SNSマーケティング完全ロードマップ2025
本ガイドの狙いと読む順番/想定読者/成果指標の置き方
「SNSに投資しているのに、売上や指名検索に効いている実感が薄い」——そんな悩みを今年こそ脱したい方向けに、本ページはSNSマーケティング完全ロードマップ2025を一枚で俯瞰できるよう設計しました。Instagram・TikTok・X・LINE(+Threads/Pinterest/note)まで、戦略づくり→体制→コンテンツ→広告→測定→改善の順で、明日から実装できる運用ノウハウをまとめます。
まず押さえるべきは、「事業目標から逆算したKPI設計」と「チャネル役割の明確化」です。本ガイドでは、事業目標→KGI→KPIの階層を整理し、SNSにおける主要KPI(到達・保存・エンゲージメント・クリック・コンバージョン・獲得単価・LTV/ROIなど)の置き方を、短期(30–90日)/中期(90–180日)/長期(半年〜)のマイルストーンに落とし込みます。「何を伸ばせば、いつ、どの成果に跳ねるのか」を数字でつなぐのが目的です。
読み進め方は次の通りです。
- まず「全体戦略とKPI設計」で“勝ち筋の地図”を作成。
- 次に「編集体制とコンテンツカレンダー」で、投稿頻度・分担・レビュー基準・ネタ管理を型化。
- 以降はチャネル別の実装に着手(Instagramの基礎と伸ばし方/リール運用、TikTok運用・広告、Xのスレッド&広告、Threadsの型とクロス連携、LINE公式の集客〜CRM)。
- さらに「SNS広告の比較・最適化(CPA/学習/ターゲティング)」と「クリエイティブ設計&UGC活性化」で拡張。
- 仕上げに「測定・ダッシュボード・PDCA」「炎上対策・コンプライアンス・リスニング」「体制構築・外注・API連携」で運用を持続可能にします。
想定読者は、事業責任者/マーケティング責任者/SNS担当者/代理店の運用リーダー。到達やエンゲージメントだけでなく売上・指名検索・リピートまで連動させたい方、2025年のアルゴリズムや広告仕様の変化に合わせて勝ちパターンを再設計したい方を対象にしています。本ガイドを使えば、各チャネル(Instagram・TikTok・X・LINE・Threads・Pinterest・note)の役割を再定義し、「戦略→実装→測定→改善」を一気通貫で標準化できます。
H2-1|全体戦略と◎KPI設計の基本
結論:SNSマーケティングは「事業目標→KGI→KPI→指標設計→運用リズム」の順で“数字の物語”を作ると迷いません。まずは1プロジェクト=主要KPIは3~5個に絞り、チャネルごとの役割を明確化しましょう。
1) 設計の流れ(5ステップ)
- 事業目標:売上/新規顧客数/LTV向上など。
- KGI:事業目標に直結する最終指標(例:月間売上1,000万円)。
- KPI:KGIを伸ばすための中間指標(例:サイト購入件数、CVR、セッション数)。
- SNS指標へのブリッジ:セッション数を増やすため、到達→関与→遷移のKPIに分解。
- 運用リズム:週次でKPIレビュー、月次でKGIギャップ検証→施策更新。
参考テンプレや定義リストは社内共有に便利です(KPIツリー&カレンダーテンプレ/ダッシュボード設計例/指標定義リファレンス)。
2) SNSにおける主要KPI(役割別)
- 到達(Reach/Impression):新規接触の量。CPM、到達単価も管理。
- 関与(ER/保存/共有/コメント/プロフィールアクセス):関心の質。保存率・プロフィール到達率。
- 遷移(Link Click/CTR):サイト・LP・ショップへの移動。
- 獲得(CV/CVR/CPA/ROAS):売上・申込・友だち追加などのコンバージョン。
- 関係(Repeat/LTV/チャーン/返信率):LINEやDMでの関係深化・CRM成果。
- 健全性(ブロック率/通報率/ネガ比率):ブランドセーフティのガードレール。
3) KPIツリー例(ECの新規売上を伸ばすケース)
KGI:月間新規売上 1,000万円
- KPI-A(獲得):新規購入 500件(
購入=セッション×CVR
) - └ KPI-B(遷移):SNS起点セッション 25,000(
セッション=リンククリック×LP到達率
) - └ KPI-C(関与):リンククリック 50,000(
クリック=到達×CTR
) - └ KPI-D(到達):到達 5,000,000(
到達=投稿露出×到達率
)
逆算で「週あたり必要到達」「投稿本数」「広告予算」「クリエイティブの型数」を算出します(詳細テンプレはこちら)。
4) チャネル役割の置き方(例)
- Instagram:保存/共有で“指名検索の芽”を作る。KPI=保存率・プロフィール到達率・フォロワー純増。
- TikTok:短期到達で母集団を拡張。KPI=動画視聴完了率・10秒視聴率・外部遷移クリック。
- X:会話量とスレッドで想起頻度を高め、サイト流入を確保。KPI=スレッド完読率・返信率・リンクCTR。
- LINE:CRMと即時CV。KPI=友だち追加単価・配信開封率・クリック率・タグ別CVR。
5) 目標値の決め方(SMART×期間)
- 短期(30–90日):運用安定化指標(投稿本数、到達単価、保存率)。
- 中期(90–180日):遷移とCVR改善(プロフィール到達率→LPCTR→CVR)。
- 長期(半年〜):LTV・リピート・指名検索。
- 目標はSMART(Specific/Measurable/Achievable/Relevant/Time-bound)で設定。
- 初期はベースラインの1.2〜1.5倍を目標、四半期ごとに再定義。
6) 最小KPIセット(まずはこれだけ)
- 到達:ユニークリーチ/CPM
- 関与:保存率(IG)・完視聴率(短尺動画)・返信率(X)
- 遷移:プロフィール到達率→外部リンクCTR
- 獲得:CV/CPA(または友だち追加単価)
- 健全性:ブロック率・ネガ比率
7) 運用ルール(週次・月次)
- 週次:KPIギャップ→次週の投稿フォーマット/本数/予算配分を更新。
- 月次:KGIとの乖離要因(到達量かCTRかCVRか)を特定→打ち手3つを確定。
- ダッシュボードで定義が一目で分かる状態に(設計例/定義集)。
関連リソース:KPIツリー&KPIカレンダーのテンプレ/ダッシュボード設計例/指標定義・計算式のリファレンス
H2-2|編集体制と◎コンテンツカレンダー設計
結論:SNSマーケティングは「体制の明確化×カレンダーの型化=安定運用」。役割・レビュー基準・投稿頻度を“先に”決め、週次の運用リズムへ落とし込みます(カレンダーテンプレ/体制ガイド/レビュー基準)。
1) 役割設計(RACIの最小形)
- R(Responsible:作成)…各チャネルの編集担当(IG/TikTok/X/LINE)。
- A(Accountable:最終責任)…編集長/マーケ責任者。
- C(Consulted:助言)…デザイナー・CS・法務。
- I(Informed:共有)…営業・EC・経営。
人数が少ない場合はAとRを兼務し、レビューSLA(例:24時間以内)を明文化(詳細はこちら)。
2) レビュー基準(“主観”を排除するチェックリスト)
- 目的整合:投稿のKPI(保存/クリック/友だち追加など)が本文で明示されているか。
- 訴求の一貫性:ブランドトーン/NGワード(炎上・差別・医療/薬機など)。
- 可読性:1投稿=1メッセージ、見出し→本文→CTAの三段構成。
- 視覚ルール:フォーマット比率、サムネ文字量、ロゴの扱い。
- 法務・権利:画像/音源ライセンス、UGCの二次利用同意。
スコアリング表(80点以上で公開)と差し戻し条件をテンプレ化(レビュー基準テンプレ)。
3) 投稿頻度の決め方(容量とKPIから逆算)
週あたり制作可能本数(Capacity)を算出 → KPI到達に必要な露出量と突き合わせ。
- 目安(初期3か月):
- Instagram:投稿3–5本/週+リール2–3本/週+ストーリーズ常時
- TikTok:動画3–7本/週(短尺でテスト回転)
- X:スレッド2–3本/週+日次ポスト1–3件+返信運用
- LINE:定期配信1–2回/週+セグメント配信随時
具体的な配分表はコンテンツカレンダーテンプレを参照。
4) コンテンツカレンダーの型(そのまま使える列設計)
- 列:日付/チャネル/目的(認知・関与・遷移・獲得)/フォーマット/訴求軸/CTA/担当R/レビューA/公開可否/UTM。
- 色分け:目的別に色コード(認知=青、遷移=緑、獲得=橙 など)。
- WBR(Weekly Business Review):毎週同じ曜日・同じ時間にKPIレビュー→翌週の差配を確定。
- 進行管理:
Backlog→制作中→レビュー→予約→公開→結果入力
のカンバンを併用。 - 命名規則:
2025_IG_Reel_訴求名_v1
などで一元化(検索性↑)。
5) ネタ管理と再利用(少ない工数で回す)
- ネタ起点:顧客の質問、検索上位の不足点、CSログ、競合レビュー。
- Pillar→Cluster展開:1本の“基幹ネタ”を短尺動画・スレッド・カルーセル・LINE配信へ再編集。
- A/Bテスト:サムネ3種・冒頭3秒3種・CTA2種を小ロットで回し、勝ちパターンをカレンダーへ固定化。
6) ガバナンスと可用性
- SLA:緊急投稿(炎上/障害)は60分以内対応の連絡網を明記。
- 権限とバックアップ:予約投稿の二重認証/主要アカウントの復旧手順。
- ドキュメント:体制・レビュー・カレンダーの最新版はN-02に常時集約。
関連リソース:編集体制ガイドとSLA雛形/コンテンツカレンダーテンプレ/レビュー基準&スコア表
H2-3|Instagram戦略の基礎と伸ばし方
結論:Instagramは「保存率×プロフィール到達率×指名検索」の三点セットで伸ばします。SNSマーケティング全体の中では、認知だけでなく“好意形成→行動(遷移・CV)”までを、カルーセル/リール/ストーリーズ/プロフィール設計で面で取りに行くのが基本です(運用はカレンダー連動:E-32)。
1) 目的別フォーマット選択(認知/好意/行動)
- 認知:リール(拡散幅)+コラボ投稿(相互の母集団に届く)。冒頭3秒で“ベネフィット”を提示。保存CTAは自然文で。→ リールの詳細は後述H2-4(基礎ベンチマーク:N-06)。
- 好意:カルーセルで「問題→共感→解決→手順→チェックリスト」。1枚目は“結果”を見せ、2–4枚目で価値提供(構成テンプレ:E-33)。
- 行動:ストーリーズでリンクスタンプ/リマインダー/質問箱→DM誘導。プロフィール固定3本を「ベネフィット/証拠(事例)/オファー」の順で(固定設計テンプレ:E-35)。
2) 育成導線の設計(投稿→プロフィール→外部)
- 投稿:
Hook(3秒/1枚目)→Value→CTA(保存/プロフィールへ)
(カルーセル台本テンプレ:E-33)。 - プロフィール:
- 外部:LPのファーストビューとUGCの引用で整合を取り、CVR落ちを防止(UGC権利ガイド:N-07)。
3) 伸びるカルーセルの型(保存率を主戦場に)
- 1枚目:結果のビジュアル+数字(例「売上を2倍にした手順」)。
- 中盤:手順を名詞化(例「計測→訴求→フォーマット→CTA→再配分」)。
- 終盤:チェックリスト/ミニワーク(保存理由を付与)。
- 最後:
保存→プロフィール固定投稿を見る→リンクから詳細
の三段CTA。
デザイン・文字量・行間の基準はカルーセル規範へ(E-33)。測定は保存率/プロフィール到達率(定義リファレンス:N-03、N-04)。
4) 投稿比率と頻度(初期3か月の目安)
- 比率:リール40%/カルーセル40%/ストーリーズ20%。
- 頻度:フィード3–5本/週+リール2–3本/週+ストーリーズは常時(詳細はカレンダー:E-32)。
- テストの回し方:サムネ3種×冒頭フレーズ3種×CTA2種を小ロットで。勝ちパターンは固定投稿とハイライトへ(E-35)。
5) 発見最適化(Instagram内SEO)
- 名前欄・バイオ・キャプションに主要トピックのコアキーワードを自然挿入。
- ハッシュタグは“広×準×ニッチ”で10–15個。固定タグは3–5個に抑え、検証枠を残す(運用指針:N-04)。
- 代替テキスト(Alt)で意図を補足。コメント1時間内の初速を重視(アルゴリズム基礎:N-03)。
6) コミュニティ運用(好意→行動の橋渡し)
- 週次で質問スタンプ→回答カルーセル化→ハイライト蓄積(E-35)。
- コラボ投稿とUGCの二次利用で社会的証明を強化(権利面:N-07)。
- DM自動応答キーワードで“資料/クーポン/診断”を配布(設計チェック:N-05)。
関連リソース:カレンダー運用/カルーセル台本/プロフィール最適化/固定&ハイライト/アルゴリズム基礎/Instagram内SEO/タグ/リンク設計/リール基礎ベンチマーク/UGC権利ガイド
H2-4|Instagramリール&トライアルリール活用
結論:リールの成否は「初速×完視聴率×保存/共有」で決まります。SNSマーケティング全体の目標(到達・好意・行動)に合わせ、トライアルリールで仮説を素早く検証→勝ち型を量産化しましょう(フック集:E-36/台本テンプレ:E-37/編集プリセット:E-38)。
1) 伸びるリールの型(まずはこの5類型)
- Before→After:変化を先出し→理由と手順。“結果”の先出しは保存率が伸びやすい(構成の雛形:E-37)。
- 3ステップHowTo:
Hook→手順→チェックリスト
。各ステップを名詞化して字幕固定(編集基準:E-38)。 - よくある失敗→修正:共感→解決の順。1秒目で“痛み”を言語化(フック参考:E-36)。
- POV/あるある:視点固定で没入を作る。巻末に「詳細は固定投稿へ」で育成導線(固定設計はH2-3参照)。
- チェックリスト/診断:保存理由が強い。CTAは「スクショ→保存→プロフィールへ」。
2) 撮影・編集の作法(視聴維持のための最低限)
- フック(0–3秒):結果の先出し/数字/“やらないと損”。30案から選ぶのが近道(フック集:E-36)。
- 構成:
Hook→Value→CTA(保存/プロフィール/リンク)
。台本はテンプレに直接書き込む(E-37)。 - 字幕:9:16のセーフゾーンを厳守、1行12–16文字、行間広め。編集チェックは(E-38)。
- サムネ:1枚で“何が得られるか”が分かるデザイン(テンプレ:E-21)。
- 音源:権利に配慮しつつ“静かなBGM×明瞭なナレーション”を基本に(運用ガイド:E-07)。
- 撮影:自然光+スマホ三脚+外部マイクで十分(チェックリスト:E-19)。書き出し設定は(E-20)。
3) トライアルリールの使いどころ(仮説→検証→量産)
- 定義:狙いとフックが異なる短尺案を連続投下し、早期指標で合否判定する手法。
- 使いどころ:新プロダクトの訴求検証/新規アカウントのポジショニング探索/季節施策の事前テスト。
- 設計:週3–5本、フック×ビジュアル×CTAを直交で組み合わせ(例:3×2×2=12案)。
- 判定:投稿24時間の初速ERと視聴維持(完視聴率/10秒視聴率)、48–72時間の保存率で採否。しきい値は自社ベースライン対比で判断(参考ベンチ:N-06)。
- 量産:合格案は台本→撮影→編集→サムネをテンプレ化し、週次で2–3倍速に。
4) 目的別KPIと見る順番(測定のコツ)
- 認知:リーチ/CPM→3秒視聴率→完視聴率。
- 好意:保存率/共有率→プロフィール到達率。
- 行動:プロフィール到達率→外部リンクCTR→CV。
- 評価フロー:
初速(1h)→24h→72h
の三点で傾向を見る。サムネ×フック×1枚目の整合が崩れていないかをまず確認(定義集&指標式:N-06)。
5) 運用リズム(カレンダーと連動)
- 週次:トライアル→合格型を翌週のカルーセル/固定投稿/ハイライトに横展開(H2-3参照/設計テンプレ:E-35)。
- 月次:型ごとの保存率・プロフィール到達率を棚卸し→勝ち型を広告へ流用(クリエイティブ設計の共通原則:E-36・E-37・E-38)。
- タグ管理:カレンダーで「目的/型/フック種別」をタグ化し、再利用を容易に(運用台帳:E-32)。
関連リソース:撮影チェックリスト/編集チェックリスト/サムネテンプレ/フック集/台本テンプレ/編集プリセット/音源ガイド/リール基礎ベンチマーク
H2-5|TikTok運用・広告の勝ち筋
結論:TikTokは「短期到達×即時CV×学習データ蓄積」を一本の線でつなぐと勝ちやすい。プレキャン→ショップ→広告を一貫設計し、UGC起点のクリエイティブを素早く検証→伸び型だけに予算を集中します(設計テンプレ:E-16/運用フロー:E-17/ベンチ指標:N-08/商品ページチェック:N-09/広告メニュー比較:N-10)。
※本章でも「SNSマーケティング」全体のKPI(到達→関与→遷移→獲得)と連動させて運用します。
1) 基本方針(UGC×短尺で“買う理由”を最短提示)
- UGC優位:生活文脈・実使用カット・素手レビュー。1秒目で“ベネフィット”を可視化。
- 9:16の情報設計:画面下1/3に字幕、上2/3で商品体験。テロップは名詞化(例:
毛穴→即カバー→崩れにくい
)。 - 導線の二重化:動画内CTA+プロフィール/商品ページリンク。カート到達の摩擦を最小化(運用フロー:E-17)。
2) プレキャン(14–21日)で勝ち筋を特定
- 狙い:訴求軸(価格/効果/時短/比較/口コミ)×フック(驚き/失敗回避/結果先出し)を直交テスト。
- 検証の場:自社投稿+クリエイター協業(ナノ/マイクロ中心)。使用許諾を広告転用前提で取得。
- 判定指標(24–72時間):前半3秒視聴率→完視聴率→保存/共有→商品ページ遷移。
- 採択基準:自社ベースライン対比で上位25%のみ残し、台本テンプレへ固定(テンプレ:E-16、指標の目安:N-08)。
3) ショップ/商品ページ最適化(遷移後の取りこぼし防止)
- ファーストビュー:1枚目で“結果画像”/使用前後/主要ベネフィット3点。
- レビュー/UGC:動画レビューを1–3本上位に配置。権利表記・二次利用同意はチェック(N-09)。
- オファー設計:バンドル/期間限定クーポン/送料無料閾値。
- 計測:
ttclid
やUTMでTikTok起点を可視化、商品別CVR・離脱点をダッシュボードへ(定義リファ:N-09)。
4) 広告の使い分け(目的別に3レイヤー)
- 拡散(認知):Spark Ads(投稿資産の活用)でソーシャルプルーフを保持。CPM/視聴完了で粗選別。
- 誘導(考慮):Video Shopping/商品連携系で商品カード→商品ページ直リンク。
クリック率→カート到達率
で管理。 - 獲得(CV):Conversion/リマーケでCV最適化。滞在/カート放棄/視聴完了をセグメント。
- 配分の起点:開始2週は 認知:誘導:獲得=40:30:30 を目安に、CVRの高い面へ段階的に再配分(メニュー比較:N-10)。
5) クリエイティブ仕様(量×質を両立)
- 型:Before/After、3ステップHowTo、失敗→解決、口コミ読み上げ、競合比較。
- 台本:
Hook(1–2秒)→価値→証拠(実演/数値/比較)→CTA
を固定(台本:E-16)。 - 制作運用:1訴求あたり3クリエイティブ×週で回す。初速が鈍いものは48–72hで差し替え(運用表:E-17)。
- 素材管理:クリエイター別にフック/訴求/CTAタグを付け、勝ち筋の組合せを再現。
6) 配信と学習の設計(安定運用のコツ)
- 構成:広告セットはオーディエンス×目的で分解、重複配信を最小化。
- 学習安定:過度な細分化を避け、1セットあたりのCVシグナルを確保(目安:日次二桁)。
- 入札と予算:日予算は想定CPAの数倍から開始→目標CPA内で段階的にスケール。
- 除外運用:購入済み/長尺滞在者の除外、クリエイティブ疲労は頻度・クリック率・CVRの3点で検知(チェック:N-08)。
7) 測定とアトリビューション(重複計上を回避)
- 窓の整合:広告管理画面とGA/計測基盤でアトリビューション窓を合わせ比較。
- 指標の見る順:
到達→視聴維持→クリック→カート到達→購入
。中間の落ち点を特定し、該当レイヤーだけ施策更新。 - レポート雛形:ウィークリーで面別(拡散/誘導/獲得)×訴求×クリエイターのスコアカードを更新(雛形:E-17、定義集:N-08)。
関連リソース:TikTok設計テンプレ/運用フロー&レポート/ベンチ指標/商品ページチェック/広告メニュー比較
H2-6|X(旧Twitter)運用:スレッド・評価・広告
結論:Xは「スレッドで価値提供→会話量で想起維持→広告で獲得を加速」の三拍子。SNSマーケティング全体KPI(到達→関与→遷移→獲得)に直結する完読率・返信率・リンクCTRを主指標に、スレッド設計と返信運用を“型化”して回します(スレッド台本:E-22/フック&見出し集:E-23/会話運用プレイブック:E-24)。
1) スレッド戦略(骨子は「結論先出し×分解×証拠」)
- 1ツイート目(Hook):
結論/数字/ベネフィット
を先出しし、1/n表記で続きを示す(見出しテンプレ:E-23)。 - 中盤:3〜5個の名詞化ステップ(例:調査→仮説→実装→計測→改善)。各ツイートに1メッセージ(台本:E-22)。
- 証拠:図解・実数値・スクショなど一次情報を最低1回挿入(画像/動画の比率・余白ルール:E-28)。
- 終盤CTA:
保存用にいいね/続編は固定ポスト/詳細はLP
の三段CTA(B2B向け文例:E-30)。
2) 会話量を増やす返信・引用の型(アルゴリズムに依らない“積み上げ”)
- 15分ルール:公開直後15分は自分で追記2〜3件+早期リプに即返信(返信テンプレ:E-31)。
- 引用の使い分け:ポジティブは引用/質問は返信で深掘り。週2回はAMA(なんでも質問)を実施(会話運用:E-24)。
- リスト運用:競合/顧客/インフルエンサーの非公開リストを作成し、毎日15分の対話時間をブロック(反応誘発フレーズ集:E-27)。
- 健全性:ネガ反応は事実→謝意→一次対応→導線で統一(メディア/ポリシー基準:E-29)。
3) 評価指標と見る順番(N-11の定義に準拠)
- 完読率の代理:スレッド末尾までのポスト到達比(最終ツイートの表示回数/1ツイート目の表示回数)。
- 会話量:返信率・引用率・プロフィール到達率。
- 遷移:最終ツイートのリンクCTR、
詳細表示→リンク
の比率。 - 獲得:CV/CPA(LP別・オファー別で分解)。
- 健全性:ミュート/ブロック比、ネガティブ語の発生率。
週次はスレッド単位、月次はテーマ×フック×CTAで棚卸し(スコアカード:E-25、指標ベンチ:N-11)。
4) 広告の使い分け(オーガニック資産を起点に)
- 拡散:スレッド1ツイート目を広告配信して認知拡大。CPM/エンゲージ単価で粗選別。
- 誘導:サイト訪問最適化でLPへ。
リンクCTR→セッション品質(滞在/直帰)
で評価。 - 獲得:コンバージョン最適化/リマーケ。
カート放棄→購入
のシーケンス。 - 配分:開始2週は 認知:誘導:獲得=40:30:30 を基準に、獲得効率に応じて再配分(広告設計:E-26、メニュー比較:N-12)。
5) クリエイティブ原則(タイムラインで“止める”ために)
- 文字:1ツイート120字以内を目安、箇条書き+空行で可読性を担保(ルール集:E-28)。
- ビジュアル:図解/GIF/短尺動画を3本に1本は挿入。サムネは結果先出しが基本。
- フック:数字・逆説・比較を先頭に(フック集:E-23)。
- コンプラ:引用・再利用時は一次情報の出典と同意を徹底(ガイドライン:E-29)。
6) 運用リズム(WBR×テスト)
- WBR:毎週同時刻にテーマ×フック×CTAの勝ち筋を更新、翌週のスレッド台本へ反映(台本管理:E-22)。
- テスト設計:
フック3×構成2×CTA2=12案/四半期
を最低ライン。1案=1週で検証(評価フレーム:E-25)。 - UTM/計測:UTMパラメータ統一、LP別CVRでCTA文言を最適化(計測ガイド:N-13)。
7) 使い分けの具体(B2B/D2C)
- B2B:ケース→手順→失敗例→ダウンロード資料CTAの順(B2Bテンプレ:E-30)。
- D2C:Before/After→使用感→比較→クーポンCTA。UGCの引用・許諾は投稿時に取得(運用チェック:E-29)。
- 共通:固定ポストとプロフィールのリンク集を整備し、スレッドからの導線を最短化(返信テンプレ:E-31)。
関連リソース:スレッド台本/フック&見出し集/会話プレイブック/評価フレーム&スコアカード/広告設計/反応誘発フレーズ/クリエイティブルール/メディア/権利ガイド/B2B CTAテンプレ/返信/引用テンプレ/指標ベンチ/広告メニュー比較/計測ガイド
H2-7|Threads運用の型とクロス連携
結論:Threadsは会話起点で“好意と記憶”を積み上げ、Instagramでの発見と外部CVへ橋渡しするチャネルです。SNSマーケティング全体では、Instagram(発見・保存)とLINE/サイト(CV)の“間”に位置づけ、テキスト主導の価値提供→質問で会話化→IG/LINEへ導線の三段設計で運用します(運用ガイド:E-09/投稿テンプレ:E-10/クロス連携設計:E-11)。
1) 役割定義(全体ファネルでの置き所)
- 発見後の深掘り:IGで興味を持った層に“背景・理由・思想”を短文連投で伝える。
- 会話と検証:質問→回答→再編集で仮説検証の場に。勝ちネタはIGカルーセル化。
- 導線のハブ:プロフィールリンクからLP/LINEへ誘導(導線チェック:E-11)。
2) 投稿テンプレ(まずは3型で固定)
- #01:Short Essay(短文コラム)
結論→理由3つ→一言CTA(質問or次回予告)
。1投稿=1テーマ、140–280字×1–3連投(テンプレ:E-10)。 - #02:Q&Aプロンプト
問い→選択肢→自分の見解→募集CTA
。週1回の定例で会話の定点をつくる(文例:E-10)。 - #03:ケーススタディ断片
状況→対応→結果→学び
を箇条書き。IGでは図解、Threadsでは短文×連投に分解(再編集の手順:E-09)。
3) クロス連携の型(Instagram前提)
- IG→Threads:
- カルーセルの舞台裏(選ばなかった案/失敗例/補足データ)を短文で公開。
- リール公開直後に要点3行をThreadsに同時投稿→IG固定投稿/ハイライトに誘導(連携設計:E-11)。
- Threads→IG:
- 反応が高い連投をIGカルーセル化(1枚目=結論/2–4枚目=学び)。
- 会話で出たFAQをストーリーズQ&Aへ反映(手順:E-09)。
4) 会話を増やす運用ルール
- 15分ルール:公開直後15分は自分の追記×2+早期リプへ即返信(運用ガイド:E-09)。
- 話題設計:週1–2回はAMA/お悩み募集、週1回は比較/二択で敷居を下げる(プロンプト集:E-10)。
- 引用と礼儀:他者ポストの引用は要約+自分の視点を添える。UGCの二次利用は同意取得(権利・規約:N-15)。
5) KPIと見る順番(定義はN-14準拠)
- 会話の質:返信率/1スレッドあたりの有意コメント数。
- 育成:プロフィール到達率/IGプロフィール遷移率。
- 成長:フォロワー純増(純増/100到達あたりの会話数も併記)。
- 導線:プロフィールリンク経由のLP/LINE流入とCVR(計測の置き方:E-11、定義集:N-14)。
- 健全性:通報/ブロック率、ネガ語比率(基準表:N-14)。
6) 投稿頻度とWBR
- 頻度の目安:3–5投稿/週+ミニ連投1–2本。
- WBR(Weekly Business Review):
テーマ×フック×CTA
の勝ち筋を棚卸→翌週テンプレに反映(台帳:E-09)。 - A/B:冒頭1行の逆説/数字/質問をテスト。反応の高い型はIGにも水平展開。
7) コンテンツ起点のグロースループ
Threadsの会話 → FAQ抽出 → IGカルーセル/リール化 → 保存/共有増 → Threadsで解説補足 → LINEで特典配布
このループをカレンダー(E-11連携版)に落とし込み、SNSマーケティングの“面”で成果を最大化。
関連リソース:運用ガイド/投稿テンプレ/クロス連携設計/指標定義&ベンチ/権利・規約ガイド
H2-8|LINE公式アカウント&広告
結論:LINEは“集客→育成→獲得→リピート”を最短距離でつなぐCRMチャネル。SNSマーケティング全体の“収益化レイヤー”として、友だち追加の拡大(広告/導線)×タグでの精緻化×シナリオ配信を標準化します(設計テンプレ:E-05/体制・権限:E-06/配信テンプレ&メッセージ規範:E-08/指標定義:N-16/広告メニュー比較:N-17/API連携:N-18)。
1) 役割とKPI(全体ファネルでの置き所)
- 役割:Instagram・TikTok・Xで獲得した関心を即時のCV/来店/資料DLへ橋渡し。
- 主要KPI:友だち追加数・友だち追加単価・既読率・クリック率・CV/CPA・ブロック率・セグメント別CVR(定義:N-16)。
- 評価の順番:
追加→既読→クリック→LP滞在→CV
+ブロック率で健全性を必ず確認。
2) 初期セットアップ(必須の3点)
- 導線:サイト・IGプロフィール・ストーリーズに友だち追加リンクを常設(UTM/デバイス別で可視化:E-05)。
- ウェルカム設計:追加直後に
特典配布→診断or選択式タグ付与→次回配信の予告
(文例:E-08)。 - リッチメニュー:上段「申込/予約」「クーポン」「事例」/下段「FAQ」「問い合わせ」「特典再発行」(設計表:E-05)。
3) 集客導線(オーガニック×広告の両輪)
- オーガニック:
- IGリール/ストーリーズで特典CTA→LINEへ(例:診断結果配布/限定クーポン)。
- Xの固定ポスト/ThreadsのShort Essay末尾にLINE誘導の定型文を付与(テンプレ:E-08)。
- 広告(LINE広告):
- 目的別に友だち追加/サイト誘導/コンバージョンを使い分け、既存友だち除外で無駄打ち回避。
- 予算配分は開始2週を目安に追加:誘導:獲得=40:30:30から、CV効率で再配分(メニュー比較:N-17)。
- クリエイティブはベネフィット1つ+即時特典+期日。配信時間は通勤帯/昼/21時台でテスト。
4) タグ設計(“誰に何を送るか”を固定化)
- 初期タグ:興味カテゴリ(A/B/C)・購入ステージ(未接触/検討/購入/リピート)・行動タグ(来店/資料DL/カート放棄)。
- 付与方法:
- ガバナンス:タグ命名は
[目的]-[カテゴリ]-[値]
(例:STAGE-PURCHASE-Consider
)。棚卸しは月1で重複統合。
5) 配信シナリオ(定期×ステップ×イベント)
- 定期配信(週1–2):ニュース/事例/新入荷。価値→CTA→再来動機の三段構成(テンプレ:E-08)。
- ステップ配信:追加翌日「基本ガイド」→3日後「比較/FAQ」→7日後「事例/特典」。既読×未既読分岐を導入。
- イベント配信:カート放棄・来店後・セール前夜・誕生月。セグメント×タグで内容と頻度を最適化。
- 頻度規範:月間4–8通を上限目安、ブロック率>0.5%/配信で頻度/訴求見直し(運用規範:E-08)。
6) クリエイティブとUI(即時行動を生む型)
- リッチメッセージ/カルーセル:1枚=1訴求、価格/期限/特典は必ず可視化。
- ミニ診断/分岐:
はい/いいえ
でおすすめ商品/資料を出し分け→タグ付与。 - リッチメニューの季節更新:セール/キャンペーン時は上段1枠を“今だけ”枠に差し替え(運用表:E-05)。
7) 計測・ダッシュボード(N-16準拠)
- 必須指標:友だち追加/追加単価/既読率/クリック率/CV/CPA/ブロック率/LTV(定義:N-16)。
- 見る順番:
追加→既読→クリック→CV
でボトルネック特定。既読<50%なら件名・送信時間、CTR<3%なら訴求/UI、CVはLP側でAB。 - 可視化:チャネル別(IG/TikTok/X/広告)→タグ別→メッセージ別の三層ピボット(ダッシュボード雛形:E-05)。
8) API/外部連携と自動化(N-18)
- 購入/来店データの取り込み:購入→タグ付与→ステップ切替でリピート施策へ自動遷移。
- RFM/セグメント配信:90日未購入/高頻度購入者などにクーポン差し替えを自動化。
- チャット→チケット化:CSツール連携でSLAを担保(体制・権限はE-06参照)。
- プライバシー:同意ログ/配信停止導線/データ最小化の運用ルールを文書化して周知(チェック:N-18)。
関連リソース:設計テンプレ/体制・権限/配信テンプレ/指標定義/広告メニュー比較/API/連携ガイド
H2-9|Pinterest・noteの拡張チャネル活用
結論:Pinterestは画像検索エンジンとして“長期で効く指名/非指名の想起装置”、noteは有料記事/メンバーシップのマネタイズ装置。SNSマーケティング全体では、IG・TikTokの短期到達に対し、Pinterestで検索流入を積み上げ、noteで深いナレッジを収益化します(Pinterest設計:E-14E-15/note設計:E-12E-13/指標定義:N-19N-20N-21N-22)。
1) 役割とファネル
- Pinterest:中長期の“検索由来”流入を担う。保存(Save)→外部クリックを軸に、LP/ブログへ遷移。
- note:深い検討・教育・収益化。無料→有料→会員の三層でLTVを伸ばす。
- 導線:
IGカルーセル(要約)→Pinterest(図解まとめ)→ブログ/LP
とThreads/X(議論)→note(完全版)→LINE(特典)
の二本立て(設計テンプレ:E-14E-12)。
2) Pinterest運用(検索×保存で“資産化”)
- ボード設計:
テーマ(課題)×ペルソナ
で10–15ボード。ボード名は検索キーワード型に(命名ルール:E-14)。 - Pinの型:1) 図解サマリー(縦長2:3) 2) チェックリスト 3) 手順ステップ 4) 比較表 5) 動画/Idea Pin(ティザー)。テンプレ:E-15。
- メタ情報:タイトルは主要KW+ベネフィット、説明は関連KWを自然文で。代替テキストも記入。
- リンク先:必ずUTMを付与し、LP/ブログのファーストビューで一致(例:図解の1枚目=LPの見出し)。
- 投稿頻度:新規Pin 3–5/週+既存Pinのリライト再掲1–2/週。
- KPI:インプレッション→保存率→外部クリック率(定義&ベンチ:N-19N-22)。
3) note運用(無料→有料→会員の三層で収益化)
- 階層化:
- ペイウォール設計:本文の30–40%で価値を実感→「続きは有料」で手順・計算シート・チェックリストを開放。
- 価格の目安:単発1,000–2,500円/月額980–1,480円(起点)。特典:テンプレ×限定ライブを同梱(価格設計表:E-13)。
- KPI:PV→無料→有料転換率→ARPPU→継続率→チャーン(定義:N-20N-22)。
4) クリエイティブと権利(再利用を前提に)
- Pinterest:縦長2:3(例:1000×1500)、文字は先頭に結論3–6語、背景は高コントラスト。
- note:図表は独自作成+引用は出典明記、UGC/他媒体の二次利用は同意取得(権利チェック:N-21)。
- 再利用フロー:
IGカルーセル→Pinterest図解→note詳細→LINE特典配布
をE-14/E-12の台帳で自動連携。
5) 検索×SNSのハイブリッド施策
- キーワード地図:Pinterestのボード=カテゴリ、noteのタグ=ミドル/ロングテールで整合(設計:E-14E-12)。
- 内部リンク:note本文の章末に関連Pin/ボード、ブログ側は関連記事下にPin埋め込みで回遊を作る。
- インフル連携:クリエイターPinの広告転用許諾→Spark型の再配信(運用:E-15)。
6) 運用リズム(WBR×棚卸し)
- 週次:Pinterestの保存率Top/Bottom3とnoteのCVRTop/Bottom3を棚卸し→見出し・サムネ・1枚目を改善。
- 月次:
テーマ×フォーマット×導線
でスコアカード更新(雛形:E-14E-12)。 - 停止基準:Pinterest外部CTR<0.5%/月 または note有料CVR<3%/月が2か月継続→題材/ペイウォール位置を再設計(指標表:N-19N-20)。
関連リソース:Pinterest設計/Pinテンプレ/note有料/会員テンプレ/note価格設計/Pinterest指標/note収益KPI/権利/引用ガイド/アナリティクス定義
H2-10|◎SNS広告の比較・最適化(CPA/学習/ターゲティング)
結論:SNS広告は「目的×学習の安定×ターゲティングの拡張性×クリエイティブ適合」で面を作ると、CPAとスケールの両立ができます。媒体間の“強みと限界”を踏まえ、テスト→学習安定→拡張を三段で設計しましょう(設計テンプレ:E-01/予算配分と入札:E-02/オーディエンス設計:E-03/測定・実験デザイン:E-04)。評価指標は、前章のN-08(TikTok)・N-11(X)の定義にも揃えます。
1) 媒体別の強みと限界(ざっくり比較)
- Instagram/Meta:学習が安定しやすくbroad×クリエイティブ勝負でCPAを下げやすい。限界=細かな興味関心は効きづらい場面も(→CAPI/イベント品質で補強)。
- TikTok:短期到達×動画適合が強み。初速は出るが完視聴率と商品整合が弱いと離脱しやすい(N-08の順で評価)。
- X:会話文脈での想起→遷移が取りやすい。限界=CV最適は揺れやすいのでスレッド資産×リマーケで底上げ(N-11準拠)。
- LINE広告:友だち追加/CRM接続が強い。限界=純新規の広範囲拡散は相対的に弱め(セグメント配信で深掘り)。
2) キャンペーン構造(テスト→学習→拡張)
- Phase A:クリエイティブ・サンドボックス(1–2週)
目的は指標の粗選別。Meta=トラフィック/エンゲ、TikTok=動画視聴/クリック、X=サイト訪問。
ABOで広告セットを分離、1訴求=3–5クリエイティブ、重複配信を避ける(設計表:E-01)。 - Phase B:学習安定(2–4週)
目的はCPAの底固め。CBOで勝ち広告セットに集約、日次CVシグナル二桁を確保。
入札は最低費用→Cost Cap(目標CPA)へ切替、イベントは購入/申込の一次指標に固定(配分ルール:E-02)。 - Phase C:拡張
Lookalike/類似→broadへ段階拡張。地域/年齢/デバイスを緩める順で。
予算は日次+20〜30%の段階増に限定(急増は学習崩壊)。(拡張手順:E-02)
3) ターゲティング設計(“絞る”より“学習させる”)
- 優先順:
CRM/購入者類似 > 自社サイト訪問/動画視聴リマーケ > broad(性年齢のみ)
。 - TikTokは視聴維持×クリックで温度を作り、商品ページ到達にリマーケ。
- Xはスレッド読了・詳細表示・プロフィール到達をリマーケ種に(定義はN-11)。
- 排除設計:既購入・長期滞在・LINE友だちは除外でCPA改善(オーディエンス台帳:E-03)。
4) クリエイティブ最適化(媒体適合×量産)
- 原則:
Hook → 価値 → 証拠(実演/数値/比較) → CTA
を全媒体で共通言語化(台本:E-01)。 - 媒体適合:
- 量産運用:週次で勝ちフック×訴求×CTAをタグ化し、負け要因(初速/CTR/CVR)を切り分け(評価フレーム:E-04)。
5) 学習を壊さない運用(よくある失敗の回避)
- 日予算の急増(+50%以上)→学習がリセット。+20〜30%刻みで。
- 広告セット乱立→CVシグナルが分散。1目的=少数精鋭へ。
- イベントの多重最適(購入とカートを混在)→一次指標を固定。
- 創造的疲労の放置→頻度・CTR低下・CVR低下の3点同時劣化で判定(しきい値管理:E-04)。
6) 予算・入札・配分の実務(CPA直結ポイント)
- 起点:想定CPAの3–5倍/日で学習を確保(低すぎると最適化不能)。
- 入札:段階的に最低費用→Cost Cap/Target CPA→Min ROAS(媒体と目的で使い分け:E-02)。
- 配分:
認知:誘導:獲得=40:30:30
で開始→獲得面のCVR×CPAで再配分(媒体横断シート:E-02)。
7) 測定・インクリメンタリティ(“本当に効いたか”)
- 見る順番:
到達→視聴維持/エンゲ→クリック→LP品質→CV/CPA→LTV
。 - 窓合わせ:媒体管理画面とGA/計測基盤でアトリビューション窓を合わせて比較(実験設計:E-04)。
- インクリメンタリティ:可能なら地域/期間のPSAテストやHoldoutで純増を推定。
- サーバーサイド:CAPI/Conversions APIでシグナル欠損を補う(設定表:E-01)。
関連リソース:広告設計テンプレ/予算配分・入札ルール/オーディエンス台帳/測定・実験デザイン/TikTok指標定義/X指標定義
H2-11|◎クリエイティブ設計と○UGC活性化
結論:勝てるクリエイティブは「Hook→Value→Evidence→CTA」を一貫言語化し、UGC(ユーザー生成コンテンツ)で社会的証明を継続的に補強します。SNSマーケティングの各チャネル(Instagram/TikTok/X/LINE)で“型×検証×再利用”を週次の仕組みに落とし込みましょう(フック集:E-36/台本テンプレ:E-37/レビュー基準:N-23/UGC権利ガイド:N-24)。
1) 汎用クリエイティブ骨子(全媒体共通)
- Hook(0–3秒/1枚目):数字・結果先出し・逆説・問いかけ(例:「30日でCVR+28%:やったことは3つだけ」)。参照:E-36
- Value(価値):手順は名詞化(例:計測→訴求→フォーマット→CTA→再配分)。
- Evidence(証拠):実演/比較/数値/レビュー引用。
- CTA:保存/プロフィール到達/LINE追加/資料DLなど、目的別に1つへ絞る。
台本は共通テンプレに直接記入し、媒体適合だけ差し替え(テンプレ:E-37)。
2) 目的別の“型”と作例(認知/好意/行動)
- 認知:結果先出しのBefore→After、FAQ爆速回答(ショートQ&A)。
- 好意:ケース→学び→チェックリスト(カルーセル)/「よくある失敗→修正」。
- 行動:比較表+限定オファー、ストーリーズのリンクスタンプ→LINE特典。
各型の見出し・冒頭文はE-36から流用、本文はE-37に沿って時短制作。
3) 量×質を両立する制作運用(N-23準拠)
- RACIとチェックリストで主観を排除(レビュー基準:N-23)。
- 週次テーブル:
訴求×フック×フォーマット
をタグ化し、負け要因(初速/CTR/CVR)を特定。 - 差し戻し基準:Hookが利益を言っていない/1メッセージ1投稿が崩れている/一次情報不足/権利同意未取得(→N-24)。
4) UGC誘発フレーム(自然発生を“設計”する)
- ハッシュタグ・ブリーフ:
#あなたの○○手順 を教えて
の参加意図が明確なコピー+参考例1枚。 - 参加の敷居を下げる:ストーリーズ質問/クイズ/スライダー→翌週カルーセルで回答を掲載。
- レシピ化:
撮る→書く→送る
の3ステップを提示、テンプレ画像/台本を配布(E-37の簡易版)。 - インセンティブ:特典は「採用=プロフィール掲載/限定テンプレ配布」など非金銭中心。
- クロス投稿:TikTokのデュエット/ステッチ、Xの引用を許容する表現ルールを明記。
5) UGCの取得・再利用ルール(N-24)
- 同意:投稿時の明示同意or DMでの書面/フォーム同意(未成年は保護者同意)。
- 表記:クレジット(@ID)/改変の有無/広告転用可否。
- NG:薬機・景表・誇大表現、機微情報の露出。修正依頼と撤回窓口を記載。
- 保管:スクショ+公開URL+同意証跡を台帳管理(保管期限・利用範囲を明文化)。
6) 広告へのUGC転用(効率よく“勝ち型”を拡張)
- Instagram/Meta:パートナーシップ広告でソーシャルプルーフを保持。
- TikTok:Spark Adsで投稿資産を配信、コメント欄の会話も評価。
- X:引用スレッドを図解/GIFへ再編集→サイト訪問最適化で誘導。
台本はE-37で一元管理、冒頭3秒はE-36の勝ちフックを差し替え。
7) 測定KPI(クリエイティブ&UGC)
- クリエイティブ:初速ER/3秒視聴率(動画)/保存率(IG)/リンクCTR/CV/CPA。
- UGC:投稿数/参加率(閲覧→UGC)/採用率/UGC起点セッション/UGC起点CV。
- 健全性:ネガ/通報/ブロック率。週次WBRでTop/Bottom3を棚卸し。
関連リソース:フック集/台本テンプレ/レビュー基準/UGC権利ガイド
H2-12|測定・ダッシュボード・◎PDCA
結論:成果は「定義をそろえる→一枚で見える→意思決定に直結」の順で伸びます。SNSマーケティングの指標は、N-28(指標定義)で統一→N-29(ダッシュボード雛形)で可視化→N-30(PDCA手順)で毎週の改善に落とし込みましょう(データ設計と連携台帳はE-05)。
1) 指標定義の標準(N-28を“唯一の真実”に)
- 命名規則:
[面]-[目的]-[指標]-[期間]
例:IG-認知-保存率-7D
- 基本指標:到達/保存率/完視聴率/プロフィール到達率/リンクCTR/CV/CPA/LTV/ブロック率
- 計算式の例:保存率=保存数÷到達/プロフィール到達率=プロフィール到達÷投稿表示/CPA=広告費÷CV
全チャネル共通の定義表・単位・小数点をN-28でロック。変更履歴は必ず追記。
2) 計測・取得フロー(欠損を作らない)
- UTM規約:
utm_source(ig/tiktok/x/line)×utm_medium(organic/paid)×utm_campaign(YYYYMM_施策名)
(台帳:E-05)。 - イベント設計:
view_content / add_to_cart / purchase / line_add
を一次指標に固定。 - 同期:媒体→集計表→ダッシュボードの更新スケジュールを日次/週次で明記。
- サーバーサイド:可能ならCAPIで欠損補完(設定チェックはE-05)。
3) ダッシュボード構成(N-29の一枚図を採用)
- 全体KGI/KPI:月間売上・新規CV・CPA・LTV。前月比/前年同月比の信号(↑→↓)を表示。
- チャネル別KPI(IG/TikTok/X/LINE):到達→保存/完視聴→プロフィール到達→CTR→CVのファネル棒。
- クリエイティブ別スコアカード:フック/型/CTA×
初速ER・保存率・CTR・CVR・CPA
。Top/Bottom3を自動抽出。 - 健全性/ブランドセーフティ:ブロック率・通報率・ネガ語比率・返信SLA達成率。
- アクションキュー:「今週やめる/増やす/試す」施策リスト(担当/期限/期待効果)。
4) 週次WBR(Weekly Business Review)の運用(N-30)
- 固定アジェンダ(45–60分):KGIギャップ→クリエイティブ回顧→施策決定(やめる2/増やす2/試す2)。
- 判断ルール:到達不足=本数/面/予算/CTR不足=サムネ・1枚目・フック/CVR不足=プロフィール→LP整合・オファー/UI。
- SLA:決定事項は24時間以内にカレンダーへ反映(台帳:E-05)。
5) 月次MPR(Monthly Performance Review)
- 目的:四半期KGIに対する戦略仮説の見直し。
- 分析軸:
テーマ×フォーマット×チャネル×オーディエンス
の4次元ピボット。 - 意思決定:予算配分の更新、勝ち筋の広告転用、停止基準の適用(N-30の決裁フロー)。
6) PDCAの型(N-30の“8つの質問”に答える)
- 何が起きた?(KGI/KPIの差)
- どこで落ちた?(到達/CTR/CVR/ブロック率)
- なぜ?(仮説=フック/フォーマット/導線/オファー)
- 何をやめる?(効果下位の型/面)
- 何を増やす?(勝ち型×オーディエンス)
- 何を試す?(1変数だけ変えるA/B)
- いつやる?誰がやる?(RACIと期限)
- どう検証する?(期間・母数・採否基準)
テンプレ/議事録はN-30に追記、再現性を担保。
7) アラート&しきい値(“早く気づく”ための目安)
- 到達:前週比 −30% で黄色、−50% で赤。
- CTR:基準比 −20% で黄色。
- CVR:基準比 −15% で黄色。
- ブロック率:0.5%/配信 超で黄色、1.0%/配信 超で赤。
しきい値は自社ベースライン×四半期更新(定義はN-28)。
関連リソース:データ/連携台帳/指標定義/ダッシュボード雛形/PDCA手順
H2-13|炎上対策・コンプライアンス・リスニング
結論:炎上は“偶発”ではなく“管理可能な事業リスク”。SNSマーケティングでも「リスクマップ→常時リスニング→初動60分→是正と学び」を標準化すれば、被害を最小化し信頼を積み増せます(初動テンプレ:E-40/謝罪・訂正テンプレ:E-41/ポリシー基準:N-31/監視キーワード&アラート:N-32/法令・表記ガイド:N-33)。
1) リスクマップ(N-31準拠)
- カテゴリ:差別・人権/誤情報・虚偽表示/著作権・肖像権/薬機・景表/青少年・危険行為/ステマ・広告表記/個人情報・プライバシー。
- レベル(L1〜L4)と対応SLA:L1=観測のみ(24h内整理)/L2=説明・訂正(8h)/L3=謝罪・再発防止(4h)/L4=停止・第三者調査(即時)。基準はN-31の行動表で固定。
2) ソーシャルリスニング運用(N-32)
- 監視語:ブランド/商品名、略称、役員名、競合+「最悪/危険/返金/炎上/虚偽」等の否定語スロット。
- 閾値:否定的言及の24h増分が平常比+200%または拡散源の影響度(フォロワー×ER)>しきい値で黄色、+400%で赤。
- 体制:当番制で1日3回の手動確認+自動アラート(ダッシュボード雛形・語彙リストはN-32)。
3) 初動60分の型(E-40)
- 事実:一次情報の収集(担当・時刻・媒体・URL・スクショ保存)。
- 評価:レベル判定(L1–L4)と想定影響(到達・媒体・法令関連)。
- 暫定対応:公開継続/一時停止(限定公開)/該当文言の注記。
- 一次声明(最短300字):事実→謝意/お詫び→調査範囲→次報時刻(テンプレはE-40)。
- ステークホルダー連絡:経営/法務/CS/代理店/パートナーへ同報。
4) 公式対応文の作法(E-41)
- NG:断定的否定/責任転嫁/感情的言辞。
- 必須要素:事実関係/不備の認識/再発防止策の予告/問い合わせ窓口。
- 媒体別:Xは固定ポスト+スレッド、IGはストーリーズ→ハイライト、サイトはお知らせに時刻入りで掲載(文例はE-41)。
5) 法令・表記・広告表示(N-33)
- PR表記:タイアップ/アフィリエイトは#PR/#広告等を視認性の高い位置に。
- 薬機/景表:比較主張は根拠資料の保管必須。最上級表現(世界一/完全)は避ける。
- 権利:UGC二次利用は書面/フォームで同意を取得(ID・日付・用途・期間)。詳細基準はN-33。
6) モデレーション&予約投稿のガードレール
- コメント方針:罵倒/差別/個人情報は削除基準に該当(基準表:N-31)。
- 予約停止トリガー:社内外インシデント・災害発生時は全媒体一時停止(判断は編集長/広報がA)。
- 二重承認:高感度テーマは法務レビュー必須、予約は二重認証で事故防止。
7) インフルエンサー/パートナー運用
- ブリーフ:禁止表現・PR表記・確認フローを契約書の別紙で明文化(雛形E-41)。
- 監視:公開後24hはコメント・引用の健全性を確認、問題発生時の共同声明手順を事前合意。
8) 事後レビュー(学びを資産化)
関連リソース:初動テンプレ/謝罪・訂正テンプレ/ポリシー&レベル基準/監視キーワード&閾値/法令・広告表記ガイド
H2-14|体制構築・外注・API連携(運用を“仕組み化”する)
結論:成果が安定するチームは、役割(人)×プロセス(型)×自動化(API)を同時に整えています。SNSマーケティングを“属人芸”から卒業させるために、体制・委託・連携をひとつの設計図に落とし込みましょう(体制と権限:E-06/連携・データ台帳:E-05/レビュー基準:N-23/API/Conversions連携:N-18/運用カレンダー:E-32)。
1) 体制オプション(内製/ハイブリッド/外注)
- 内製:ナレッジが資産化。採用・教育のコストが課題。
- ハイブリッド:編集・戦略は内製、制作や広告運用は委託。最も汎用的(役割定義はE-06)。
- 外注集中:立ち上げ〜短期拡張に強いが、KPI/KGI管理を内側に残すのが必須。
2) 権限・SLA・BCP(止めないための土台)
- 権限:主要アカウントは二段階認証+権限分離(作成≠承認)。資産(広告アカ/ピクセル)の所有者を明記(E-06)。
- SLA:通常問い合わせ24h、炎上/緊急は60分以内(H2-13運用に連動)。
- BCP:担当不在時の代理承認フロー/パスワード管理/復旧手順を台帳に(E-05)。
3) 外注設計(ブリーフ→KPI→検収)
- ブリーフ:目的/KPI/ターゲット/NG表現/トーン&例示/素材の在庫。チェックリストはN-23準拠。
- KPI:制作=初速ER・保存率、広告=CTR・CPA、CRM=既読率・ブロック率。
- 検収:
納品→レビュー→修正→採否
をE-32のカンバンで管理。UGCや二次利用は同意証跡をN-24で統一。 - レポート:週次は面×訴求×型、月次は予算×CPA×学習状態(レポ構成はE-05の台帳と揃える)。
4) 採用とオンボーディング(30–60–90日プラン)
- 30日:ガイド読了(E-06/E-32/N-23)→小タスク実行→レビュー合格80点。
- 60日:1チャネルのWBR主担当、勝ち型の再現。
- 90日:2チャネル目に拡張/PDCA(N-30)を自走、ダッシュボード更新の自動化提案。
5) API/データ連携のロードマップ(N-18)
- 計測の正規化:UTM規約・イベント定義(E-05)。
- CAPI/Conversions:Meta/TikTok/X/LINEのサーバーサイド送信を導入(N-18)。
- Webhook/通知:保存率やブロック率のしきい値でSlack通知。
- CRM/MA連携:LINEタグ→CRMセグメント→再配信を自動。
- ダッシュボード:N-29構成で自動更新、WBR用のTop/Bottom抽出をスクリプト化。
6) 自動化と品質の両立
7) コスト管理とROI
- 配分:
人件費:制作:広告=3:2:5
を起点に、獲得面のCVR×CPAで再配分。 - ベンダー評価:四半期でKPI達成度×再現性×改善提案を5段階採点、継続/改善/交代を決定。
- 契約:著作権/二次利用/広告転用の条項を別紙で明文化(雛形はN-24参照)。
関連リソース:体制と権限/連携・データ台帳/運用カレンダー/レビュー基準/API/Conversions連携/PDCA手順