キャリアの身だしなみ術

無印のメンズシャツで作る“外さない”ビジカジ通勤コーデ

仕事は人生の大半を占めるにもかかわらず、「今の会社で成長できるのか」「自分らしく働けているか」に不安を抱える声は多いです。特に毎日の通勤服選びのような小さなストレスの積み重ねは、仕事へのモチベーションにも影響を与えがち。

「通勤服、地味すぎても浮くし、頑張りすぎても違和感がある」
「清潔感は保ちたいが、何を買えばいいか分からない」

こうした悩みに対し、無印良品のシャツは「シンプルなのにきちんと見える」バランスを自然に作れる有力な選択肢です。本稿では、無印のメンズシャツで作る“外さない”ビジカジ通勤コーデを、シーン別に整理します。迷いのない服選びは、日々のパフォーマンスを支える基盤となるはずです。

オフィスカジュアルが浸透する一方で、「どこまで崩していいのか」という線引きに悩む人は少なくありません。ファストファッションブランドは数多くありますが、その中でも無印良品のシャツがビジネスパーソン、特に20〜30代のキャリア層から支持されるには明確な理由があります。

目次

シンプル設計とミニマルデザインの強み

無印良品の衣料品における最大の特徴は、徹底して無駄を削ぎ落としたデザインにあります。ロゴや過度な装飾が一切ないため、どのようなパンツやジャケットとも喧嘩せず、自然に馴染みます。
ビジネスシーンにおいて「ノイズがない」ことは重要です。服が主張しすぎないことで、着る人自身の誠実さや表情が引き立ちます。この「引き算の美学」は、合理性を好むビジネスパーソンの価値観とも共鳴しやすいポイントです。

素材・機能性(ノンアイロン・ヘンプなど)の豊富さ

「綿」へのこだわりも無印良品の大きな強みです。オーガニックコットンを主軸にしつつ、忙しい社会人に向けた機能性を付加しています。
例えば、綿100%の風合いを保ちながらシワになりにくい加工を施した「ノンアイロン」シリーズや、夏場の不快指数を下げる吸放湿性に優れた「ヘンプ」素材など、季節やライフスタイルに合わせた選択肢が豊富です。化繊特有の光沢感が苦手な人でも、天然素材の見た目のまま機能性を享受できる点は、他ブランドとの差別化要因となっています。

価格と品質のバランス

毎日着る通勤服において、コストパフォーマンスは無視できない要素です。無印良品のシャツは3,000円〜6,000円台が中心価格帯。一般的な量販店の激安シャツよりは値が張る場合もありますが、生地の厚み、縫製の細かさ、ボタンの質感などを考慮すると、投資対価としての満足度は高いと言えます。
「安っぽく見えない」ことは、社会人としての信頼感に直結します。ワンシーズンで着捨てるのではなく、長く愛用できる耐久性を備えている点も、経済合理性の観点から評価されています。

清潔感・誠実感を自然に演出できる理由

ビジカジで最も失敗しやすいのが「だらしなく見える」ことです。無印のシャツは、襟の立ち上がりや肩のラインなど、日本人の体型に合わせたパターンメイキングがなされています。そのため、ただ着るだけで身体のラインを拾いすぎず、適度なゆとりを持って整ったシルエットが完成します。
この「無理をしていない自然体な清潔感」こそが、周囲に安心感を与え、職場での評価を損なわないための重要なファクターとなります。

シーン別・通勤にちょうどいい無印の定番シャツ5選

無印良品のシャツ売り場には多くの種類が並んでおり、どれを選べば通勤に最適か迷うこともあります。ここでは、実際のビジネスシーンでの使い勝手を基準に、特におすすめしたい5つのモデルを厳選しました。

ノンアイロンボタンダウンシャツ(定番)

【おすすめシーン:毎日の通勤、内勤、急なWeb会議】
最も汎用性が高く、最初の一枚として推奨されるのが「ノンアイロン」シリーズです。綿100%でありながら、洗濯後のシワ残りを軽減する加工が施されています。
完全にアイロン不要とまではいかない場合もありますが、洗いざらしでも「不潔に見えない自然なシワ感」に留まるため、ジャケットの下に着る分には十分そのまま活用可能です。パリッとした質感が好みの場合は、軽いスチームアイロンだけで手早く仕上がります。忙しい朝の時間を守ってくれる頼もしい存在です。

オーガニックコットンブロードシャツ(きれいめ)

【おすすめシーン:クライアント訪問、プレゼン、会食】
なめらかで微光沢のある「ブロード生地」は、よりドレッシーな印象を与えます。繊維の密度が高く、表面がフラットであるため、ネクタイを締めるスタイルや、スーツのインナーとしても違和感がありません。
「今日は少しきちんとした場に出る」という日には、このブロードシャツを選ぶのが正解です。白やサックスブルーなどの定番色を選べば、清潔感において右に出るものはありません。

MUJI Labo ポプリンレギュラーカラー(トレンド寄り)

【おすすめシーン:クリエイティブな職場、金曜日のカジュアルデー】
「MUJI Labo」や、近年強化されているトレンドシルエットのライン(ポプリン素材など)は、少しゆとりのあるサイズ感が特徴です。
一般的なビジネスシャツよりも身幅や袖に余裕があり、今っぽいリラックス感を演出できます。体型をカバーしつつ、生地の上質感でルーズに見せないバランスが絶妙です。オフィスカジュアルの規定が比較的緩い職場であれば、こうしたシャツをタックアウト(裾出し)気味に着こなすことで、感度の高さをアピールできます。

ヘンプシャツジャケット(季節の羽織り)

【おすすめシーン:春夏の通勤、冷房対策】
近年注目されている素材「ヘンプ(麻)」を使用したシャツは、通気性と吸湿速乾性に優れています。リネン(亜麻)に近いシャリ感がありながら、より丈夫でハリがあるのが特徴です。
シャツとして一枚で着るのはもちろん、Tシャツの上に羽織る「シャツジャケット」として運用できるデザインも多く展開されています。湿度の高い日本の夏場、ポロシャツだけでは心許ない時の羽織りとして、一着あると重宝します。

オックスフォードボタンダウン(カジュアル対応)

【おすすめシーン:デスクワーク集中日、私服通勤に近い職場】
少し厚手で、ざっくりとした織り目が特徴のオックスフォード生地。丈夫で通気性が良く、着込むほどに肌に馴染みます。
ブロードに比べるとカジュアル度は上がりますが、その分、親しみやすさや柔らかい雰囲気を演出できます。チノパンやデニム(職場規定でOKな場合)との相性は抜群。アイロンをかけずに、洗いざらしの風合いをそのまま楽しむのが粋な着こなしです。

通勤スタイルを格上げするビジカジコーデ術

無印良品のシャツを手に入れたとしても、組み合わせ次第で「ただの地味な人」に見えてしまうリスクは残ります。ビジネスシーンでの好感度を維持しつつ、少しだけセンスを感じさせるコーディネートの法則には、明確なパターンが存在します。

「白シャツ+ネイビー系パンツ」で“外さない”王道バランス

ビジネスカジュアルにおいて最も失敗が少ないのが「白×ネイビー」の組み合わせです。清潔感の象徴である白シャツに、誠実さを表すネイビーのスラックスやチノパンを合わせることで、あらゆるビジネスシーンに対応可能な鉄板コーデが完成します。
この際、無印の「オックスフォード」や「ブロード」の白シャツを選ぶと、その素材の良さが引き立ちます。ベルトと靴の色をダークブラウンや黒で統一すれば、全体が引き締まり、急な来客対応でも失礼になりません。

「グレー・ベージュ」で抜け感を出す上級コーデ

王道スタイルに慣れてきたら、少し柔らかい色味を取り入れると「こなれ感」が出ます。例えば、スタンドカラーシャツやバンドカラーシャツを選び、ボトムスにグレーやベージュのスラックスを合わせるスタイルです。
無印良品のアースカラーは発色が穏やかで、肌馴染みが良いのが特徴です。全体を淡いトーンでまとめる場合、足元は濃い色で引き締めたり、カーディガンで濃淡をつけるなど、ぼんやりした印象にならないようメリハリを意識するのがポイントです。

インナー・靴・バッグで清潔感をキープするコツ

シャツスタイルで盲点となりがちなのがインナーです。白シャツの下から柄物のTシャツや肌着のラインが透けて見えると、清潔感が損なわれます。無印良品のベージュ系インナーや、縫い目のないカットソーなどを活用し、「透けない工夫」をすることがマナーです。
また、トートバッグやリュックを使用する場合も、キャンバス地よりはレザー調やナイロン製のシンプルなものを選ぶと、無印のナチュラルな服と喧嘩せず、ビジネスライクな印象を保てます。

NGコーデ例(やりすぎビジカジ/カジュアルすぎる失敗)

自由度が高いビジカジですが、以下のスタイルは避けるべきです。

  • サイズオーバー: トレンドだからといって、ビジネスで極端なオーバーサイズを着ると「だらしない」と判断されがちです。
  • シワだらけ: 「洗いざらし」は風合いですが、プレスラインの消えたスラックスや、ヨレヨレの襟元はNGです。
  • 季節感の不一致: 真冬に薄手の涼感素材を着るなど、機能性と見た目の季節感がズレていると違和感を与えます。

季節別のビジカジ対応シャツ選び(春夏秋冬)

年間を通して無印良品のシャツを活用するために、季節ごとの素材選びと組み合わせのポイントを整理します。気候に合わせた服選びは、自己管理能力の表れとしても評価されます。

春:ブロード×カーデで軽やかに

寒暖差のある春は、温度調節がしやすいレイヤードスタイルが基本です。表面が滑らかなブロードシャツの上に、ハイゲージ(編み目の細かい)のカーディガンを羽織るのがスマート。
色はサックスブルーやペールグレーなどの明るい色を取り入れると、季節感と爽やかさを演出できます。重たいコートを脱ぎ、軽快な印象を与えることで、新年度のスタートダッシュに適した装いとなります。

夏:ヘンプや半袖ポプリンで涼しく

高温多湿な日本の夏には、「涼しく見える」素材選びがマナーの一環となります。無印良品のヘンプ素材やリネン混のシャツは、通気性と吸湿速乾性に優れています。見た目にも清涼感があります。
半袖シャツを着る場合は、子供っぽくならないよう、袖の太さが広がりすぎないものを選び、ボトムスはスラックスできちんと感を担保します。ポロシャツも選択肢に入りますが、襟の立ち上がりがしっかりしたタイプを選ぶのがビジネス対応のコツです。

秋:オックスフォード×チノで柔らかく

秋口には、生地に厚みのあるオックスフォードシャツが活躍します。少し起毛感のあるチノパンや、ダークトーンのセットアップのインナーとして合わせると、温かみのある落ち着いた雰囲気に仕上がります。
この時期は、ブラウンやカーキといった深みのある色をシャツや小物に取り入れることで、季節の変化に敏感な「余裕ある大人」のスタイルを作ることができます。

冬:シャツジャケット×タートルでスマートに

防寒性が求められる冬は、シャツをアウターライクに使う、またはインナーに工夫を凝らすのが正解です。厚手のフランネルシャツやシャツジャケットの中に、薄手のタートルネックニットを合わせるスタイルは、首元の防寒と知的な印象を両立できます。
さらに上からウールのコートを羽織れば、着膨れせずにスタイリッシュな防寒コーデが完成します。無印の「重ね着」を前提としたアイテム展開は、冬のビジカジにおいて真価を発揮します。

無印シャツで“自分らしい”ビジカジを作るポイント

定番のシャツを選び、コーディネートの基本を押さえたら、最後は「自分に似合わせる」微調整です。体型や職場の雰囲気に合わせて選び方を少し変えるだけで、量産型のビジカジスタイルから一歩抜け出し、パーソナリティを感じさせる装いになります。

「似合う色・サイズ」を知る(体型別の選び方)

同じシャツでも、体型によって最適な選び方は異なります。

  • 痩せ型・華奢なタイプ:
    生地にハリと厚みがある「オックスフォード」がおすすめです。体の薄さをカバーし、頼りがいのあるシルエットを作ります。サイズはジャストか、あえてワンサイズ上げて中にTシャツを仕込むとバランスが良くなります。
  • がっしり型・筋肉質なタイプ:
    表面が滑らかな「ブロード」や「ポプリン」ですっきり見せるのが正解です。特に首が太めの人は、レギュラーカラーよりもバンドカラー(スタンドカラー)を選ぶと、首元が詰まって見えず、スマートな印象を与えられます。

職場の雰囲気に合わせた着こなし判断

「ビジカジ」の許容範囲は職場によって千差万別です。周囲から浮かないための判断基準を持ちましょう。

  • 堅めの職場(金融・営業など):
    基本は「襟付きシャツ」+「タックイン(裾を入れる)」です。無印のシャツは着丈が絶妙に設計されているものが多いですが、ベルトが見えるスタイルで誠実さをキープしましょう。色は白かサックスブルー一択です。
  • 緩めの職場(IT・制作・内勤):
    「タックアウト(裾出し)」や「バンドカラー」が許容されます。ただし、裾を出す場合は、着丈が長すぎないもの(お尻が半分隠れる程度)を選ぶのが鉄則。MUJI Laboなどの少しデザイン性のあるラインも馴染みます。

脱・無難に見せる小物&レイヤード術

「無印=シンプルすぎて地味」という印象を払拭するには、小物使いがカギを握ります。
派手なブランド時計や尖った靴を合わせるのではなく、無印の世界観に合う「マットな質感」で統一するのがおしゃれに見せるコツです。例えば、革靴は光沢を抑えたスエードやマットレザーを選んだり、バッグもロゴのないシンプルなレザートートを合わせたりすることで、全体のトーンが整い、洗練された大人のビジカジが完成します。冬場はシャツの中にタートルネックを入れるなど、首元のレイヤードで変化をつけるのも効果的です。

まとめ:無印のシャツなら“誠実で自然体”なビジカジが作れる

「清潔感」「手入れのラクさ」「無理しないおしゃれ」。
この3つを同時に叶えられるのが、無印良品のシャツが多くのビジネスパーソンに選ばれている理由です。

毎朝の服選びに迷う時間は、実は大きなストレスです。その迷いをなくし、「これを着ていれば大丈夫」という安心感を持つことは、仕事への集中力を高めることにも繋がります。
まずは、今回紹介した中から自分の働き方に合いそうな一枚を手に取ってみてください。袖を通した瞬間の肌触りの良さと、鏡に映る自然体な自分の姿が、明日の出勤を少しだけポジティブにしてくれるはずです。

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