのテキストを1冊通読(理解しきれなくてOK)
-
IPA公式の過去問を1回分だけでも解いてみる
-
間違えた用語をメモする
この3つをやるだけでも、「合格って無理じゃないかも」と感覚がつかめてきます。
私自身、このステップで手応えを感じてから一気に勉強ペースが上がりました。
まとめ|文系だからこそ“守る力”が身につく国家資格
「ITの資格って難しそう」「理系の人しか受からないんじゃ…」
そんなふうに感じていた私でも、情報セキュリティマネジメント試験は“文系ならではの強み”を活かして突破できた資格でした。
確かに専門用語は多いですし、午後問題はちょっと面倒です。
でも、過去問中心の対策でも十分合格できる設計になっていて、しっかり準備すれば独学でも手が届く国家資格です。
そして何より、「情報を守る視点」を持てるようになったことは、スキル以上に自信につながりました。
日常業務の中でも、ちょっとした気づきや行動が変わり、「ただの事務職」だった自分が「セキュリティを考えて動ける人」として一目置かれるようになったのは、思わぬ副産物でした。
これからSGの取得を考えている方には、まずはIPA公式サイトの過去問を1回分だけでも見てみることをおすすめします。
「意外と読めるかも」「ちょっといけそうかも」と思えたら、それがはじめの一歩です。
無理なく、でもしっかり「守る力」を身につけたい——
そんな文系社会人にとって、情報セキュリティマネジメントはとても良いスタート地点になるはずです。