SQLを学ぶときに多くの人がつまずくポイントが「IF文の入れ子と処理の流れ」、そして「集計関数における括弧()の扱い」です。本記事では、この2つを整理しながら、初学者でもイメージしやすいように解説します。
目次
IF文における入れ子と分岐の仕組み
入れ子構造の考え方
SQLのストアドプロシージャや制御構文では、IF文を入れ子にすることで条件に階層を持たせることができます。外側のIFが真であれば、その内部でさらに別の条件を評価できます。逆に、外側が偽なら内部の条件判定は一切行われません。
IF update_flag = 0 THEN
IF g = 1 THEN
UPDATE 会員 SET ...
END IF;
END IF;
親IFがfalseのとき子IFはどうなる?
親IFがfalseなら、そのブロックの中身はスキップされます。つまり、子IFは実行されず、判定自体も行われません。イメージとしては「親IFが入場ゲート、子IFがゲートの中の扉」のような関係です。
並列に書いた場合との違い
もし同じ条件を入れ子ではなく並列に書いた場合、親IFがfalseでも子IFは独立して判定されます。処理フローに違いが出るため、業務ロジックに応じて「入れ子」と「並列」を使い分けることが重要です。
SQLにおける処理の順番の重要性
上から順番に実行されるルール
手続き型SQLは基本的に上から下へ処理が流れます。変数の代入やUPDATEの順序が変わるだけで、後続の処理結果も変わる点に注意が必要です。
ネストと順序の組み合わせによる違い
「親IFがtrueのときだけ子IFが実行される」構造に加えて、「処理は上から順に実行される」ルールが組み合わさるため、実際のフロー設計では意図通りに書けているかを慎重に確認する必要があります。
集計関数と括弧()の関係
集計関数は必ず()が必要な理由
SUMやAVGなどの集計関数は、SQLにおいて「関数呼び出し」の形式を取ります。そのため、引数を必ず括弧で囲む必要があります。括弧を省略すると構文エラーになります。
COUNT(*)やDISTINCTの正しい使い方
- 正しい例:
COUNT(*)
- 正しい例:
COUNT(DISTINCT department_id)
- 誤り:
COUNT *
/COUNT DISTINCT department_id
このように、COUNTであっても括弧は必須であり、DISTINCTを使う場合も必ず括弧の中に含めます。
よくある間違いとエラー例
関数 | 正しい書き方 | 誤り例 |
---|---|---|
SUM | SUM(salary) | SUM salary |
AVG | AVG(price) | AVG price |
COUNT | COUNT(*) | COUNT * |
COUNT DISTINCT | COUNT(DISTINCT col) | COUNT DISTINCT col |
誤った書き方をすると「syntax error」や「missing parenthesis」などのエラーが発生します。括弧は必須だと覚えておきましょう。
まとめ
SQLを正しく扱うためには、IF文の入れ子と分岐の流れを理解し、また集計関数は必ず括弧が必要だというルールを守ることが大切です。処理の流れを正確にイメージし、エラーを未然に防ぎましょう。