ブログの表示速度を上げて、少しでも検索順位を上げたい。でも、サーバー移行でミスって今までの記事が全部消えたらどうしよう……。
公式サイトには「簡単移行」なんて書いてあるけれど、心の底では「本当にボタンひとつで終わるのか?」と疑ってしまうあの感覚。痛いほどよくわかる。
毎日往復3時間の通勤電車に揺られ、帰宅はいつも夜遅く。家族が寝静まったリビングで、眠い目をこすりながらPCを開く。そんな疲労困憊の状態で「FTPソフトでファイルを〜」「データベースのエクスポートが〜」なんて手順を読んでも、ぶっちゃけ頭に入ってこない。
「ただサーバーを変えたいだけなのに、なんでこんなに難しいんだ……」
私自身、過去に何度もこの壁にぶつかってきた。黒い画面や、謎のアルファベットの羅列(phpMyAdminとか)を見るだけで、そっとPCを閉じたくなる。だからこそ、シンレンタルサーバーの「WordPress簡単移行」機能を知った時は、まさに救世主のように思えた。
とはいえ、現実はそんなに甘くない。
ツール自体は超優秀でも、こちらの「事前準備」と「事後確認」の順番を間違えると、普通にトップページが真っ白(404エラー)になったりする。あれは本当に血の気が引く体験だった。
今回は、当時の私と同じように「サーバーは移したいけど絶対にサイトを壊したくない」と怯えているあなたへ。
実際に通常サイトからサブドメイン、大容量サイトまで、複数のWordPressを泥臭くシンレンタルへ移管してきた私が、絶対に失敗しないための「安全な進め方」を共有していく。教科書通りの綺麗なマニュアルじゃなく、現場のリアルな注意点だけを詰め込んだサバイバルガイドだ。
結論|シンレンタルのWordPress簡単移行は便利だが事前確認が重要
包み隠さず言ってしまうと、シンレンタルのWordPress簡単移行ツールは「神」だ。
今まで丸一日がかりでやっていた手作業の引っ越しが、条件さえ揃えば数分〜数十分で終わってしまう。技術的なハードルは劇的に下がった。
でも、ここで大きな落とし穴がある。「簡単=何も考えずにボタンを押していい」わけじゃない、という現実。
引っ越し業者がどれだけ優秀でも、荷造りする前の部屋が足の踏み場もない状態だったり、新居の鍵が開いていなければ、作業は途中で止まってしまう。WordPressの移行もこれと全く同じだ。
「移行前の確認」「移行後の動作テスト」「DNS(ドメイン)切り替えのタイミング」。
この一連の流れを無視して、とりあえずツールを回してしまうと高確率で痛い目を見る。
実際、私が過去にやらかしたのは「不要なバックアップデータまで丸ごと移行しようとして、容量オーバーでエラーを吐き続ける」というミス。焦って何度もボタンを連打し、無駄な時間を溶かしてしまったあの夜。
だからこそ、ツールを使う前の「確認の順番」が何より重要になる。サイトを壊さないための防具をしっかり身につけてから、安全に移行ボタンを押す。これが鉄則だ。
シンレンタルのWordPress簡単移行とは
そもそも「WordPress簡単移行」って何がどうすごいのか。
複雑な仕組みはさておき、私たちのような「面倒なことは極力避けたい」個人サイト運営者にとってのメリットを整理しておこう。
他社サーバーのWordPressを自動でコピーできる
本来、サーバー移行というのは「旧サーバーからデータを全部自分のPCにダウンロードして、新サーバーへアップロードし直す」という気の遠くなるような作業が必要になる。
しかし、この機能を使えば、シンレンタルの管理画面に「今のブログのURL」と「WordPressのログイン情報」を入力するだけ。
あとはシステム側が勝手に旧サーバーへアクセスし、記事から画像、テーマ、設定まで、サイトをまるごとコピーして引っ張ってきてくれる。まさに全自動の引越トラック。
FTPやphpMyAdminを直接操作せず移行できる
これこそが最大の救い。
「FTPソフト? データベース? なにそれ美味しいの?」という状態でも全く問題ない。サーバーの裏側にアクセスするための専用ソフトをインストールしたり、データベースのパスワードを探し回ったりする手間が一切かからない。
ブラウザ上の管理画面をポチポチするだけで完結する。本業で疲れ切った深夜の作業でも、取り返しのつかない致命的なミスをするリスクを極限まで減らしてくれる。
旧サーバーを残したまま作業できる
ここ、精神的にものすごく重要なポイント。
「移行ツールを動かしたら、その瞬間に今のサイトが消えちゃうんじゃないか?」
私も最初はそう思って震えていた。でも安心してほしい。この簡単移行は、あくまで「旧サーバーのデータをコピーして、新サーバーに複製を作る」だけの作業。
つまり、移行ツールを回している間も、今までのブログは旧サーバーで元気に稼働し続けている。万が一、移行ツールがエラーを吐いて止まっても、読者から見たブログや検索順位には何の影響もない。
「失敗しても元のサイトは無傷」。この安心感があるからこそ、私たちのような素人でも思い切ってサーバー移行に挑戦できるというわけだ。
WordPress簡単移行を始める前に確認すること
「よし、じゃあ早速シンレンタルでツールを動かそう!」
ちょっと待ってほしい。はやる気持ちは痛いほど分かるけれど、ここですぐにボタンを押すのは、準備運動なしでフルマラソンに飛び込むようなものだ。
ツール自体は自動で動いてくれるが、肝心の「今のWordPress側」に問題があると、途中でエラーを吐いて止まってしまう。私が過去にやらかして夜中に頭を抱えたのも、大半がこの「事前の確認不足」だった。
絶対に失敗しないために、最低限以下の6つだけは今のサーバー環境でチェックしておこう。
WordPressへログインできるか
「いやいや、自分のブログなんだからログインくらいできるよ」と思うかもしれない。
でも、普段からブラウザにパスワードを記憶させていて、自動ログイン機能に頼り切っていないだろうか。簡単移行ツールを動かすには、移行元(今のブログ)の「ユーザー名」と「パスワード」を手動で入力する必要がある。
いざツールを動かそうとした瞬間に「あれ? パスワードなんだっけ……」とフリーズするのは、移行作業あるあるだ。事前に必ず、手入力でログインできるか確認しておこう。
管理者権限のアカウントがあるか
複数人でブログを管理している場合や、外注さんに記事を入れてもらっている場合は要注意。
移行ツールに入力するアカウントは、必ず「管理者(Administrator)」の権限を持っている必要がある。「編集者」や「投稿者」のアカウント情報ではツールは動かない。自分のアカウントが最上位の権限を持っているか、ダッシュボードの「ユーザー」画面からサクッと見ておこう。
WordPress・PHP等が移行条件を満たしているか
シンレンタルの簡単移行ツールには、一応公式が定めている「これくらい新しいバージョンのWordPressじゃないと移せませんよ」という条件がある。
執筆時点だと、WordPressのバージョンが「4.2以上」、PHPのバージョンが「5.3以上」といった具合だ。普通にブログを運営して定期的にアップデートしていれば全く問題ない数値だが、数年間放置していたような古いブログを掘り起こして移行する場合は、事前にWordPress本体をアップデートしておこう。
WordPressマルチサイトではないか
1つのWordPressで複数のブログを作れる「マルチサイト機能」。もしあなたがこの機能を使ってブログを構築しているなら、残念ながらシンレンタルの簡単移行ツールは使えない。
「マルチサイトって何?」という状態なら、十中八九使っていないのでスルーして大丈夫だ。普通に1ドメインにつき1つのWordPressをインストールしているなら問題ない。
サイト容量・DB容量を確認する
ここからが、実体験に基づく超重要ポイントだ。
簡単移行ツールは、あまりにもデータが巨大すぎると途中で息切れしてエラー(タイムアウト)になってしまう。公式の目安としては、1サイトあたり「数GB程度」までならスムーズにいくことが多い。
長年運営していて画像が大量にあったり、無駄なテーマファイルをいくつも残していたりすると、容量がパンパンになっていることがある。今のサーバーのコントロールパネルなどで、自分のサイトが何GBくらいあるのか、ざっくりでいいので把握しておこう。
不要なバックアップファイルが残っていないか
これが一番の罠であり、私が過去に移行ツールをエラーでストップさせた最大の原因だ。
「BackWPup」や「UpdraftPlus」といったバックアップ系のプラグインを使っている人は本当に気をつけてほしい。これらのプラグインが過去に作った「古いバックアップのZipファイル」がサーバー内に山のように蓄積されていることがある。
簡単移行ツールは、律儀にこれらの「巨大なゴミファイル」まで全部コピーしようとして自滅するのだ。
移行作業を始める前に、必ずFTPソフトかサーバーのファイルマネージャーから「不要なバックアップデータ」を削除しておくこと。これだけで、移行の成功率は劇的に跳ね上がる。
私が実際に移行したWordPressのパターン
「公式のマニュアルにはこう書いてあるけど、イレギュラーな環境でも本当に動くの?」
その不安、すごくよくわかる。私も自分の手で実際に試すまでは、簡単移行ツールを半信半疑で見ていたからだ。
参考までに、私がこれまでにシンレンタルサーバーの簡単移行を使って、無事に(時には冷や汗をかきながら)引っ越しを完了させたWordPressのパターンをざっと挙げておく。
- 通常のWordPress(1ドメイン=1サイト)
一番オーソドックスな形。事前準備さえ間違えなければ、拍子抜けするほどあっさり終わる。 - サブドメインで構築したWordPress
メインのブログとは別に「sub.example.com」のようなサブドメインで作ったサイト。これも設定の順番さえ守ればツールで移行可能だった。 - サブディレクトリで構築したWordPress
「example.com/sub/」のような階層にインストールしたサイト。構造が少しややこしいが、これも無事にクリア。 - 運営歴が長く画像ファイルで肥大化した大容量サイト
前述の通り、最初はエラーで弾かれた。しかし、不要なバックアップファイルや使っていない重いプラグインを断捨離してから再実行したところ、無事に移行できた。
これらのような「ちょっと癖のあるサイト」であっても、基本的には簡単移行ツールで移管できる。
ただ、サブドメインの移行や大容量サイトの対処法については、少し手順にコツがいる。これらをここで全部語るととんでもない長さになってしまうため、あとで個別の対策として概要を整理する。
まずは一番基本となる「通常サイトの安全な移行手順」を、次から一緒に見ていこう。
シンレンタルでWordPress簡単移行する手順
事前準備で地雷を撤去したところで、いよいよ移行ツールの出番だ。
実際の操作は本当に拍子抜けするほど簡単で、黒い画面にコマンドを打ち込むような作業は一切ない。ここでは失敗しないための「確実な手順」をステップバイステップで見ていく。
1.シンレンタル側へドメインを追加する
移行ツールを動かす前に、まずは「引っ越し先の新居」となる住所を登録しないといけない。
シンレンタルのサーバーパネルにログインし、「ドメイン設定」からこれから移管する自分のドメイン(例:example.com)を追加しよう。
この時点ではまだ旧サーバー側でサイトが動いていて、DNSの切り替え(後述)も行っていないので、ドメインを追加したからといって今のサイトが消えたり表示がおかしくなったりすることはない。安心して追加して大丈夫だ。
2.WordPress簡単移行を開く
ドメインの追加が終わったら、サーバーパネルのメニューから「WordPress簡単移行」をクリックする。
画面の指示に従って「移行する」のタブを開こう。ここが今回のメインステージだ。
3.移行元URLを入力する
「今動いている旧サーバーのブログURL」を入力する。
ここで間違えて「https://」の「s」を抜かしたり、ブラウザのアドレスバーから手打ちしてスペルミスをしたりすると、一発でエラーを吐かれる。
今のブログのトップページを開き、URLをコピーしてそのまま貼り付けるのが一番確実だ。
4.WordPressユーザー名・パスワードを入力する
事前準備でも確認した、今のブログにログインするための「管理者権限のユーザー名」と「パスワード」を入力する。
コピペで正確に入れよう。何度も言うが、ここを間違えるとツールは旧サーバー側のWordPressの扉を開けられずに立ち往生してしまう。
5.移行先URLを指定する
引っ越し先(シンレンタル側)のURLを指定する。
基本的には、ステップ1で追加したドメインをプルダウンから選択するだけでOKだ。
もしサブディレクトリ(example.com/blog/ など)に移行したい特殊な事情がある場合は、ここでディレクトリ名を入力する。通常のブログなら空欄のままで構わない。
6.移行を実行する
入力内容に間違いがないか、もう一度だけ深呼吸して確認しよう。
問題なければ、「確認画面へ進む」から「移行を実行」ボタンをクリック。
ここまできたら、あとは優秀な引越業者のツールにお任せだ。
7.完了するまで待つ
「移行処理中」という画面に切り替わり、パーセンテージが進んでいく。
この間は絶対にブラウザを閉じたり、戻るボタンを押したり、何度もリロードしたりしないこと。
サイトの容量(記事数や画像数)によって、数分であっさり終わることもあれば、20分〜30分かかることもある。
コーヒーでも淹れながら、気長に待とう。「100% 完了」の文字が出たら、無事コピー成功だ。
WordPress簡単移行では何が移行される?
「完了って出たけど、本当に全部移ったの?」
目に見えないサーバーの裏側で何が起こったのか分からないから、不安になる気持ちは痛いほどわかる。
結論から言うと、ブログ運営に必要なデータはほぼ全て丸ごと移行されている。
記事・固定ページ
今まで通勤電車の中や深夜に魂を込めて書き溜めてきた記事データは、下書きも含めて全てそのまま新サーバーへ移っている。
カテゴリー分けやタグの設定もそのままだ。ここが消え去るような悲劇はまず起こらないので安心してほしい。
画像・テーマ・プラグイン
メディアライブラリにアップロードした膨大な画像、現在使っているWordPressテーマ(親テーマも子テーマも)、有効化・無効化しているプラグイン群。
これらも全て元の状態のままコピーされている。見た目や機能面も、基本的には引っ越し前と全く同じ状態が新サーバー内で再現されている状態だ。
WordPress設定
パーマリンク設定や、一般設定(サイトのタイトルなど)、ウィジェットの配置なども丸ごと引き継がれる。
「引っ越したからあの面倒な初期設定を全部やり直し……」なんてことにはならない。
移行されないデータや設定もある
ほぼ完璧な引っ越しツールだが、ごく一部「あえて移行されないもの」もある。
代表的なのは、キャッシュ系プラグインが生成した一時的なキャッシュファイルなどだ。これらは環境(サーバー)が変わると不具合を起こす原因になるため、ツール側で賢く除外してくれている。
「必要なものは全部移り、移行先で悪さをしそうな余計なゴミは置いてくる」という仕様になっているのだ。
とはいえ、これはあくまで「ツール上でのコピーが完了した」だけの状態。
本当に正しく移行できているかどうかは、自分の目で確かめるまで安心できない。
移行完了後にまず確認すること
ツール画面に「100% 完了」の文字が出た瞬間、思わずガッツポーズをしたくなる気持ちは痛いほどわかる。私も初めて成功したときは、深夜の自室で一人小さく拳を握りしめた。
でも、ここで絶対にやってはいけないことがある。
それは「よっしゃ終わった! すぐにドメインの設定(DNS)を切り替えよう!」と焦ってしまうことだ。
今の状態は、あくまで「シンレンタルのサーバー内に、今のブログのコピーが作られた」だけに過ぎない。DNSを切り替える前に、まずはその「コピーされた新居のブログ」にこっそり裏口から入って、家具の配置が崩れていないか確認する作業が必須になる。
シンレンタルのサーバーパネルにある「動作確認URL」という機能を使えば、DNSを切り替える前に新サーバー側のサイトを見ることができる。これを使って、以下の6項目を指差し確認していこう。
WordPress管理画面へ入れるか
まずは何より、新サーバー側のWordPress管理画面(ダッシュボード)にログインできるかどうか。
ログインURLは今までと同じ形式(/wp-admin や /wp-login.php など)で、IDとパスワードも旧サーバーで使っていたものと全く同じだ。
すんなり入れて、いつもの見慣れたダッシュボードが表示されれば第一関門はクリア。
トップページが表示されるか
ログインできたら、次は「サイトを表示」してトップページを見てみよう。
デザインが崩れていないか、ウィジェットの配置はおかしくないか。
実は私、ここで「ダッシュボードには入れるのに、サイトを表示しようとすると404エラーで真っ白になる」という地獄のような事態に遭遇したことがある。あの時の絶望感たるや……(この原因と解決策は後で少し触れる)。
代表的な記事ページを確認する
トップページが無事でも油断してはいけない。次に確認すべきは「個別記事」だ。
適当な過去記事をいくつかクリックしてみてほしい。パーマリンク(URLの構造)の設定が上手く引き継がれていなかったり、.htaccessファイルという裏側の設定が干渉したりして「トップページは見れるのに記事ページは全部エラーになる」というケースもゼロではない。
アクセスを集めている稼ぎ頭のメイン記事を中心に、数ページは表示チェックをしておこう。
画像を確認する
記事が表示されたら、そこに挿入している画像がちゃんと表示されているかも要チェック。
画像ファイルのURLが旧サーバーのままになっていたり、データが上手く転送されていなくて画像が「?」マークのアイコン(リンク切れ)になっていたりしないか。メディアライブラリも開いて、サムネイルがずらっと並んでいるか確認しておくと安心だ。
問い合わせフォーム等を確認する
もしContact Form 7などのプラグインでお問い合わせフォームを設置しているなら、一度自分で自分宛てにテスト送信してみよう。
サーバー環境が変わることで、メールの送信機能に一時的な不具合が出ることが稀にある。
読者や仕事の依頼を取りこぼさないためにも、この確認は地味だけど重要だ。
テーマ・プラグインを確認する
最後に、ダッシュボードの「外観」からテーマが正しく有効化されているか、「プラグイン」から一覧が元通りになっているかを確認する。
ごくまれに、環境が変わったことで特定のプラグインが勝手に無効化されていることがある。特に、キャッシュ系やセキュリティ系のプラグインは要チェック。元の環境と見比べて、必要なものがちゃんと動いているか確認しておこう。
WordPress簡単移行で失敗・エラーになることもある
ここまでの手順を踏めば、9割以上のサイトは無事に移行できるはずだ。
でも、悲しいかな残りの1割。どれだけ準備しても、環境の相性などでエラーを吐かれてしまうことがある。
私が実際に直面して冷や汗を流した「簡単移行の失敗パターン」を3つ挙げておく。
(それぞれ深い沼なので、ここでは症状と概要だけ。解決策は別の専門記事でじっくり解説する予定だ)
「移行用プラグインのインストールに失敗」するケース
移行を実行した直後、ほんの数秒で「移行元サイトへのプラグインのインストールに失敗しました」という無機質な赤いエラーメッセージが出ることがある。
これは、旧サーバー側で動いている「セキュリティ系プラグイン(SiteGuard WP Pluginなど)」や、サーバー独自のWAF(Webアプリケーションファイアウォール)が、シンレンタル側からのアクセスを「不審な動きだ!」と勘違いしてブロックしてしまっているのが主な原因。
対処法としては、旧サーバー側のセキュリティ設定を一時的にオフにしてあげる必要がある。
容量が大きすぎるケース
前述の事前準備でも触れたが、長年の運営で溜まりに溜まったバックアップファイル(.zipなど)や、高画質な画像データがサーバーを圧迫していると、移行途中で処理が重くなりすぎてタイムアウト(時間切れ)エラーになる。
「あれ? ずっと50%から動かないぞ……」からの「エラーが発生しました」。これは精神的にかなりクる。
対策はシンプルで、旧サーバー側で不要なファイルを徹底的に削除してダイエットさせることだ。
移行後にサイトが表示されないケース
個人的に一番焦ったのがこれ。
移行は「100% 完了」と出た。ダッシュボードにもログインできた。よし完璧!と思ってサイトのトップページを見に行ったら、なぜか「404 Not Found(ページが見つかりません)」と表示されたのだ。
実はこれ、私が運営していたサイトの移行元サーバーの仕様で、WordPressの「index.php」とは別に、昔のなごりで「index.html」という空のファイルが共存してしまっていたのが原因だった。シンレンタル側が優先的に「index.html」を読み込んでしまい、トップページが空っぽになっていたというオチだ。
FTPソフトで繋いで「index.html」の名前を変更(リネーム)するだけで一瞬で直ったのだが、原因に気づくまでは本当に生きた心地がしなかった。
サブドメインやサブディレクトリでも移行できる?
複数のブログを運営していると、「メインブログとは別にサブドメイン(sub.example.com)で作ったサイト」や、「サブディレクトリ(example.com/blog/)に入れたサイト」の引っ越しに悩むこともある。
「普通のドメインじゃないけど、簡単移行ツールは使えるの?」
結論から言うと、全く問題なく移行できる。
私も過去に、外注化で回していた特化ブログをサブドメインごとシンレンタルへ移管した経験があるが、ツールを使って独立したWordPressとして無事にコピーできた。
ただし、サブドメインならではの「ドメイン追加の順番」や、サブディレクトリからサブディレクトリへ移す際の「URLの指定方法」など、通常サイトとは少し勝手が違う部分がある。
ここで全部説明すると頭がパンクしてしまうと思うので、「サブドメイン等の移行手順」については別記事にまとめている。複数サイトを抱えている方は、そちらを参考にして慎重に進めてほしい。
DNS・SSLの切り替えはいつ行う?
無事に新サーバーでの動作確認が終わったら、いよいよ大詰め。
ここからは「インターネット上の住所(ドメイン)」を旧サーバーから新サーバーへ切り替える作業になる。
「DNS」とか「ネームサーバー」とか、急に難しそうな横文字が出てきて「ここでミスったら今までのアクセスが全部飛ぶのでは……」と胃が痛くなるポイントだ。私も最初は、この設定を変更する「適用」ボタンを押す手が震えた。
でも、大丈夫。以下の順番通りにやれば、サイトが表示されなくなるダウンタイムを限りなくゼロに近づけることができる。
先にWordPressを新サーバーへ移す
これは先ほどまでの手順で完了している。
この時点では、世の中の読者はまだ「旧サーバー側のブログ」にアクセスしている状態だ。表向きは何も変わっていない。
新サーバー側の動作を確認する
これも先ほど「動作確認URL」でチェックした通り。
新しい家(シンレンタル)にコピーした家具(記事や画像)が、壊れずにきちんと配置されていることを自分の目で確認できた状態だ。
DNSを切り替える
ここで初めて、ドメインを管理しているサービス(お名前.comやエックスドメインなど)の管理画面にログインする。
そして、「ネームサーバー(DNS)」という設定を、旧サーバーのものから「シンレンタルのネームサーバー」に書き換えるのだ。
これは現実世界でいうところの、郵便局に「転居届」を出す作業と同じ。
「これからは旧サーバーじゃなくて、シンレンタルの方にアクセスを案内してね」と宣言するわけだ。
SSLを確認する
ネームサーバーを切り替えてから数時間〜最大24時間程度経つと、インターネット上の案内が完全にシンレンタル側へ切り替わる。
アクセスが新サーバーに向くようになったのを確認したら、最後にシンレンタルの管理画面から「無料独自SSL」の設定をオンにする。これでURLが「http」から安全な「https」になり、ブラウザの警告(保護されていない通信)も消えて、引っ越し作業はほぼ完了となる。
よくある失敗として、ネームサーバーを切り替える前にSSLを無理やりオンにしようとしてエラーになるパターンがある。「DNSが浸透していないとSSL化はできない」というルールだけ、頭の片隅に置いておいてほしい。
旧サーバーはすぐ解約しない
「無事に移行できたし、もったいないから今すぐ旧サーバーを解約しよう!」
ちょっと待ってほしい。その気持ちは痛いほど分かる。毎月数千円の維持費とはいえ、家族のお小遣いを削って捻出している身からすれば、使わないサーバーに二重で課金し続けるのは無駄以外の何物でもない。
でも、移行が完了したその日、テンションが上がった勢いで旧サーバーの解約ボタンを押すのだけは、絶対にやめておいたほうがいい。私は過去にこれをやって、移行しそびれた大事なカスタマイズデータを永遠に失いかけたことがある。
最低でも1〜2週間、できれば「今の旧サーバーの契約更新月ギリギリ」までは生かしておくべきだ。その理由は大きく3つある。
DNS反映には時間差がある
さきほど「DNS(ネームサーバー)を切り替える」と説明したが、実はこの設定、世界中のインターネット回線に完全に伝わるまでタイムラグがある。
早いと数時間で切り替わるが、読者の使っている回線や環境によっては最大24〜48時間ほど、「旧サーバーに繋がる人」と「新サーバーに繋がる人」が混在する不安定な状態が続くのだ。
もしこの「浸透期間中」に旧サーバーを解約してデータを丸ごと消し飛ばしてしまうと、旧サーバー側にアクセスした読者の画面には「このサイトは存在しません」という絶望的なエラーが表示されてしまう。
移行漏れや不具合を確認する
ツール画面が「100%完了」と言っていても、数日経ってから「あれ? あの過去記事の吹き出しアイコンの画像だけ全部リンク切れしてるぞ?」といった細かい不具合に気づくことがある。
旧サーバーがまだ生きていれば、FTPで元の画像をダウンロードしてきて手動で上げ直すことができる。しかし、解約してしまえば元のデータは二度と戻ってこない。移行直後は完璧に見えても、数日運用して初めて気づくトラブルは意外と多いものだ。
問題ないことを確認してから解約する
「数日様子を見て、新しい記事も投稿できた。画像も問題ない。アクセスも通常通り来ているし、お問い合わせフォームも動く」
ここまで確認できて、初めて旧サーバーに別れを告げよう。ダブって払う数千円のサーバー代は、「万が一の事態から大切なブログを守るための安い保険料」だと思って割り切る。これが、サイトを絶対に壊さないための賢い生存戦略だ。
実際に遭遇したWordPress簡単移行のトラブル
ここまで「失敗しないための安全な進め方」を語ってきたが、どれだけ慎重に準備しても、サーバー環境の相性などでイレギュラーは起きる。
「公式の言う通りにやったのにエラーが出た!」という時は、本当に頭の中が真っ白になるもの。深夜の作業中ならなおさらだ。
ここでは、私が複数のサイトを移行した際に実際にぶち当たったトラブルと、その原因をざっくり表にまとめておく。
もしあなたが今まさに以下の状況で画面の前でフリーズしているなら、それぞれの詳細な解決手順を書いた専門記事へ飛んで、落ち着いて対処してほしい。
| トラブルの症状 | 主な原因と概要 | 解決策の詳細記事 |
|---|---|---|
| サブドメインで移行できない | サブドメインの場合はドメイン追加の仕様が通常と少し異なるため、手順を工夫する必要がある。 | サブドメイン移行の詳しい手順はこちら(準備中) |
| 管理画面は入れるのにトップが404 | 旧サーバーに昔の空ファイル「index.html」が残っており、それが優先表示されてしまっている。 | トップページ404エラーの直し方(準備中) |
| 移行用プラグインのインストール失敗 | 旧サーバーのWAFや、SiteGuardなどのセキュリティプラグインがブロックしている。 | プラグインインストール失敗の対処法(準備中) |
| 大容量で移行がタイムアウトする | 過去のバックアップデータ等の蓄積で容量オーバー。手動での不要ファイル削除が必要。 | 大容量サイト・タイムアウトの対処法(準備中) |
※注:各トラブルの具体的な解決方法は画像が多く長くなるため、それぞれ独立した記事で解説している。原因さえ分かれば焦らず一つずつ潰していけるので、まずは深呼吸しよう。
失敗しにくいWordPress移行の順番
ここまで、移行前の準備からトラブル事例までかなり脅かすようなことも書いてしまったかもしれない。
でも、それは「絶対にあなたのブログを壊してほしくない」からだ。
不安な気持ちのまま手探りで進めるのが一番危険。そこで、私が実際に複数サイトを移管する中で確立した「絶対に失敗しにくい移行の順番」を、10のステップにまとめた。
作業当日は、スマホでこのチェックリストを開きながら、一つずつ確実にクリアしていってほしい。
- 移行元WordPress確認(ログインできるか、管理者権限か、WP・PHPバージョン確認)
- サイト容量確認(極端に重くないか、不要なプラグインやテーマがないか)
- 不要バックアップ削除(過去の.zipファイル等、これが一番のエラー原因!)
- シンレンタルへドメイン追加(新居の住所だけ先に登録しておく)
- WordPress簡単移行(深呼吸してツールを実行し、100%になるまで待つ)
- 新サーバー側の表示確認(動作確認URLで、管理画面、トップ、記事、画像をチェック)
- DNS切り替え(お名前.com等でネームサーバーをシンレンタルへ変更)
- SSL・サイト動作確認(ネームサーバー反映後、無料独自SSLをオンにして最終チェック)
- 一定期間様子を見る(読者からのアクセスや問い合わせフォームが正常か確認する)
- 旧サーバー解約(更新月ギリギリまで粘り、全て問題ないと確信してからお別れ)
この順番さえ守れば、致命的な大事故は防げるはずだ。
もし途中で「あれ? おかしいな」と思ったら、無理に次のステップへ進まず、そこで一度立ち止まる勇気を持とう。旧サーバーさえ解約していなければ、いくらでもやり直しはきくのだから。
まとめ|簡単移行は「コピーして終わり」ではない
「WordPress簡単移行」という名前は、確かに魅力的だ。
魔法のボタンをポチッと押すだけで、面倒な作業が全て終わるような錯覚に陥ってしまう。
でも、実際は「旧サーバーから新サーバーへデータを自動コピーしてくれるだけの便利ツール」に過ぎない。
荷造り前の部屋の片付け(事前準備)や、新居での荷解きと家具の配置確認(事後確認)は、結局サイト運営者である私たちが責任を持ってやらなければならないのだ。
毎日、本業のストレスと戦いながら、満員電車の中でスマホに下書きを打ち込み、寝る間を惜しんで育ててきた大切なブログ。
「簡単だから」という言葉を鵜呑みにして、確認を怠ったせいでその努力が水の泡になるなんて、絶対に避けるべきだ。
とはいえ、シンレンタルの簡単移行ツール自体が「神ツール」であることは間違いない。
FTPソフトやデータベースのパスワードと睨めっこして半泣きになっていたあの頃に比べれば、移行のハードルは劇的に下がっている。
「事前準備」と「事後の確認」。
この2つの防具さえしっかり身につけていれば、サーバー移行は決して怖くない。
この記事が、画面の前で「移行を実行」ボタンを押せずに手が止まっているあなたの背中を、少しでも押すことができたなら嬉しい。
快適な新サーバー環境を手に入れて、ブログの表示速度アップと、さらなる収益化を目指していこう。