妻と2人の子どもが寝静まった深夜、あるいは往復3時間の通勤電車の中。眠い目をこすりながらスマホでdodaのアプリを開き、担当者から送られてきた大量の求人メールを見てため息をつく。
「この担当者、なんか微妙に話が通じないんだよな……」
希望条件を伝えたはずなのに、見当違いの求人ばかりが届く。
ひょっとしてハズレの担当を引いちゃった? それとも、ただ自分の市場価値が低すぎるだけ?
こんな違和感を抱えたまま、誰にも相談できずにモヤモヤを募らせていないだろうか。
わかる。痛いほどわかる。
私もかつて、現状の理不尽な働き方から抜け出したくてエージェントに登録したものの、的を外れた求人の山に埋もれて「結局、自分のキャリアなんて誰にもわかってもらえないんだ」と絶望した経験があるからだ。
でも安心してほしい。担当者との間に「ズレ」を感じるのは、あなたが神経質だからでも、市場価値がないからでもない。
転職エージェントの担当者も、結局は我々と同じ「会社員」。
どうしても人と人との相性や、向こうの得意・不得意によるムラが出るのは避けられない現実。
ここで重要なのは、「ハズレだ!」と感情的に切り捨てることではなく、あなたの転職の主導権を相手に握らせないことだ。
今回は、担当者への違和感にモヤモヤしているあなたへ、会社員として泥臭く生き残るための「賢いエージェントの使い倒し方」と「見切るべきタイミング」を本音ベースで共有していく。
dodaは担当者によって「合う・合わない」が出ることはある
エージェントの担当者に対して、「プロなんだから完璧に自分を理解して、最高の求人を持ってきてくれるはず」と期待してしまう気持ち。すごくよくわかる。人生がかかっているのだから当然だ。
でも現実は、そこまで甘くない。
転職支援は人が介在するため相性差が出やすい
相手は「転職の神様」ではなく、目標数値を抱え、上司に詰められ、日々大量の求職者をさばいている「普通の会社員」。
そう考えれば、話し方のテンポや価値観、物事の捉え方に「合う・合わない」の相性差が出るのは当たり前のことだ。
私自身、「なんでこんなに高圧的なんだ?」とイライラしたこともあれば、「優しすぎるけど、頼りないな」と不安になったこともある。
AIではなく人が人を支援する仕組みである以上、ガチャのような要素がゼロになることはない。綺麗事抜きにして、それが現実だ。
「当たり外れ」というより得意分野や進め方の違いもある
ただ、これを単純に「当たり」「ハズレ」と切り捨てるのは少しもったいない。
担当者によって、IT業界に強い人もいれば、メーカー系に顔が利く人もいる。
「とにかく数を出して選択肢を広げる」というスピード重視のタイプもいれば、「じっくり経歴を深掘りして数件だけ提案する」タイプもいる。
あなたが今「見当違いだ」と感じている提案も、実は相手が一番得意とする「必勝パターン」にあなたを当てはめようとしているだけ、というケースは意外と多い。悪気があるわけではなく、単にやり方が噛み合っていないだけなのだ。
1回の求人ミスマッチだけで判断しなくていい
ここで絶対にやってはいけない失敗がある。
過去の私のように「希望と違う!この担当はダメだ!」と、最初の1〜2回の提案だけで完全に見限ってしまうことだ。
まだお互いの認識がすり合っていない初期段階では、求人がズレるのはある意味でデフォルト。
ここで見るべきは、「この人は自分に完璧に合うか?」ではなく、「ズレを指摘したら、次回から修正してくれる人か?」という点だ。
この見極めを飛ばして担当変更ばかり繰り返していると、誰に担当してもらっても一生「ハズレだ」と嘆き続けることになってしまう。
こんな状態が続くなら担当者が合っていない可能性がある
とはいえ、「すり合わせの努力」にも限界はある。
こちらの意図を何度伝えても軌道修正されない場合、それは単なる相性以前に、サポートのスタンスが致命的に合っていないサイン。
以下のような状態が続くなら、我慢せずに見切りをつける準備を始めたほうがいい。
希望条件を伝えてもズレた求人が何度も届く
「転勤なしって言ったのに、全国転勤ありの求人ばかり」「開発をやりたいのに、なぜか営業ばかり勧められる」。
一度ならともかく、理由を添えて修正をお願いしたのに、また同じような求人が送られてくる。
これは、あなたの希望よりも「自分が紹介しやすい求人(受かりやすい、あるいは急募の案件)」を機械的に投げ込んでいる可能性が高い。会社員としての彼らの事情は察するが、それにあなたの人生を付き合わせる義理はない。
(※希望と違う求人が届き続ける背景や対処法については、別記事「dodaの担当者セレクトが合わないのはなぜ?希望と違う求人ばかり届く理由と対処法」も参考にしてほしい)
経歴やスキルを理解していないと感じる
面談で散々苦労話や実務の詳細を話したはずなのに、職務経歴書に書かれている表面的なキーワードだけを拾って求人を持ってくる担当者。
「私のこれまでの経験だと、この業務はできないと思うんですが……」と指摘しても、「でも〇〇の経験がありますよね?」とトンチンカンな返しが来る。
この状態で無理やり選考に進んでも、面接でミスマッチが起きてあなたが疲弊するだけだ。通勤と業務で削られた貴重な体力を、無駄な面接で消耗してはいけない。
求人を紹介した理由を説明してくれない
「なぜこの求人を、私に勧めるんですか?」
このシンプルな質問に対する答えで、担当者の力量は丸裸になる。
「あなたの〇〇という経験が、この企業の抱える課題解決に直結するからです」と明確なストーリーを語れるなら本物。
逆に「人気企業だから」「年収が上がりそうだから」「とりあえず受けてみましょう」といった浅い理由しか出てこない場合、あなたのキャリアを真剣に考えているとは言い難い。
応募数を増やすことばかり求められる
「とりあえず20社は応募しましょう!」「数撃ちゃ当たります!」
……いやいや、こっちは毎日ヘトヘトになりながら働いてるんだよ。手当たり次第に面接へ行ける時間も体力もない。
そんなこちらの本音や生活状況を無視して、ひたすら応募ボタンを押させようとする担当者は要注意だ。
厳しい言い方になるが、彼らは「あなたの転職成功」よりも「自分の応募獲得ノルマ」を優先して追っている可能性が高い。
質問への回答が曖昧・企業情報が浅い
「この企業の残業の実態ってどうですか?」「実際の社風は?」と、求人票に書かれていないリアルな部分を踏み込んで質問したとき。
「求人票には20時間とありますね」「風通しが良いそうです」と、ネットを見れば誰でもわかる情報しか返してこない。
エージェントを使う最大のメリットは、表に出ていない生の情報や裏事情を取りに行くことだ。それができないなら、わざわざエージェントを間に挟んで煩わしいやり取りをする意味がない。
希望する連絡方法や頻度を尊重してくれない
「平日の日中は仕事で電話に出られないので、原則メールでお願いします」
そう事前に伝えているのに、平気で昼休みに着信を残し、「至急折り返しをお願いします」と急かしてくる。
転職活動はただでさえ孤独で、今の会社にバレないようにと気を揉むストレスのかかる戦いだ。
こちらの生活リズムやペースを尊重してくれない相手と無理に並走するのは、精神的な消耗が大きすぎる。自分のメンタルを守るためにも、ここはシビアに判断していい。
逆に、すぐ担当変更しなくてもいいケース
「なんだこの求人は。全然話聞いてないじゃん!」とスマホを放り投げたくなる気持ちは、痛いほどわかる。
でも、ちょっとだけ待ってほしい。
私も過去、「こんな奴に人生任せられるか!」と反射的に担当変更ボタンを連打して、結果的に次の担当者とまたイチから関係構築をやり直すハメになり、激しく後悔したことがある。貴重な休日が、不毛な自己紹介のループで溶けていったあの絶望感。
エージェントの担当者も人間だ。エスパーではない。
実は「担当者がハズレだった」のではなく、「ただのコミュニケーション不足」だったというケースは山ほどある。以下に当てはまるなら、まだ見切るには早い。
最初の1〜2件だけ求人がズレた
面談直後に送られてきた初回の求人リスト。これを見て「全然希望と違う!」と絶望するのは、実はエージェントの「あるある」だ。
彼らからすれば、最初の数件は「テストマーケティング」のようなもの。
「あなたの経歴なら、まずはこの辺りの層を狙えると思いますが、感触はどうですか?」という観測気球を上げている状態なのだ。
ここで服の仕立て屋のように一発でジャストサイズのスーツを出してくる担当者など、滅多にいない。最初の1、2回のズレは「すり合わせのための必要なプロセス」と割り切っていい。
自分の希望条件がまだ整理できていない
胸に手を当てて、少しだけ振り返ってみてほしい。
「給料は今より高くて、残業少なめで、リモートワークができて、人間関係がいいところがいいです」
こんなフワッとした希望を投げていないだろうか。
厳しいことを言うようだが、あなたがボールを曖昧に投げれば、向こうからも曖昧なボールしか返ってこない。鏡と同じだ。
「自分でも何が優先か分かっていない状態」で提案された求人がピンとこないのは、ある意味で当然。これは担当者のせいではなく、あなた自身の「要件定義」が甘いことが原因かもしれない。
希望条件を伝え直したら改善した
「この求人は〇〇の理由で希望と違います。次は△△の軸で探してもらえませんか?」
こうやって具体的にフィードバックを返した結果、次から送られてくる求人の精度がグッと上がった。
これなら、その担当者は絶対に「アタリ」だ。手放してはいけない。
あなたの意図を正しく汲み取り、自分の検索条件をチューニングできる「聞く耳と修正力」を持っている証拠だからだ。ビジネスパーソンとして、これほど信頼できるパートナーはいない。
質問すれば求人を選んだ理由を説明してくれる
一見すると「なぜこの業界?」と首を傾げるような求人でも、「なぜこれを選んだんですか?」と聞いたときに、納得のいく答えが返ってくるなら大丈夫。
「今の業界は先細りですが、あなたの〇〇という強みは、実はこの成長業界のこの職種で喉から手が出るほど欲しがられているんです。年収アップを狙うならここもアリですよ」
こんな風に、自分では気づけなかった「市場価値のズラし方」を提案してくれる担当者は超優秀だ。ただ御用聞きのように希望通りの求人を出してくる人より、よっぽどあなたのキャリアを真剣に考えてくれている。
担当変更を考える前に一度やっておきたいこと
「なるほど、すり合わせが大事なのはわかった。でも、具体的にどう動かせばいいんだ?」
そう、ここからが会社員の腕の見せ所。
我々が普段、社内でポンコツな上司や別部署と仕事を進めるとき、どうやって相手をコントロールしているか。それをそのままエージェント相手にやればいいのだ。
担当変更という「最終カード」を切る前に、以下の4つを試してみてほしい。
希望条件を「絶対条件」と「妥協可能条件」に整理する
まずは、あなたの頭の中にある希望を「MUST(絶対条件)」と「WANT(妥協可能条件)」に切り分けること。
・絶対条件:これがないなら転職する意味がない(例:年収〇万円以上、転勤なし)
・妥協可能条件:できれば叶えたいが、絶対ではない(例:業界、企業規模、リモート頻度)
例えば、「年収〇万円以上は絶対に譲れませんが、業界は幅広く検討できます」と伝えれば、担当者の動き方は劇的に変わる。彼らが一番困るのは「全部大事です」と言われることだ。条件に優先順位をつけるだけで、的外れな求人は激減する。
合わない求人の理由を具体的に伝える
大量に送られてくる的外れな求人。スルーしたくなる気持ちはわかるが、ここはグッと堪えてフィードバックを返そう。
「この求人は見送ります」ではなく、
「開発職ではなく、CRM・デジタルマーケティング職を優先したいため、今回の求人は見送ります」と「理由」を添えるのだ。
相手のAIや思考回路に「この人はこういう条件を嫌がるんだな」という学習データを食わせるイメージ。これを2〜3回繰り返せば、普通のエージェントなら徐々に的を射た提案になってくる。
連絡手段・頻度の希望を明確に伝える
もし「電話がウザい」とイライラしているなら、ルールをこちらで設定してしまえばいい。
「現在、日中は業務で立て込んでおり電話対応が難しいため、原則メールでご連絡いただけると助かります。緊急時のみ〇時以降にお願いします」
これを明文化して送る。
会社員として、相手の連絡手段をコントロールするのは基本中の基本だ。これでルールを守ってくれるなら問題ないし、もしこれを無視して日中に着信を残しまくるようなら、その時こそ「私の状況を理解する気がない」と判断して担当変更を突きつければいい。
今後紹介してほしい求人の例を出す
言葉で条件を伝えるのが難しいなら、「実例」を出すのが一番早い。
「以前送っていただいた〇〇社のような、自社開発メインの求人を中心に探してほしいです」
「dodaのサイトで自分で見つけた△△社のような求人に興味があります」
具体的な企業名や職種名を出すことで、担当者とあなたの頭の中にある「イメージの解像度」が一気に合う。相手も「なるほど、こういう系統ね」と検索のピントを合わせやすくなるはずだ。
これら4つの「すり合わせ」をしっかり行ったか。
それでもダメなら、いよいよ遠慮なく担当変更のカードを切るタイミングだ。
dodaの担当者は変更できる?変更時に伝えたいこと
「すり合わせもした。希望も具体的に伝えた。でも、やっぱりこの人とは合わない……」
ここまでやってダメなら、迷うことはない。担当者を変更しよう。
dodaにおいて、担当キャリアアドバイザーの変更はシステムとして公式に認められている権利だ。何も遠慮することはない。
ただ、ここで一つだけ注意してほしいことがある。
それは「怒りに任せてクレーマーにならないこと」だ。
担当変更は「相性改善」のために考えてよい
会社で他部署に仕事の依頼をするとき、相手の担当者がポンコツだったとする。
「あいつは使えないから担当を変えろ!」と怒鳴り込むのと、
「現在のプロジェクトの性質上、より〇〇の領域に詳しい方にサポートに入っていただきたいのですが」と相談ベースで打診するの。
どちらがその後の仕事がスムーズに進むかは、火を見るより明らかだろう。
転職エージェントも全く同じだ。
担当変更は「前の担当者への罰」ではなく、あくまで「あなたの転職活動を円滑に進めるための相性改善」というポジティブな目的で行うべきだ。
感情的な批判より「希望する支援」を伝える
変更を依頼する際、「全然話を聞いてくれない」「態度が悪い」「使えない」といった人格否定や感情的な批判はグッと飲み込もう。
エージェント側も組織だ。クレーマー気質の求職者だと思われれば、「じゃあ、うちでは支援が難しいですね」と、フェードアウトされてしまうリスクがある。
伝えるべきは、「なぜ変更したいのか(事実)」と「次はどういう支援を求めているのか(要望)」の2点だけ。
ビジネスライクに、淡々と要件を伝えるのが正解だ。
担当変更を伝える文面例
実際に私が過去に使ったことのある、角が立たない変更依頼の文面例を置いておく。
そのままコピペして、自分の状況に合わせてアレンジして使ってほしい。
【担当変更依頼の文面例】
件名:担当キャリアアドバイザー変更のご相談(氏名)
doda 運営事務局 ご担当者様
(※担当者本人に送る場合は「〇〇様」)
いつも転職サポートでお世話になっております。
〇〇(自分の氏名)と申します。
現在、〇〇様に担当していただいており、熱心なサポートに感謝しております。
ただ、私の希望する「〇〇業界での自社開発求人」と、現在ご提案いただいている求人の方向性に少しズレを感じており、転職活動の進め方について悩んでおります。
私自身の希望の伝え方が至らなかった部分もあるかと思いますが、今後の転職活動をよりスムーズに進めるため、もし可能であれば、「〇〇業界の動向に詳しい方」あるいは「じっくりと経歴の棚卸しから伴走していただける方」に担当を変更していただくことはできないでしょうか。
お手数をおかけして大変恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。
引き続き、よろしくお願いいたします。
ポイントは「相手のサポートには感謝しつつ」「自分の伝え方にも非があったと謙遜し」「次に求める担当者の条件を明確にする」こと。
これなら相手の顔を潰すことなく、スムーズに意図が伝わるはずだ。
担当者本人に直接言いづらい場合の考え方
「こんな文面、今の担当者に直接メールするのは気まずすぎる……」
そう思う人も多いだろう。私も小心者なので、その気持ちは痛いほどわかる。
安心してほしい。dodaの場合、現在の担当者に直接「変えてください」と言わなくても変更できるルートが用意されている。
マイページ内の専用フォーム(担当キャリアアドバイザー変更のお申し込み窓口)や、総合窓口への問い合わせから申請が可能だ。
無理に直接対決をする必要はない。会社のシステムを賢く使って、淡々と事務手続きとして処理してしまおう。
担当変更すると転職活動で不利になる?
「でも、担当を変えたら『面倒くさい客』扱いされて、良い求人を回してもらえなくなるんじゃ……」
これも、真面目な会社員ほど陥りがちな不安だ。
結論から言うと、担当変更した「だけ」で、転職活動が決定的に不利になることはない。
変更しただけで「転職に不利」と決めつける必要はない
先ほども触れたように、エージェント側にとって「担当者と求職者のミスマッチ」は日常茶飯事だ。
「あ、この2人は合わなかったのね。じゃあ別の人をアサインしよう」
運営側からすれば、ただのパズルの一片を組み替える程度の出来事にすぎない。
むしろ、合わない担当者とズルズル付き合って、的外れな求人に応募し続けたり、選考対策が不十分なまま面接に突っ込んだりする方が、よっぽどあなたの転職活動にとって「不利(=致命傷)」になる。
ブラックリスト入りを恐れて、自分のキャリアを犠牲にする必要はまったくない。
応募中の求人がある場合は状況を確認する
ただし、実務的な面で一つだけリスク管理が必要なタイミングがある。
それは「すでに書類選考を通過して、面接が決まっている企業がある場合」だ。
担当者が変わるタイミングで、面接日程の調整や企業側とのやり取りの引き継ぎが漏れてしまうと、最悪の場合「面接ブッチ」のような状態になりかねない。
もし選考が進んでいる案件があるなら、変更依頼の際に「現在進行中の〇〇社の選考については、引き続き滞りなく進められるよう引き継ぎをお願いいたします」と一言添えておこう。
次の担当者に引き継ぎたい希望条件を整理しておく
担当者が変わるということは、ある意味で「リセットボタン」を押すことでもある。
社内でカルテのようなものは引き継がれるが、新しい担当者との関係構築はまたゼロからのスタートだ。
ここで「前の担当者にも言ったじゃないですか」と不満をぶつけるのはNG。
新しい担当者との初回面談までに、
「前の担当者の時は、ここが合わなくて上手くいかなかった」
「だから、あなたにはこういうサポートをしてほしい」
という要望を、改めて整理しておこう。
失敗を次に活かせるかどうか。ここが、転職活動の成否を分ける分水嶺になる。
担当変更後に見るべき3つのポイント
無事に担当変更の手続きが終わり、新しい担当者からの挨拶メールが届く。
「ふぅ、これで一安心。次はきっと優秀な人がついてくれるはずだ……」
気持ちはわかるが、ここで思考停止してはいけない。
厳しい現実を言うと、「担当を変えれば自動的にすべてが好転する」という甘い魔法はない。新しい担当者もまた、別の目標を抱えた一人の会社員にすぎないからだ。
ここで「やっぱりエージェントはダメだ」と投げ出さないために。
変更後の初回面談や、最初の数回のやり取りで、新しい担当者が「あなたにとっての正解」かどうかを見極める3つのポイントを押さえておこう。
求人の精度が改善したか
これが一番わかりやすい指標だ。
前の担当者の時にすり合わせた「絶対条件」と「妥協可能条件」、そして「前回はこういう理由でミスマッチだった」という引き継ぎ事項。
これが新しい担当者からの提案に、ちゃんと反映されているか。
初回の求人リストを見て、「おお、確かにこういう方向なら面接に行ってみたいかも」と思えるものがいくつか混ざっていれば、第一関門は突破だ。
逆に、前任者とまったく同じような(あるいはもっと的外れな)求人を機械的に送ってくるようなら、引き継ぎを読んでいないか、やはり「会社都合の求人」を押し付けるスタンスが変わっていない可能性が高い。
質問への回答や説明の質が上がったか
求人票に書かれていないリアルな情報を取りに行けるかどうかも、重要なチェックポイント。
「この企業、離職率が高そうに見えますが、実際はどうですか?」
「今回求めているポジションって、前任者が辞めたからですか? それとも増員ですか?」
こうした少し踏み込んだ質問に対して、「企業に確認してみますね」と動いてくれるか。あるいは「過去に私経由で入社した方の話だと……」と、エージェントならではの生の情報を提供してくれるか。
「求人票にはこう書いてあります」とネットの情報を読み上げるだけの「AI以下の回答」から脱却できているかを、シビアにジャッジしてほしい。
連絡方法・転職ペースを尊重してくれるか
「基本はメールで」「平日は〇時以降なら対応可能」というこちらのルールを、新しい担当者は守ってくれているだろうか。
また、「今月は現職の繁忙期なので、応募は少しペースダウンしたい」と伝えたときに、「わかりました、では来月に向けて今は情報収集だけに絞りましょう」と伴走してくれるか。それとも「いや、今応募しないと枠が埋まっちゃいますよ!」と急かしてくるか。
あなたの転職活動の主役は、あなた自身だ。
現職の疲れ果てた身体を奮い立たせて挑む戦いにおいて、あなたのペースを無視して自分のノルマに付き合わせようとする相手なら、容赦なく距離を置いていい。
担当変更しても改善しないならdodaだけにこだわらなくていい
さて、ここまで「すり合わせ」を頑張り、それでもダメなら「担当変更」というカードを切り、新しい担当者とのやり取りも検証してきた。
でも、もし。
「担当を変えても、やっぱり提案される求人に納得がいかない……」
「何度言っても、なんか話が噛み合わない……」
そんな壁にぶつかってしまったら。
ここで「自分の市場価値が低いからだ」と落ち込む必要はまったくない。
それは単に、「今のあなた」と「dodaというプラットフォームが持つ強み・保有求人」の相性が悪かっただけ、というケースが往々にしてあるからだ。
一つの会社(エージェント)にあなたの人生を依存する必要はない。
会社員がリスクヘッジをするように、転職活動も「分散投資」が基本だ。
自分でも求人を検索する
エージェントからの「担当者セレクト」を待つだけが転職活動ではない。
dodaは、自分自身で求人を検索して応募する「転職サイト」としての機能も非常に優れている。
通勤電車の中や、休日のちょっとした空き時間に、自分の足(指)で検索をかけてみる。
「あ、エージェントからは紹介されなかったけど、こんな面白そうな求人があるんだ」という発見は意外と多いものだ。
エージェントのフィルターを通さず、自分の直感と希望だけで市場を眺めてみることで、「自分にとって本当に外せない条件」が改めて見えてくることもある。
他社エージェントを併用する
スーパーに得意な生鮮食品があるように、エージェントにも「得意な業界」「強い企業規模」「年齢層のターゲット」といった明確な色がある。
dodaでうまくいかなくても、例えば「リクルートエージェント」なら圧倒的な求人数でカバーできるかもしれないし、「マイナビエージェント」なら20代〜30代の手厚いサポートに強みがあるかもしれない。あるいは、ITやWEBに特化した専門型のエージェントを使えば、嘘のように話が通じる担当者に出会える可能性もある。
エージェントを複数登録するのは、転職活動において決してマナー違反ではない。むしろ、2〜3社を並行して使い、一番自分に合う担当者を「こちらが選ぶ」スタンスで臨むのが、賢い会社員のサバイバル術だ。
企業への直接応募も選択肢にする
少しハードルは上がるかもしれないが、企業の採用ページから直接エントリーするという道もある。
エージェントを経由すると、企業側は採用時に年収の約3割という高額な紹介手数料をエージェントに支払う必要がある。
そのため、「手数料を払ってまでは採用したくないが、直接応募してくる熱意のある優秀な人なら採用したい」という、エージェントには出回らない「隠れ求人」が存在するのだ。
どうしても行きたい企業があるなら、エージェントの紹介を待つのではなく、直接ドアを叩く勇気も、転職活動の主導権を握るための重要なカードになる。
担当者セレクトで落ち続けているなら別の問題も確認する
ここまで「担当者との相性」や「見切りをつけるタイミング」について語ってきた。
しかし、もしあなたが「担当者が選んでくれた求人に応募しているのに、書類選考でことごとく落とされる」という壁にぶつかっているなら、少しだけ別の視点を持つ必要がある。
「こんなに落ちるなんて、やっぱりこの担当者がダメなんだ!」
そう言いたくなる気持ちは痛いほどわかる。だが、選考で落ち続ける原因は、必ずしも担当者の「当たり外れ」だけにあるとは限らないのだ。
もしかすると、あなたの職務経歴書が「企業の採用担当者に刺さる書き方」になっていないのかもしれない。
あるいは、あなたの現在のスキル感に対して、少しハードルの高い(競争率が激しい)求人ばかりを狙いすぎている可能性もある。
転職エージェントは、企業と求職者をマッチングさせるのが仕事だ。
しかし、最終的に合否を判断するのは「企業の採用担当者」である。担当者がどれだけ「この人は素晴らしいですよ」とプッシュしてくれても、書類の書き方が甘かったり、求める要件と経験が決定的にズレていれば、あっさり落とされてしまう。これが現実だ。
「じゃあ、自分の市場価値が低いってこと?」と落ち込む必要はない。
見せ方の工夫や、受ける層の少しの調整で、書類通過率は劇的に変わるからだ。
もし今、担当者セレクトの求人で落ち続けてモヤモヤしているなら、担当者を疑う前に一度「選考ルート特有の落とし穴」を確認してみてほしい。
この問題については、別の記事「dodaの担当者セレクトなのに落ちる?応募できない・社内選考で落とされる理由」でさらに深く、泥臭い対策を解説しているので、心当たりがある方はぜひ目を通してもらいたい。
まとめ|「良い担当者か」より「伝えた後に改善するか」で判断する
仕事に疲れ果てた深夜、スマホの画面に届く「的外れな求人リスト」を見て、ため息をつきたくなるあなたの気持ちは本当によくわかる。
「なんで私の希望が伝わらないんだろう」
「やっぱり、自分なんかには良い求人は来ないのかな」
そんな風に自信を無くしたり、逆に「この担当者はハズレだ!」と怒りを溜め込んだりするのは、今日で終わりにしよう。
エージェントの担当者も、日々のノルマに追われながら働く「ただの会社員」。
最初からあなたを100%理解し、完璧な求人だけを運んできてくれる「転職の神様」なんて、どこにも存在しない。
だからこそ、私たちが持つべき基準はシンプルだ。
「この人は、最初から完璧か?」ではなく、
「ズレを指摘したとき、次回から改善してくれるか?」
会社で別部署と仕事を進めるのと同じように、まずはあなたの「絶対条件」と「妥協できる条件」を整理し、具体的な希望を伝えてみる。
合わない求人には、「なぜ合わないのか」の理由をセットにして返す。
連絡の頻度や手段について、こちらのルールを明確に提示する。
ここまで泥臭く「すり合わせ」の努力をして、それでもなお会話が成立しない、一方的に求人を押し付けられると感じるなら。
その時はじめて、感情的にならず、ビジネスライクに「担当変更」というカードを静かに切ればいい。
そして、担当を変えてもうまくいかないなら、他のエージェントを使うのも、自分で直接企業に応募するのもあなたの自由だ。
忘れないでほしい。転職エージェントは、あくまであなたがより良い環境へ移るための「ただのツール」にすぎない。
彼らに遠慮する必要もなければ、振り回される必要も一切ない。
あなたのキャリアの主導権は、常にあなた自身の手の中にある。
往復3時間の通勤電車で消耗する毎日から抜け出すために。
完璧な誰かを探すのはやめて、あなた自身が手綱を握り、したたかにエージェントを使い倒してやろうじゃないか。