「サブネットマスク」
この言葉を聞いた瞬間、あなたの頭の中に「010101...」という数字の羅列が浮かんで、思わず身構えてしまう…。そんな経験はありませんか?
多くの教科書や参考書では、「IPアドレスとサブネットマスクの論理積(AND演算)をとることで、ネットワークアドレスが求められます」と解説されています。もちろん、それはコンピュータ内部で行われている、紛れもない事実です。
でも、考えてみてください。私たち人間が、試験という限られた時間の中で、コンピュータと同じ計算をする必要は本当にあるのでしょうか?
この記事が提案するのは、そんな常識を覆す、まったく新しいアプローチです。
それは、「サブネット計算は、計算にあらず。 "仕切り線" を見つけるパズルである」という考え方です。
この記事のゴールは、ただ解き方を解説することではありません。小難しい2進数の計算からあなたを完全に解放し、「ネットワーク全体の住所(ネットワークアドレス)」と「その中の個人の部屋番号(ホストアドレス)」が、一目でわかるようになる『直感』をあなたの中にインストールすることです。
応用情報技術者試験の合格はもちろん、その先のネットワーク技術の本質を掴むための第一歩。この記事を読み終える頃には、あなたはサブネットマスクの問題を「解く」のではなく、「見てわかる」ようになっているはずです。
さあ、一緒にネットワークの世界を、もっとシンプルに、もっと面白く探求していきましょう!
目次
1. イントロダクション:その苦手意識、「得意」に変えませんか?
応用情報技術者試験の分厚い問題冊子をめくる手。時間との勝負の中、あなたの目に飛び込んできたのは、見慣れたようで、少しだけ憂鬱になるあの問題。
「IPアドレス 172.16.10.130、サブネットマスク 255.255.255.192 のネットワークアドレスとして、正しいものはどれか」
(うわ、出た…)
多くの受験者が、ここで思考を一度ストップさせます。頭に浮かぶのは、2進数への変換、面倒な論理積(AND)計算、そして「1問にそんなに時間はかけられない!」という焦り。
たった一つの計算ミスが命取りになるプレッシャーの中で、果たして正確に、そして素早く正解を導き出せるだろうか…?
もし、あなたが今、少しでも「うん、わかる…」と頷いてくれたなら、この記事はあなたのためのものです。
安心してください。この記事を読み終える頃には、あなたはサブネットマスクの問題を、憂鬱な「計算問題」ではなく、胸のすくような「パズル問題」として捉えられるようになっています。
さあ、これまであなたを悩ませてきたその苦手意識を、ライバルに差をつける「得点源」に変える旅を始めましょう!
2. 結論ファースト:サブネットマスクを一言でいうと?
さっそく核心からいきましょう。これまであなたを悩ませてきたサブネットマスクの正体。それは…
「IPアドレスという広大な土地を区切るための『仕切り線』」
たったこれだけです。本当に、これ以上でもこれ以下でもありません。
考えてみてください。IPアドレス(例えば 192.168.1.0
から 192.168.1.255
まで)というのは、いわば「西東京市」のような、まだ区画整理されていない広大な土地です。このままでは、どこからどこまでがAさんの土地で、どこからがBさんの土地なのかサッパリわかりません。
そこで登場するのが「サブネットマスク」という名の仕切り線(フェンス)です。
このフェンスを立てることで、広大な土地は「1丁目」「2丁目」といった小さなネットワーク(サブネット)に分割されます。
そして、この仕切り線が教えてくれるのは、たった二つのことです。
- 「ここまでがネットワーク共通の住所ですよ(ネットワークアドレス部)」
- 「ここからがネットワーク内の個別の部屋番号ですよ(ホストアドレス部)」
つまり、私たちがやろうとしている「サブネット計算」とは、難しい計算などではなく、IPアドレスのどの位置に「仕切り線」が引かれているのかを見抜く、ただそれだけの作業なのです。
このイメージさえ持てれば、もう2進数の暗黒時代に逆戻りすることはありません。次のセクションで、この「仕切り線」の正体を、図を使いながらもっと具体的に見ていきましょう!
3. 大図解:IPアドレスと「仕切り線」の正体
さて、サブネットマスクが「仕切り線」であるというイメージは掴めましたね。では、実際の数字の上で、その仕切り線がどこに引かれているのかを見ていきましょう。
まず、基本形としてよく登場するこの組み合わせを考えてみます。
- IPアドレス:
192.168.1.10
- サブネットマスク:
255.255.255.0
サブネットマスクに登場する「255」という数字。これは「この部分は完全にネットワークの住所(ネットワーク部)ですよ!」という確定のサインです。変更の余地がない、がっちり固められた部分だと考えてください。
一方で、「0」は「この部分は個人(ホスト)に自由に割り当ててOKな部屋番号(ホスト部)ですよ!」というサインです。
これを住所に例えると、こうなります。
まさに、IPアドレスの「192.168.1」までがネットワークの住所で、最後の「.10」が個人の部屋番号、という綺麗な区切りになっているわけです。これなら直感的ですよね。
仕切り線は「255」と「0」の間に隠れている
では、次のような少し意地悪なサブネットマスクの場合はどうでしょう。
- サブネットマスク:
255.255.255.192
「255」でも「0」でもない、「192」という中途半端な数字が出てきました。こいつこそが「仕切り線」の正体です。
この「192」は、本来ホスト部だった最後のブロック(第4オクテット)の一部を、「いや、ここまでもネットワーク部だから!」と奪い取っているイメージです。
つまり、仕切り線は第3オクテットと第4オクテットの間から、第4オクテットの内部にググっと移動してきたのです。
この結果、何が起こるか?
- ネットワークをさらに細かく分割できる(1丁目をさらに2つのエリアに分ける感じ)。
- 一つのネットワークで使える個人の部屋番号(ホストアドレス)の数が減る。
結論:サブネットマスクの仕事は、「255」を使ってネットワーク部を確定させ、「0」や「192」のような数字で「どこまでがネットワーク部で、どこからがホスト部か」という最終的な仕切り線の位置を決定することなのです。
では、次のセクションで、この「192」のような中途半端な数字から、ネットワークの具体的な範囲を爆速で特定する「直感的解法」の核心に迫ります!
4. なぜ?がわかる深掘り解説:これが「直感的解法」の正体だ!
お待たせしました。いよいよ、面倒な2進数計算を過去のものにする「直感的解法」の具体的な手順を解説します。先ほどのイントロダクションで登場した、この問題を使ってみましょう。
問:IPアドレス 172.16.10.130
、サブネットマスク 255.255.255.192
のネットワークアドレスは?
この問題を、たった3つのステップで解いていきます。
ステップ1:仕切り線のある「魔法のオクテット」に注目する
まず、サブネットマスクを見てください。
255.255.255.192
「255」ではない数字は、第4オクテットの「192」ですね。ここが、仕切り線が引かれた場所、「魔法のオクテット」です。私たちの関心は、この「192」と、対応するIPアドレスの「130」だけです。他の数字は一旦忘れて大丈夫です。
ステップ2:「256」から引いて「ブロックサイズ」を求める
次に、ネットワークがどのくらいの大きさで区切られているのか(ブロックサイズ)を求めます。計算はこれ一回きりです。
256 - 192 = 64
出ました。「64」。これが、ネットワークを分割しているブロックのサイズです。なぜ「256」から引くのか? それはIPアドレスの各ブロックで使える数字が「0〜255」の256個だからです。難しく考えず、「おまじないは256から引く!」と覚えてしまいましょう。
この「64」という数字は、ネットワークアドレスが「64」の倍数で始まることを意味します。
つまり、ネットワークは 0, 64, 128, 192, ...
という区切りで分割されているのです。
ステップ3:IPアドレスがどの「ブロック」に含まれるか見つける
最後のステップです。IPアドレスの魔法のオクテット「130」が、先ほど求めたブロックのどこに当てはまるかを見るだけです。
- 0〜63 のブロック? → 違いますね。
- 64〜127 のブロック? → 違いますね。
- 128〜191 のブロック? → ここだ!
IPアドレス「130」は、128から始まるブロックに属していることが一瞬でわかります。
そして、ブロックの開始アドレスこそが「ネットワークアドレス」です。
したがって、この問題の答えは、魔法のオクテットの部分が「128」になる、ということです。
正解: 172.16.10.128
どうでしょうか? 2進数への変換も、論理積も、まったく使いませんでしたよね。慣れれば、このプロセスは数秒で完了します。
ちなみに、このブロックの最後のIPアドレス(この例では 172.16.10.191
)は、全員に一斉送信するための「ブロードキャストアドレス」と呼ばれます。これも「次のブロックの開始(192)の一つ手前」と覚えれば簡単です。
5. 厳選過去問と思考トレース:試験本番の思考を実況中継!
さあ、理論は完璧です。次は、この「直感的解法」が実際の試験でどれほど強力な武器になるか、一緒に追体験してみましょう。少し応用的なCIDR表記の問題を題材にします。
【挑戦する過去問】
問: PCがIPアドレス 192.168.30.17/28
を使用しているとき、このPCが属するサブネットのブロードキャストアドレスはどれか。(出典:応用情報技術者試験 平成28年春期 午前 問34 改題)
- ア.
192.168.30.15
- イ.
192.168.30.31
- ウ.
192.168.30.63
- エ.
192.168.30.255
【思考トレース開始!】
(1)まず、落ち着いて問題を見る。
「IPアドレスと... CIDR表記か。聞かれているのはブロードキャストアドレスだな。OK、やることは同じだ。」
(2)CIDR表記をサブネットマスクに変換(頭の中で)
「/28
ってことは、先頭から28ビットがネットワーク部。IPアドレスは全部で32ビットだから、ホスト部は 32 - 28 = 4
ビットだな。」
「第4オクテット(8ビット)のうち、ネットワーク部が4ビット、ホスト部が4ビット。ふむふむ。」
「ネットワーク部が4ビットということは、2進数で 11110000
だ。これを10進数にすると... 128 + 64 + 32 + 16 = 240
だな。つまり、サブネットマスクは 255.255.255.240
と同じ意味だ。」
(3)直感的解法、発動!
「さあ、魔法の数字は第4オクテットの『240』だ。」
「おまじないの計算、256 - 240 = 16
。よし、ブロックサイズは16だ。」
「ネットワークは 0, 16, 32, 48, ...
という16の倍数で区切られるわけだ。」
(4)IPアドレスがどのブロックにあるか探す。
「PCのIPアドレスの第4オクテットは『17』。」
「17は... 0〜15のブロックじゃない。16〜31のブロックだ!見つけた!」
「このブロックのネットワークアドレスは 192.168.30.16
だな。」
(5)結論:ブロードキャストアドレスを求める。
「聞かれているのはブロードキャストアドレス。それは、このブロックの終点、つまり次のブロック(32)の1つ手前だ。」
「ということは... 31 だ!」
「よって、ブロードキャストアドレスは 192.168.30.31
。選択肢を見ると... イが正解だ!」
どうでしょうか。CIDR表記が出てきても、一度サブネットマスクの数字に変換してしまえば、あとは全く同じ手順で解けることがお分かりいただけたかと思います。この思考プロセスなら、焦る試験本番でも、確実かつスピーディに正解にたどり着けます。
7. 知識を体系化する関連マップ:サブネットはネットワーク技術の「交差点」だ
あなたが手に入れた「サブネットを直感的に理解する力」。それは、ネットワークという広大な世界を旅するための、一枚の万能な地図のようなものです。このスキルが、他のどのような知識に繋がり、どう役立つのかを見ていきましょう。
サブネットマスクは、まさにネットワーク技術の「交差点」に位置しています。
1. ルーティング:ネットワークへの道しるべ
ルータは、パケットを目的地まで届けるための交通整理人です。彼らは、個々のIPアドレス(部屋番号)を一つ一つ見ているわけではありません。彼らが見ているのは「ネットワークアドレス(町の住所)」です。
ルータの持つ経路表(ルーティングテーブル)には、「192.168.1.0/24
の町に行くなら、こちらの道へ」「10.1.0.0/16
の町なら、あちらの道へ」といった情報が書かれています。サブネットを理解していなければ、この道しるべを読むことすらできないのです。
2. ファイアウォール(ACL):誰を通し、誰を拒むかの番人
ネットワークのセキュリティを守るファイアウォール。その最も基本的な機能が「アクセスコントロールリスト(ACL)」です。これは、通信の許可・拒否をルール化したリストです。
ここでも、「192.168.10.0/24
(開発部門のネットワーク)からの通信は許可するが、それ以外は拒否する」といった形で、サブネット単位でルールが記述されます。特定のIPアドレス一つだけでなく、ネットワーク全体を一つの塊として扱うことで、効率的で強力なセキュリティが実現できるのです。
3. VLAN:物理的な制約を超える仮想的な島々
VLAN(仮想LAN)は、一つの物理的なスイッチを、論理的に複数のネットワークに分割する技術です。例えば、同じスイッチに繋がっていても、営業部のPCと開発部のPCを通信できないように分離できます。
そして、この論理的に分割されたVLANそれぞれに、個別のサブネットが割り当てられるのが一般的です。「VLAN 10には 172.16.10.0/24
を」「VLAN 20には 172.16.20.0/24
を」というように、VLANとサブネットは切っても切れない関係にあります。
4. DHCP:IPアドレスを自動で配る給仕係
PCをネットワークに繋ぐたびに手動でIPアドレスを設定するのは大変ですよね。それを自動化するのがDHCPサーバです。このDHCPサーバがIPアドレスを配る範囲(スコープ)も、やはりサブネットに基づいています。「このネットワーク(192.168.1.0/24
)のPCには、192.168.1.100
から192.168.1.200
までを貸し出します」といった設定が行われます。
このように、サブネットの知識は、ネットワークを学び進める上でのあらゆる場面で顔を出す、まさに基礎中の基礎であり、最重要知識なのです。
8. あなただけの学習ロードマップ:次のレベルへ進むための道しるべ
おめでとうございます!あなたはもう、サブネットマスクの直感的解法をマスターしました。しかし、学びの旅はまだ始まったばかりです。そのスキルをさらに磨き、応用していくための、おすすめの学習ロードマップを提案します。
【ステップ1】「直感的解法」の完全マスター(現在地)
まずは、この記事で学んだ解法を、完全に自分のものにしましょう。応用情報や基本情報の過去問サイトなどを活用し、サブネット関連の問題を5〜10問ほど解いてみてください。目標は「正確さ」と「スピード」。2進数計算をしていた頃の半分以下の時間で解けるようになるはずです。
【ステップ2】可変長サブネットマスク(VLSM)を理解する
次に挑戦するのは「VLSM(Variable Length Subnet Mask)」です。これは、一つのネットワーク内で、場所によって異なるサイズのサブネットマスク(異なる仕切り線)を使う技術です。
例えば、Webサーバ部門には多くのIPアドレスが必要なので大きめのサブネット(/25)を、ルータ間接続のような2つしかアドレスが要らない場所には最小限のサブネット(/30)を割り当てる、といったIPアドレスの無駄をなくすための考え方です。
難しそうに聞こえますが、心配いりません。あなたが身につけた「ブロックサイズを求める力」があれば、マスクの長さが変わっても全く同じように対応できます。
【ステップ3】クラウドのネットワーク(VPC)を設計してみる
いよいよ実践です。AWSやAzureなどのクラウドサービスには、無料利用枠があります。それを使って、実際に仮想ネットワーク(VPC)を設計してみましょう。
「10.0.0.0/16
の大きなIP空間から、公開用のサブネットと非公開用のサブネットを/24
で2つ作成する」といった簡単な課題で構いません。実際に手を動かすことで、知識が「生きたスキル」に変わることを実感できるはずです。
【ステップ4】IPv6の世界を覗いてみる
最終ステップとして、IPv6アドレッシングの基礎に触れてみましょう。応用情報レベルではまだ深い知識は問われませんが、次世代の標準技術の概要を知っておくことは大きなアドバンテージになります。
IPv6のアドレスは非常に長いですが、「ネットワーク部(プレフィックス)」と「ホスト部(インターフェースID)」に分かれるという基本概念はIPv4と全く同じです。その共通点に気づければ、もう怖いものはありません。
このロードマップに沿って学習を進めることで、あなたは試験合格はもちろん、現場で通用する本物のネットワーク技術者へと成長していけるでしょう。
9. 理解度チェック&チャレンジクイズ
さあ、最後の力試しです! これまで学んできた「直感的解法」を使って、以下のクイズに挑戦してみてください。答えはすぐ下にあるので、まずは自力で解いてみましょう。
【第1問】ネットワークアドレスは?
IPアドレス 192.168.100.150
、サブネットマスク 255.255.255.224
が割り当てられたコンピュータが属するネットワークアドレスを求めてください。
【第2問】ブロードキャストアドレスは?
あるPCに、IPアドレス 172.20.30.90/27
が設定されています。このPCが属するサブネットのブロードキャストアドレスを求めてください。
【第3問】思考力を試すチャレンジ問題
ある部署で、新たに10台のコンピュータを接続するネットワークが必要です。あなたはこの部署のネットワーク管理者として、サブネットマスク「/28
」を割り当てました。この選択は、IPアドレスの効率的な利用という観点から、適切と言えるでしょうか?理由もあわせて考えてみてください。
...解けましたか? では、答え合わせです!
解答と解説
【第1問の答え】192.168.100.128
- 魔法の数字:第4オクテットの「224」
- ブロックサイズ:
256 - 224 = 32
- ブロック判定:ネットワークは
0, 32, 64, 96, 128, 160...
で区切られます。IPアドレスの「150」は、「128〜159」のブロックに含まれます。 - 結論:ブロックの開始アドレスである
128
がネットワークアドレスの一部となります。
【第2問の答え】172.20.30.95
- CIDRを変換:
/27
は、サブネットマスク255.255.255.224
と同じです。 - 魔法の数字:第4オクテットの「224」
- ブロックサイズ:
256 - 224 = 32
- ブロック判定:IPアドレスの「90」は、「64〜95」のブロックに含まれます。
- 結論:ブロードキャストアドレスは、ブロックの終点です。次のブロックは96から始まるので、その1つ手前の
95
が答えとなります。
【第3問の答え】適切と言える。
理由:
サブネットマスク「/28」は、ブロックサイズが 256 - 240 = 16
であることを意味します。
このブロック(アドレス数16個)から、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの2個を除いた、14個が実際にホスト(コンピュータ)に割り当て可能です。
必要なのは10台なので、14個あれば十分に足ります。もしこれより一つ小さい「/29」(ブロックサイズ8、利用可能ホスト数6)を選ぶと、10台を収容できず足りなくなってしまいます。したがって、「/28」はIPアドレスを無駄遣いすることなく、要求を満たすための最も効率的な選択と言えます。
10. 最終チェックとまとめ:もう、あなたはサブネットマスクの達人だ
ここまで本当にお疲れ様でした!この記事を最後まで読み通したあなたは、もう「サブネットマスクが苦手」なんて口が裂けても言えないはずです。あなたは、多くの受験者が時間をかけて解く問題を、数秒で見抜くための強力な武器を手に入れました。
最後に、私たちが一緒に旅して見つけた「直感的解法」の要点を、最終チェックリストとしてまとめておきましょう。
【サブネットマスク直感的解法・最終チェックリスト】
- □ サブネットマスクは「計算」するな、「仕切り線」を探せ!
大前提の意識改革です。これはパズルであり、計算問題ではありません。 - □ 「魔法の数字(255以外の数字)」に注目せよ!
仕切り線が引かれているのは、サブネットマスクの255以外の数字があるオクテットです。 - □ 唯一の計算式は「256 − 魔法の数字」
これでネットワークを区切る「ブロックサイズ」がわかります。これ以外の計算は不要です。 - □ ネットワークアドレスは「ブロックの開始点」
IPアドレスが、ブロックサイズごとのどの区画に含まれるかを見つけるだけです。 - □ ブロードキャストアドレスは「ブロックの終点」
次のブロックの開始アドレスから1を引けば、それが終点です。
この5つのポイントさえ押さえれば、どんなサブネット問題も怖くありません。
応用情報技術者試験の合格は、一つの大きな目標です。しかし、そこで得られる本質的な知識とスキルは、あなたのITキャリアを生涯にわたって支える土台となります。今回身につけた「物事の本質を捉え、シンプルに理解する力」は、ネットワーク以外の分野でも必ず役立つはずです。
あなたはもう、十分な知識と、それを使いこなすための新しい視点を持っています。あとは自信を持って、試験本番でその力を発揮するだけです。
あなたの挑戦を、心から応援しています!